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くれげの世界  作者: ぐろ
14/62

第14話 最後はだれだ


 表示盤の数字が、静かに切り替わる。


残金:2000円


「……もう3分の1使ったんだな」


 金の声が、少し硬い。


「一個取るごとに、500円」


 凛が言う。


「勝っても、確実に減る」


「数勝負の怖さだね」


 沙希が息を整える。


 仁のチームも、同じ条件。

 数は拮抗しているが、向こうの台は荒れていた。


「向こう、次が重い」


 沙希が低く言う。


「こっちは、積み上がってる」


 詠が、楽しそうに指を鳴らした。


「積み上げるのはいいんだけどさ」


 にやり。


「脳汁、薄まるんだよね」


「薄まらせとけ」


 金が即答する。



第三景品


残金:2000円 → 1500円


一手目:沙希


「最短二手」


 角を作る。

 無駄のない一手。


二手目:凛


「……ここ」


 箱が前に出る。


三手目:金


(今は、触らない)


 即、手を離す。


「止め」


「正解」



四手目:詠


 詠は、明らかに“取れる位置”を作った。


 でも、取らない。


 重心だけを狂わせる。


 指先が、わずかに震える。


「……っ」


 小さく笑う。


「これ……当たったらヤバいやつ」



五手目:すき


 迷いなく、下降。


 箱は、素直に落ちた。


「三個目!」


残金:1500円


 観客がざわつく。


「いいペース」


 沙希が言う。


 でも、凛は表示盤から目を離さない。


「もう半分」



第四景品


残金:1500円 → 1400円


 沙希の一手が、ワンパンになった。


 箱が、そのまま落ちる。


「……取れた」


「でかい」


 詠が、肩を揺らす。


「っ……」


 歯を食いしばる。


「……今の、来た」


「来なくていい!」


 金が叫ぶ。



第七景品へ


残金:800円


 会場の空気が、変わった。


「……次で、最後か」


 金の喉が鳴る。


(ここで増やせるかどうか)


 凛が、金を見る。


「……来るよ」


 詠が、金の肩を叩いた。


「安心しな」


 にやり。


「一番気持ちいい賭け、残してるから」


 金は、笑えなかった。


 800円は、すぐ尽きる。


 そして必ず――

 最後の100円が、残る

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