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130:アクシアへ向けて

章タイトルから漂う絶望感

人によってはかなりえげつない展開になる予感・・・・

これまでの話で思った人もいると思いますが、私は割と世界は残酷だと思っている人間ですので、主要人物サブでも容赦しません。


流石にメインをどうにかしたりはしませんけど。


今週一週間の期間で一人一度だけキャラ案募集してます。詳しくは活動報告にお願いします。



アクシア大草原。



遊牧都市アクシアに続く道に広がる大草原。その雄大な草原では数多くのモンスターが生活している。温厚なモンスター、好戦的なモンスター、臆病なモンスターなど、多くの種類が存在しているとのこと。



歩いていると確かに草を食べている牛のようなモンスターがノホホーンとしていたり、羊型のモンスターが群れになって歩いている。



奥の方では縄張り争いなのか虎らしきモンスターが絶賛喧嘩中。それを隠れながらも興味深そうに見ている妖精らしき影がある。



随分といろんな種類のモンスターがいるみたいだ。



「・・・懐かしいなぁ」



こんな広い草原を見ると思い出すのは邪神戦と、レイとの思い出だ。あれから長い月日が経った。この世界は剣聖物語と繋がっていて、俺たちが生きた証が残っている。



「ん?バカ師匠どうしたの?」



「いや、ちょっと懐かしくてよ」



「???」



「気にすんな。それよりもさっさと進もう」



果てしなく続く草原を歩いていく。進む度に思い出していくのはそう、剣聖物語での思い出だ。

何かいいなこういうの。心が穏やかな気持ちになる。



草原って言うのは不思議な力があr



『『『『『『『『ギギャギャギャァ!!!!』』』』』』』』



草原の中に蔓延るゴブリンが他モンスターを襲い、漁夫の利目当てで喧嘩していたモンスターを殺し、妖精モンスターを捕まえて羽をむしり、仲良さそうな親子モンスターをなぶり殺す。



心地よい風は悲鳴と鉄の匂いを運びだす。・・・・・・人がせっかく思い出に浸れそうだったのに邪魔しやがって・・・・!!!



「リーク!レイレイ!マー坊!ルーク!ギン!ギルファー!!ディア!!全員でここのゴブリン全滅させるぞ!!」



「「「「「うん/応/うむ!!」」」」」



『ヨ?』



『前も言ったが小鬼は不味いのだが』
















「ドララァ!!!」



『『グギャァ!!!?』』



思った以上に数が多い!



戦闘開始から10分経過、散開して各個撃破していくが減っている気がしない。本当に波のように押し寄せるゴブリン達。アナウンスで倒したとかは流れていないからイベント中のゴブリン達の進行ってわけだ。



「バカ師匠!!でかいの出た!!」



「あいよ!ギン!!ルーク!!大物潰すぞ!!ついて来い!!」



「アール!!」



「リークとレイレイはシーフを頼む!余裕があれば援護頼む!!マー坊はギルファーとそのまま無双乱舞決めて倒しまくれ!!」



「あいよ!行くぞ犬!!」



『また貴様と組むことになるとはな』



「ディア!!行くぞ!!」



『ヨ!』



各自に指示を出して狙いの大物に向かっていく。ディアは俺の頭の上から溶けるように肩へと移動そのまま左の腕と同化していく。



『ヨ』



同化した腕から『投刀:抛』を受け取りさらに突撃、右手に構える『真刀:戯』と共に正面のゴブリン達を切り裂いていく。デカブツ。いつぞやの分厚い盾を持つゴブリンの前に出たときにちょうどルークとギンとも合流した。



「とりあえずギンはあの鉄板ぶった斬れ。ルークはバックラーを斬れ」



「バカ師匠は!?」



「雑魚潰してるよ!『天雷天翔サジット』!!」



押し出すように『投刀:抛』を飛ばしゴブリンの波に穴を開ける。手元からなくなったのでディアから次の『投刀:抛』が補給される。



ディアには戦闘時、俺のサポートとして戦ってもらうことにしている。こいつ単体で戦ってもらうと確実にゲームバランスが崩れる。



まぁ、剣聖物語でも同じ立ち位置にいてもらったので詰まるところ何時も通りだ。



『グギャァァ!!』



『ヨヨヨ!』



「視えてる!!」



地中から奇襲してきたゴブリンを迎え撃つべく『双子星の剣』を抜き地面に突き立てる。同時に地面から生えるように出てきた腕がピンと伸びて、その後力なく弛れると光となって消えていく。



「新技行くぜ!!超越流派抜刀術『天雷初月雀』!!」



さらに迫ってきた波に向けて斬撃を飛ばし、波を割る。十六夜天雷を使用した状態での初月雀、抜刀の瞬間だけ精度を挙げて音速以上に速度を保ちつつ斬撃を飛ばす。



数が多くとも一匹一匹はそう強くない。と言うか猿の後に猪相手して、最後にリッチぶっ殺したばかりだ。こいつら相手にダメージ受けていられるか。



『『『ギギィ!!!』』』



「シーフは私の獲物だから」



「間違えるな!アタシ達の獲物!!」



ゴブリンの波を縫うように現れたゴブリンを、同じように走ってきたリークとレイレイの二人が仕留める。



リークは携えた刀を抜いて一閃、レイレイは両手に構えたトンファーで頭をザクロに変えて。



「師匠!!?簡単に言われたが結構難しいのう!!?」



「同じく!!」



視線を移せば中々うまくいかないようで盾に傷は付いているが、切り裂けてはいない。



「余計な力は入れるな!自然体で斬れ!!特にギン!!テメェ継承者だろ!!やって見せろ!!」



「のじゃぁ!!?」



「やーい!!」



「ルークは逆に狙いが甘い!!もっと集中しねぇか!!!!斬鉄なめんな!!」



「ひゃい!!」



ったく、ちゃんとやればお前らでも行けると踏んでるんだ。いつもどおり平常心でやって見せないか。



「アール怖っ!!?怒鳴ってるの久し振りに聞いたかも!!?」



別に怒鳴ってない。活を入れただけだ。変に難しく考えるからいつもどおりやれって言っているだけだ。特にギンはブレイドキャンサーぶった切れるんだから出来るだろ。



「女狐!よそ見する暇あるなら体を動かせ!!」



「っ!!?ごめん!!ってかアンタも頭上注意よ!!」



よそ見していたレイレイの背後から迫っていたゴブリンをリークが切り裂き、飛んできたゴブリンをレイレイが蹴り飛ばす。



「『シューティングフレア』!!」



「これで準備完了!!『デモンパラライズ』!!」



空に打ち上がった火炎が花火のように破裂する。火炎に視線が向いた瞬間にレイレイの拘束魔術が炸裂し、レイレイを中心に扇型に麻痺毒の波がゴブリン達を包み込んだ。



波は何かに吸い寄せられるように広がっていく。見ればレイレイの足元にはなにか刻まれた矢尻が刺さっている。それを通じて広がっているので何かしらの仕掛けはしていたみたいだ



動きが止まったゴブリン達の上空から降り注ぐ炎の矢。突き刺さる炎の矢はゴブリンを炎で包み込んで灰に返していく。



戦闘中の二人のコンビネーションは流石だ。



遠くからはボールのようにポンポンと宙を舞うゴブリンの一部と、雷轟が鳴り響いている。あっちもなんだかんだ言いつつ相性がいいんだよ。



「”視えた”!!ここだぁ!!!」



『ゴギャッ!!?』



「『鏡雀』」



「ゴォォォ!!?」



ちょうどルークがバックラーごとゴブリンを切り裂き、ギンは分厚い鉄板の盾を真っ二つに切り裂いていた。やれば出来るじゃないか。



「『都燕』」



『ゴッ!!?』



ぶった切られたことで動きが止まった大型のゴブリンに首をへし折る一撃を叩き込んだギン。ゴブリンの首が向いてはいけない方向を向いており、ゴブリンは苦しみながら地面に伏していった。



「どうだ!!」



「流石だルーク、その感覚忘れんなよ?」



「うん!!・・・・はっ!!?忘れるわけないもん!!」



今更過ぎる反応だって。



「師匠!!今のはどうじゃった?」



「厳しめに言うと後5手速くやってほしかった」



「厳しいのう・・・むぅ」



「だから次に期待だ。頼むぞ?」



「うむ!!!!」



ギン、見ないうちに随分と幼児化した気がする。前までのクールビューティーは何処へやら。



「オラァ!!」



ルークは次の獲物に向かい剣を振るう。リークたちも同じく再び仕込みをはじめ、戦場を駆け巡る。



そうだ。最近せっかくギンから色々教えてもらったしちょい試してみたいことがあったんだ。ちょっと試してみようか。



「ギン!”アレ”を試してみる!!」



「うむ!心得た!派手にやってほしいのじゃ!!」



エクストラモードだけに許されていると思われる特権のひとつ。あって無い様な専用スキルの垣根。以前たまたまやってみたら発覚した案件。運営にも確認してバグや変なツールによる物ではない事も把握している。



発動条件はその”魔法・魔術・妖術”の類を一度でも見たことがあること、もしくは使い方・やり方を知っていること。

その詠唱を暗記していること。

MP(魔力や妖力ともいう)が十分にあること。

そして発動条件のステータス値があること。



4つの条件は満たしている。戦闘時初使用だ。どうなるかわからないがこういったスリルを楽しむのもゲームだからこそできることってな!





「『狐よ狐、神の血を引く狐の神子(みこ)よ。(ほむら)と共に駆け巡れ。纏う焔は光となりて悪しき大蛇を討ち滅ぼさん』」



『ギギゴギャァ!!』



”妖術”の利点は詠唱時でも自由が利くことだ。迫る攻撃を回避しながら、ゴブリン達を切り捨てながら詠唱を続けられるのだ。



「『狐の焔は悪を焼き、朽ち果てた大地に命が息吹く』」



そして何より”詩”にすることで『桜華戦流』との相性がとてつもなくいいのだ。敵を惹きつけることも、敵の注意をそらすことも自由自在。



「『命の芽吹きは希望となりて、狐の焔は世界に響く』!」



体から何かが消費される感覚、MPが消費され詠唱が完成したことで”妖術”が発動する。発動した妖術は手に持つ『真刀:戯』の刀身に炎を纏わせるもの。だけどこれで終わりじゃない。こっからは俺の完全オリジナル。相性がいい『桜華戦蘭流』が最も生きる戦いを見せてやるさ!



「『さぁさぁ踊れ!焔と共に!今生きる全ての命!死する時まで輝きながら!生きた証を世界へ示せ!』」



『『『『『『ギギャァァッァァァァ!?!?!?!!!!!?!?!??』』』』』



「桜華戦蘭流演舞『命の”(ほむら)”』!」



コマの様に回転しながら前に進み、空中に浮世絵を描くように刀を振るいゴブリンをなぎ払う。絵の具のように広がる火炎がゴブリン達を包み込み焼いていく。これが”妖術の基礎『焔』”と『桜華戦蘭流』を融合させた俺の新技。



武器に火炎を纏わせる妖術で武器を強化、その火炎を絵の具のようにしながら絵を描くように剣を振るう新奥義。実戦では初めてだったが使い勝手は十分。



ちなみに『焔』の火炎付与は俺がひと振り終えるまで、剣を振るい始めてから止めるまでは効果が続くが、一度手を止めると火炎が消える。発動するまでに時間がかかる為、使用時は確実に当たると確信してから使うことをおすすめする。



「師匠すごいのじゃ!!」



「すっご・・・!!?」



弟子二人が驚いているので大成功だ。練習した甲斐があったぜ。ちなみに最近はリークから”魔術”を教えてもらっているのだが、残念なことに『魔力』『命中率』『MP』が発動条件を満たせていないので使えない。



なので”魔法”を教わり始めたのだが詠唱中に身動きが取れないのでほとんど使用することはないのが残念ポイントである。その点妖術はかなり自由が利くので俺との相性はいい。ただし魔法・魔術とは違い、詠唱が少し長いので覚えるのが少し大変だ。



『『『『ゴギギギィィィ!!!!!!』』』』



まだまだたくさんいるなゴブリン。けど戦い始めたんだ。全滅するまで戦い抜くさ。





――――◇――――




「師匠よ。数が多すぎるのではないか?」



『グギィ!!?』



「俺らに出来るのは全員倒すだけだ」



『『『キギャァァ!!?!』』』



既に10分ほど経過している。数は減ってきているとは思うが実感がない。まぁ無限湧きだろうがなんだろうがやるしかないんだ。仕掛けた時点である程度は諦めろ。



「そうじゃの・・・『弥生』『卯月』!来るがよい!!」



『『クァァン!!』』



ギンの声に呼ばれて宙に現れた札から飛び出したのは全長3mはある二匹の狐。首にはそれぞれ青と赤のチョーカーがついている。今度はデカくなって出てきたのね。



「すべてを薙ぎ払え!!」



『『グォォォン!!!』』



弥生が冷気を纏いながら、卯月は炎を纏いながらゴブリンの波へと突っ込んでいく。近づくすべてを焼き払い、凍りつかせる二匹の狐たち。ホントあの時敵にならなくてよかった。



「ってルーク!お前”視えてる”んだろうな!!?」



「当然だバーカ!!」



囲まれかけているルーク。視えているとのことだが少々危ない。一度合流しといたほうが良さそうだ。



「うおぉぉぉぉおおおおお!!!!ルークキュンは俺が守るんだァァっぁぁ!!?」



「・・・・・ハ?」



「うにゃっ!!?」



突然過ぎて何が起きたのかわからなかった。突然飛んできたプレイヤーらしき物体がルークを囲んでいたゴブリン達もろとも吹き飛んだ。



「切り捨て御免・・・なんちゃって・・・でもあの野郎よくも最高のシチュに水差しやがって!!今のは師弟愛がマックスで決まる場面でしょ!!?」



「あぁ・・・夢にまで見た本物ルーク君・・・だめ、達しそう」



馬鹿なこと言ってるのにバッサバッサとゴブリンをなぎ払う一団なぜだろう。タイミング的にはありがたいはずなのに、何故かこいつらとルークを絡ませちゃいけない気がする。



「師匠何この人たち怖い!!」



ゴブリンなんて目も呉れず、逃げるように走ってきて俺を壁にして隠れるルーク。若干震えてる。



「ほら〜、皆さんハッスルするから怯えちゃったじゃないっスか・・・ども」



ゴブリンをハンマーで殴り飛ばす男性プレイヤーが頭を下げながらやってくる。装備はどこかで軍隊でもやってきたのかと思うほどの軍服である。わかりやすく言うとスネーク。



「自分『山田』っス。ちょっと縁があってあの人たちと『フリー団』ってクランで一緒に遊んでるっス」



「は・・・はぁ・・・」



「ルークキュンをいじめたのは誰だァァァ!!!?」



「ぴぃっ!!?」



バーサーカーかよ。身長の二倍はある斧を振り回して『ルーク』と連呼している絶対に危ない奴。



「あっちの人はライーダさん。見た目通りバーサーカーで危険人物です」



いやそれは見ただけでわかる。あれは絶対にやばいやつだ。






喜べ信者諸君。

出番だ。


あ、感想お待ちしてます。

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