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SOUL TREASURES  作者: うさぎさん⭐︎
第一話 目覚めよ、オレンジソウル

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3/3

後編「サルベージ──本当の気持ち」


【私の名は、夕霧陽子《ゆうぎりようこ》。

 公立中学校二年生の純で可憐な女の子……】

「うわッ、なんだなんだ、この声⁈」

「モノローグ?」

【好きなものは購買のブルーベリーパン。

 国語が好きで、数学はちょっと苦手なの⭐︎

 でもね、でもね、陽子が一番大好きなのは】

「うわーッ⁈  やめてくれ、なんだコリヤーッ⁈  脳味噌腐るッ‼︎」

 タイムは腕組みする。

「う~ん、これが、彼女のハートの中かぁ。ふむふむ」

「なんなんだ、この、点猫やら花やら、キラキラリンな世界……。

 か、体中が痒いッ!」

「楽ってば、こういうのに免疫ないの?

 典型的な少女マンガ・少女小説って感じじゃない?」

「おまえの星にも、んなのあるの?」

「あーもしかして今さりげにバカにしたでしょッ⁈」

【陽子がいっちばん好きなのはぁ……キャッ。恥ずかしくていえないよぉ♡♡ きゃぴるん】

「うがー⁈ 頼むやめてくれーッッッ‼︎」

「なんとなくわかったわ。

 おそらく、この陽子ちゃんのラヴラヴダーリンと彼女がうまく行くように仕向ければ、オレンジソウルが手に入るんじゃないッ⁈ 

 やっぱりコイバナはハッピーエンドが基本よッッッ‼︎」

【あ〜ん、ど・お・し・よ・お。

 やっぱりいっちゃおうかな~?

 陽子が好きなのはぁ──

 空橋楽クンっ♡♡♡♡♡】

「えっ……」

 楽のバッグに鐘が現れて、ハッピーに鳴り響く。

 キューピッドとリボンも祝福するようにダンス・ダンス・ダンス♪

 それと同時に、楽の目の前に、髪の長い少女が出現する。両手を組んで目にはお星さま。

「好きですッ♡ 楽クンっっ♡♡♡」

「悪いけど、オレそういうの興味ない」

「うっ……うわぁぁぁぁんッッッ‼︎」

「ちょっと、いきなりフッてどーすんのよッ!」

 タイムはどこからか取り出したハリセンで楽の頭を叩く。

【フラれちゃった。フラれちゃった。

 もう陽子生きてけなぁぁいっ! ジサツしてやるッ‼︎】

「か、過識な……」

「ど、どうしようタイム」

【遺書に楽クンにレ●プされたって書いてやるッ‼︎

 ハードボーイズ・ラヴもまっつぁおな、ヤバイですよヤバイですよX指定ですよっ、な描写してやるぅぅぅっ‼︎

 えぇぇんッッ‼︎】

「……な、なんかイマイチよく意味がわかんないんだけど……」

「知らないほーがきっと幸せよ、楽……」タイムは仙人のような顔で、楽の肩を叩く。

【なぁぁんちゃってぇ⭐︎ だぁいじょうぶだもぉぉんっ、だってぇ陽子お

ぉ、他にもた~くさん、好きな人い・る・か・らッ!】

 急に立ち直った陽子の周りに、次々と男子が現れる。

【サッカー部の保田《ほうだ》キャプテンでしょ! 

 ショタ好きにはたまらない寄居《よりい》クン♡

 でもクールな弥栄《やさか》生徒会長も捨てがたし。

 アダルティーな豊嶋《としま》先生もちょーラヴ♡

 それからそれからぁ】

「誰かこの暴走機関車を止めてくれっ‼︎

 てゆーか、コレのどこがピュアソウル??」

「……う~ん、でもある意味とってもピュアかも」

【あーん、陽子どうしたらいいのッ⁈ 

 わかんないよお。みんなラヴじゃいけないのぉ?】

「どうでもいーけど、いい加減やめろッ!

 このモノローグッ! ダイアローグにしてくれッ‼︎」

「……、要するに、それが君の悩みなワケ? オレンジちゃん?」

「……はい。ダイアローグにするから、どうしたらいいか教えて」

 陽子は潤んだ真剣百五十パーセントな目でタイムたちを見た。

「君の悩みを解決したら、君のハートに眠るオレンジソウルをあたしたちにくれる?」

 陽子は音が鳴りそうな感じに輝きした。

「よくわかんないけど。まーできるなら」

「ならば、君の心を解放しよう。陽子?」

 野郎どもを掻き分けて、タイムは陽子の手を取る。

「自分に正直になろう。

 君はオレンジのピュアソウルの持ち主。

 その君のハートに触れれば、大概の男は落ちるぜ?

 要は周りが何をしたいかじゃない、君が、何をしたいかだ。

 さぁ、君の本当にしたいことを言ってごらん?

 答えはとっくに出てるんじゃないか?」

 自分に陶酔気味なタイムのセリフに、陽子は目を見張った。

「私の心は決まりました」

 陽子の胸の前に、突如輝くオレンジ色のハートの結晶が現れる。

「あ、あれがピュアソウル?」

 そのあまりの美しさに、楽はめまいがしそうになった。

「今までの私は……そう、眠っているような状態だったの。

 恋に恋するピュアな乙女。

 だけど、あなたのお言葉で、私は目覚めることができました。

 もう見た目だけの男たち目移りしたりしません。迷いません♡」

 オレンジソウルが一際眩しく輝く。

「好きです」

 陽子が見つめたのは──


 *  *  *  *  *  *  *

 

「なにはともあれ、一つ目のピュアソウルゲットだな!」

 明朗に笑う楽の隣で、エクトプラズム抜けそうな顔で、タイムは呟く。

「そ……そうね、よかったよかった…………」

 タイムは今にも倒れそうな足取りで頬を引きつらせている。

 ソウルサルベージを終え、本日の授業もラストを迎え、楽と二人昇降口に向かう途中、タイムは信じられないモノに出くわした。

 信じられないモノは実は校庭を歩いている今現在も、タイムの背中に背後霊のように引っついている。

「陽子は目覚めました♡

 タイムさまが宇宙で一番大好きですっっっ♡♡♡」

 陽子を引っつけたまま、タイムは大滂沱しつつ叫ぶ。

「イヤッ! 百合はイヤァァァァッ‼︎」

 楽がやっぱりよくわかってなさそうな顔で首を傾げた。


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