表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
らん豚女神と縛りプレイ  作者: ジェームズ・リッチマン
第二章 無知と未知への恐怖心
65/119

収支はしっかり明記すること

 ギンは臆病だ。

 優しい気持ちはある。正義感は伝わってくる。

 しかし年齢のためなのか、気の弱さのためなのか、どうにも一歩前に踏み出せないところがあり、それが剣を振るうことの障害になっていた。


 剣は言わずもがな戦いの道具である。叩き切るなり突き刺すなり、とにかく戦いのために扱われる道具だ。

 ガシュカダルは、ギンのそんな性格を咎め、信仰の剣を持ち去ったのではないか。

 ……神の思し召しを想像するというのはひょっとしたら不敬なのかもしれないが、今の俺には、そんなことを考えるしかなかった。




「よし、三体目」


 斧で盾をふっ飛ばしては、手元に残った『トリプル・ダーツ』を投げ放つ。

 手斧とダートというなんともアンバランスでよくわからない組み合わせではあるが、この戦い方はわりと有効であるらしく、次に出会った二体のボーンウォリアーも簡単に倒すことができた。



■「守護霊のオーロラ」スキルカード

・レアリティ☆

・神秘のカーテンによる防御魔法。選択した対象の周囲に神聖な霊力のカーテンを貼り、一定時間またはある程度のダメージを防御し、和らげる。


□「リトル・トーチ」アイテムカード

・レアリティ☆

・先端に火が付いた、匙程度の長さの棒を出現させる。



 結果、ドロップしたのは更に二枚のカード。

 これで、一枚の『トリプル・ダーツ』だけで三枚のカードが手に入ったことになる。


「……オー」

「おほー」

「まあ、はい」


 ギンもようやく、俺の強運について思う所が出てきたようである。

 別に悪いことをしているわけではないのに、妙な沈黙が心に痛い。何故だろう。

 そしてペトルは他人面で一緒におほおほ鳴いている。もしも俺が悪いことをしているんだったら、主犯はお前なんだぞ。わかってんのか。




「『サーチ・クランブル・ロック』発動」


「光輝神の清き閃きよ、穢れし闇の眷属を追い払え……『ホーリー・ライト』!」


「『サーチ・レイ・ストライク』発動」


「『ホーリー・ライト』!」


「斧!」


「『ホーリー・ライト』!」



 俺とクローネが交互に攻めの手を繰り出すことで、四階における遭遇戦はどうにかなっている。

 が、出てくる相手がスケルトロールであればクローネの『ホーリー・ライト』も有効だったのだが、盾と剣を持つボーンウォリアーが出てくるとそれも少々辛い。

 手斧を投げてやれば時折盾を弾くことがあるとはいえど、毎回というわけにもいかない。そんな時には俺がスキルカードによる攻撃を行わなくてはならず、それも結構な消耗戦の色を呈し始めていた。


 何が起こったのかといえば、答えは簡単だ。

 相手を攻撃するスキルカードが、ほとんど尽きてしまったのである。



■「光の祭壇」スキルカード

・レアリティ☆☆☆

・目の前に霊力で造られた簡易的な祭壇を生成する。



「最後に出たのがこれかー」

「……教布神主信仰の身なので、私からはあまり言えませんが……できれば、攻撃系のスキルカードに出て欲しかったですね」


 俺の最後の攻撃によってドロップしたカードは、スキルカード『光の祭壇』だった。

 クローネの持つスキルそのままの効果を持った、ようは俺達にとってそんなにいらないカードが、最後の最後で出てしまったのである。


 喩えるならば、しりとりの『ん』であろうか。

 四階もそろそろ抜ける頃だというのに、中途半端なところで攻撃の手が尽きた。これは非常にまずい事態である。


 いや、ドロップ率自体はいいのだ。カードは出ているので、運が悪いというわけではない。

 だがその幸運も、連続して望む形となって現れるはずがなかったという、ただそれだけなのだ。


「……私はまだ『ホーリー・ライト』を唱えることは可能ですが……」

「いやクローネ、無理はしないでくれ。結構顔色悪いぞ」

「……」


 頬に手を添え、どこか浮かない表情を正直に浮かべている。

 実は顔には出ていなかったのだが、彼女もそこそこ無理してスキルを使っていたようだ。

 さすがにあと二、三発で力尽きてしまうという程ではないだろうが、この後五階を突っ切らなくてはならない考えると正直分が悪いと言わざるを得ない。


「わ、ワタシも……」

「うーん……そうだな。ここまでくると、ギンにも勇気を出してもらわないといけなくなるかもしれないが……」

「ハイ……だだだ、ダイジョウブです、ハイ」


 うん、やる気はわかる。でもすごく頼りないんだ。彼女の出陣は本当に最終手段である。

 下手したら俺が剣と盾を持ったほうがいいかもしれないレベルだ。


「ぷぴー……ねえねえ、私は?」

「……ペトルは、そうだな。そうやってフルートを吹いてもらえると助かるかな」

「おほっ! まかせて!」

「頼んだぞ。結構マジで」


 ペトルの持つグラシア・フルートの御利益に預からなければ辛い状況にある。

 このフルートは吹くだけで相手を怯えさせたり、後退りさせたりする効果があるので、接近戦にものすごく不安のある俺達にとってはまさに生命線であるとも言えた。


「あとあるのは、……出したまま全然使ってないフライト・ダガーと……わずかばかりのスキルカードだけか」



■「オルタナティブ」スキルカード

・レアリティ☆☆

・差し迫る戦いに2つの選択肢。10秒間だけ使用できるスキルカードを2枚、ランダムに手元に呼び寄せる。カードオリジナルスキル。


■「石化の眼差し」スキルカード

・レアリティ☆

・問答無用で石にな~れ。カードの絵柄から魔法弾を発射し、命中したものを3秒間だけ石に変える。


■「エクスチェンジ」スキルカード

・レアリティ☆

・一度だけ、手で触れたカロン硬貨を両替できる。細かくすることも、纏めることも可能。


■「守護霊のオーロラ」スキルカード

・レアリティ☆

・神秘のカーテンによる防御魔法。選択した対象の周囲に神聖な霊力のカーテンを貼り、一定時間またはある程度のダメージを防御し、和らげる。


■「光の祭壇」スキルカード

・レアリティ☆☆☆

・目の前に霊力で造られた簡易的な祭壇を生成する。



 相手を石化させるという面白いカードもあるけれど、石にしたからってそれを砕けるかどうかに強い不安が残るので、正直あまり頼りたくはないものだ。

 そもそも相手の骨も石みたいな材質なので、短時間だけ動きを止めるだけのカードでしかない。


 唯一武器として使えるのは『オルタナティブ』くらいだろうか。

 これを使えば時間制限付きの二枚のスキルカードが出現するので、相手が三体くらい出てきても対処できるかもしれないのだが……これを使うと本当に後が無くなってしまうので、やはり保持しておきたいものだ。


「……できるだけ戦闘を避けつつ進むしか無いな」

「そうですね……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誤字などを発見した場合には、感想にて指摘してもらえるとありがたい。
章単位で書き上げた後は、その章内を整理するために話数が大幅に削除され圧縮されるので、注意すること。

ヾ( *・∀・)シ パタタタ…
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ