103:討伐記念大宴会
忍者ゴブリン討伐記念大宴会
申し訳ありません。一話飛ばして予約入れてたので14:23頃に一話更新してます。合計三話更新なので読んでいない方は一話お戻りください。申し訳ありません。
ギルドは野外も含めて大繁盛である。
注文があちらこちらで飛ぶように出てくるし、バカみたいに飲んだ食ったをしている奴らが沢山いる。街中にある露店でも同じような事が起こっており、商品が飛ぶように売れている。
さらにプレイヤーNPC問わずに浴びるように飲み食いをしていたり、演芸大会らしきものもそこかしこでやっている。
ゴブリンの軍団をすべて倒し、街に平和が戻ったことで、戦っていた全ての人々が打ち上げを始めたわけだ。
しかも最初からフルスロットルで。大人も子供も関係なくみんなすごい勢いで盛り上がっている。賑やかすぎて怖いくらいだ。
「アールってば全然飲んでないじゃない!!アタシが特別に飲ませてあげよう!!」
「うにゃぁ〜」
「あっずるい!!アタシも寝るぅ〜!!むにゃぁ・・・」
「お前ら飲み過ぎじゃない?」
両サイドには絶対死守と言わんばかりに陣取るリークとレイレイ。正面には現在は誰もいない。俺がいるのはギルド建家の中にあるテーブル席。六人がけのテーブル席で三人は固定。残り三人は数分から数十分置きに変わっている。
ちなみにルークは現在もみくちゃにされている。忍者ゴブリン討伐者であり、俺の弟子ということもあり、ステージ上でもう恥ずかしいくらいに祭り上げられている。
時折『助けてバカ師匠ォォーーーー!!?』って聞こえたが無視した。時折顔を向ければ睨むようにこちらを見ていたが今は無視。両隣のふたりの相手で精一杯だ。
膝の上でゴロゴロしているリークと、ハイテンションで飲んでいるレイレイ。後で吐いても知らねぇぞ?吐かないにしても状態異常とかにはなるだろうな。
「やぁ、面白いことになってるね」
「ルシオンか、久しぶり。スクショ取るなら一枚100Dでいいぞ?」
「お金取るのかい・・・」
当然です。こんなおもしろ可愛い二人の写真はただではあげません。無断でアップした奴はもれなくギルティ。リュウオウの刑に処す。
「まぁ座ってくれよ。落ち着かないかもしれないけど」
「いやいや、そんなことはないよ?久しぶりに大宴会だから僕も結構楽しんでるよ」
テーブルの上に置かれた寿司を取り口の運んでいくルシオン。それ俺が楽しみに取っておいたマグロ・・・・・後でまた取ってこよう。
「増援助かった。ありがとうルシオン」
「気にしないでいいさ。丁度近くに来ていたからね。それに大型イベントだし来ない理由がないよ」
リークたちと合流した直後に、ルシオンとチーザー紫率いる集団が増援として戦場に現れた。そこからはもう快進撃並みに盛り返した。
リーク並とはいかないが、かなりの実力者ぞろいの魔術師ジョブのプレイヤーが放つ魔法攻撃。無双ゲームと同じ様にゴブリンを吹き飛ばしていく前衛職のプレイヤーたちの快進撃。
俺に集中していた敵意が鈍るくらいには恐ろしい光景だったようで、ゴブリン達が一斉にたじろいだのである。そのおかげでそこからはかなり楽だった。
「うん。それじゃぁ僕はこの辺で」
「ん?早いな?もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「一匹目が討伐されたからね。他のゴブリンの動きもあるだろうし、それは僕も討伐したいからね」
「なるほど」
「あと君の弟子に負けてられないからさ。年長者のプライドってやつだよ」
にこやかな笑顔の中に燃え上がる対抗心を宿しながらルシオンはギルドを後にした。目撃情報はもう掴んでそうだな。となると二匹目はルシオンが倒しそうだな。
「おうてめぇ、元気そうじゃねーか。両手に華ってか?えぇ?」
「チーザーさん近い近い。しかも酒臭い」
ビール片手に顔を近づけてきたチーザー紫。完全に酔っ払っており足元もおぼつかない。俺の背中にのし掛かりながらジョッキのビールを水のようにグビグビ飲んでいる。大丈夫か?
「カー!!勝利の美酒はうめぇな!!てめぇは何飲んでんだよ!?」
「子鬼殺しっていう日本酒みたいなやつ」
「あひゃひゃぁ!!ゴブリン討伐祝いに子鬼殺しで乾杯ってか!!?」
ちなみにアルコール度数21度である。なのに水みたいに飲みやすい。後からくるさっぱりした辛さが病み付きでたまらない。
中身の入ったお猪口を向けると答えるようにグラスを出してきたので静かに乾杯。チーザー紫はまたがぶ飲み。俺も味わうように酒を口に運ぶ。
ゲームの中でも酒を飲めるとは、恐るべし。ちなみに未成年が飲もうとするとシステムが発動して中身が水に変わる仕様である。
「しっかしてめぇの弟子だっけか?大したやつじゃねーか!!どんな裏技使いやがったぁ!!まぁ今更驚かねぇけどよ!!あっひゃっひゃ!!!」
背中バシバシ叩かれる。結構いい音してるしなかなか痛い。楽しそうだから別にいいんだけどさ。
「チーザーさん飲みすぎですよー?」
「おう!!ミーちゃん!!飲んでるか!!?」
やってきたのは温厚そうな顔つきをした女性。手にはオレンジジュースを持っていた。
「いつも言ってますけどミーちゃんはやめてください。すみませんアールさん。私はクラン『戦国華激団』クランマスターのミーといいます。いつもウチのサブマスターがお世話になってます」
「あ、どうも。クラン『剣星』のクランマスターで『剣聖』名乗ってるアールです。初めまして」
「ミーちゃん!!こいつに畏まらなくていいんだぜ!!こいつはひでぇ奴だからな!!」
「はいはい。でも聞いた話だと、あの時はチーザーさんの態度も悪かったって聞きましたよ?けどまぁ今はこうして仲良くしてるみたいで私は嬉しいです」
「うっせぇバーカ!!仲良くなんてないぞ!!こいつとアタシはあれだ・・・・ライバルだ!!」
速報。俺氏。いつの間にかライバルにされてた件について。
あと今の『うっせぇバーカ』って言うのルークと似てたな。実は関係者だったりして。なんてな。
「ライバルですか。ならアレですね?喧嘩するほど仲がいいってやつですね?」
「そうそうそれだ!!アレだよアレ!!いつもは戦うけど共通の敵がいるときは一緒に戦うみたいなやつ!!ってそれじゃぁただのツンデレか!!?あひゃひゃ!!!」
だめだこりゃ。完全に出来上がってる。何か遠巻きにこちらを見守る視線が増えてる気がする。もしかしてルシオンが切り上げたのチーザー紫がこっちに来たのが見えたから逃げたのか?ありえる。
「もう。こんな姿弟くんが見たらどんな反応するか・・・」
「残念でしたぁぁ!!あいつはもう見慣れてるからいつも通り適当に返事しかしない・・・なんで適当なんだよバーカ!!でも最近一回喧嘩したから一段と仲良くなったんだぜ!!でも面白くない!!おいアーくん酒!!」
「あ・・・アーくん!!?もしかして俺か!?」
いきなりびっくりするわ!!?なんだアーくんって!!?
「ごめんなさい。ちーちゃ・・・んん、チーザーさん酔うとみんなちゃん付けで呼ぶんです。向こうでもその所為で何回ウブな男性をたらし込んだか・・・・」
「・・・大変そうですね」
「もう慣れました」
苦笑いをしながらチーザー紫を引き剥がそうとするミーさん。っていうか服掴まれてるんだけど。膝の上でこういう時頼りになる二人は可愛らしい寝息たてながら寝てるし。
「こらチーザーさん!!」
「あひゃひゃひゃ!!!!」
「なにやってんだこのバカ姉貴!!」
「へぶひゃ!?」
ミサイルキック炸裂。チーザー紫が吹き飛んだ。器用に持っていたジョッキを奪い取りながら蹴り飛ばしたのは自らの姉だと宣言しながら飛んできた少年。
うん。なんとなくフラグかな?とは思ったけど。マジですかルーク。
「何すんじゃ愚弟このバーカ!!!!・・・あれ?俺なんで愚弟っていったんだ?」
「そんな馬鹿な絡み酒するの姉ちゃんくらいだからいやでも気づくよバーカ!!!それよりもバカ師匠困らせるな!!」
「んだとぉ?お前いっつも俺が話しかけても反応しないくせにこういう時は声かけてくんのかぁ!!?」
「酔っ払った姉ちゃんめんどくさいんだもん!!でも僕のバカ師匠に迷惑かけてるなら話は別だバーカ!!」
「バカっていうなバーカ!!」
「うっさいばーか!!」
「「バーカバーカ!!!」」
何か子供の喧嘩みたいになってきたんだけど。周りの奴らも焚きつけ始めてもっとやれとかいいぞいいぞとか言い始めてるし。
流石に見てられなかったのでルークを抱きしめるように押さえ込んで口を手で塞ぐ。チーザー紫も同じくミーさんになだめられている。
「本当に弟くんですか?反応はすごく似てますけど・・・・」
「あ゛ぁ゛!?マジでこいつりょうむぐぅぅ!?」
「チーザーさん?リアルネームは禁止です。こういう時は誕生日プレゼントを聞くのがいいんですよ?何をあげたか答えられますか?」
それもちょっと違う気がする。けどまぁ本人たちが分かるならいいか。
「むふぅー!!」
「あ。ごめん」
ペシペシと手を叩いて手を離せと言ってきたので手を離す。『プハァー』と息を吐いてルークが話し出す。
「こんにちはみや・・・じゃなくてこっちではミーさん?いつもそこのバカ姉がお世話になってます。手編みのマフラーです。僕の名前入りでした」
「あらあら!本当に弟くんでしたか!!」
「マジでかッ!?お前いつの間に始めたんだよ!!?あひゃひゃ!!これはお祝いだ!!愚弟酒!!」
「バカ姉!!少しは自重しろ!!」
このあとチーザー紫が酔いつぶれて寝るまで、俺とルークとあと、ミーさんは付き合う羽目になったのである。
その頃には、既にみんな酔いつぶれて雑魚寝状態であったことを此処に記す。
ってかマジでチーザーの身内かよルーク・・・・
さらっと明かされた衝撃の新事実。ルーク、チーザー紫の実弟だった。
短編書き始めましたのでよろしければそちらもどうぞ。
感想お待ちしています。




