扁子(ビエンズ)
三輪車の上に
ひとり増えていた
毛布を何枚も何枚も重ねた中で
身体を丸めている
扁子
寒さのせいなのか
それとも手にできた、噛まれたような腫れ物のせいなのか
高い熱を出していた
もう歩けなかった
休める場所を見つけるたび
二人が手足を使って
岩肌につかまり
木の幹につかまりながら
ようやく、あいつをそこまで運んでいった
前は
扁子は目がよかった
野の果実も、いつもほかより少し多く見つけてきた
食える野草がどれかも、ちゃんと知っていた
今日も
あいつは採りに出ようとしていた
でも、誰も行かせなかった
そのせいか
今日持ち帰れた食いものは、いつもより少なかった
粥を分けるとき
譚輝は、あいつの椀に少しだけ多く米を入れた
それを見たやつはいた
でも
誰も何も言わなかった
朝靄は
何枚服を重ねていても
体温を持っていく
熱いものは
粥だけだった
夜道で
扁子は何度か目を覚ました
そのたび
自分は歩けると言った
そのたびに
白が一度で押し戻した
あのとき
俺を押さえ込んだみたいに
俺はあいつの身体が気がかりだった
でも
少なくとも
置いていかれる心配だけはなかった
山の雨は降り続いていた
山風が雨を巻き上げて
何度も何度も、人の顔へ叩きつけてきた
曲がりくねった山道では
寒さから逃げる場所もなかった
山の中へ入ると
今度は泥が滑りはじめる
足元が一度狂えば
人はそのまま落ちていく
俺にはわからなかった
次に倒れるのが
誰なのか
それが
いつなのか
道が
まだどれだけ残っているのかも
中国語原文
第29章《扁子》
三輪車上
多了一個人
蜷縮在一層又一層毛毯裡
扁子
不知道是天氣太冷
還是手上那些被咬出來的鼓包
他發著高燒
走不動了
找到歇腳的地方以後
兩個人手腳並用
扶著石壁,扶著樹幹
才把他弄過去
以前
扁子眼睛很尖
總能多找一些野果
也認得哪些野菜能吃
今天
他還想出去採
別人沒讓
最後找回來能吃的東西
也比平時少
分粥的時候
譚輝多給他舀了一點米
有人看見了
但什麼都沒說
晨霧透過幾層衣服
也會把體溫帶走
熱的
只有粥
夜路上
扁子醒了幾次
總說自己能走
每一次
被小白一把按回去
像當時按住我那樣
我擔心他的身體
但至少
不用擔心他會被丟下
山雨一直落
山風把雨水捲起來
一把一把往人臉上甩
盤山公路上
冷得無處可躲
進了山林
泥就開始發滑
腳下一個不穩
人就會下去
我不知道
下一個倒下的會是誰
也不知道
會在什麼時候
更不知道
路還有多遠




