第一章 8話 【大罪と勇者の力】
こんばんは。
戦闘の書き方は難しいです。
読みにくいことがあるかもしれません。
意見・コメント御待ちしております。
「んー。やっぱりいないな。」
俺達は森に来ている。かれこれ2時間と30分は探し続けているが、魔物の影すら見つけていない。最近、魔物退治のクエストが少なくなっているとは聞いていたがここまで少ないとは何かおかしい。魔物がいないことは良いことなのだが、逆にいなさすぎて不安が感じられる。
「果実!この辺りから5㎞は魔物がいないわ。たまに範囲に引っ掛かっていることがあるのだけど、すぐ消えてしまうわ。転移したかのように。」
そう。たまに範囲に引っ掛かったところに向かったりはしたが、そこに着いても何もないのだ。突然現れ、突然消える。転移したかのようにしか見えない。
しかし、リエラによると転移してきた場合も転移した場合も、わずかに魔力が残るらしい。だが、そこに向かっても魔力の欠片も感じられないのだ。俺達は突然現れた場所にはすぐ駆けつけている。
「あ!?」
リエラが何かに気づいたようだ。
「どうした!?」
「また新たに引っ掛かったわ!行きましょ…うか」
リエラは何か変だった。
「どした?遠い場所なのか?」
「違うわ。町からすぐの所よ。」
「なら、そこ確認したら町に1回戻ろうぜ!」
「うん…。」
リエラが何かおかしい。
「ねぇ、果実おかしいわ。こんなに町から近いとこに現れてるのに誰も退治しようとしない。クエストが発注されてなくても、冒険者はいるはずなのに…それか門番が気づくはずなのに…」
「そ、そうだな…」
俺とリエラの不安は向かえば向かうほど増すばかりだった。
「あ!」
「ん?どした!?」
リエラは何か気づいたようだ。
「また、いなくなったわ。」
「またか…あーこれめんどいなぁ…」
「しょうがねぇ、1回町に帰ろうぜ!」
と、町に向かっていると。1人の男が立っていた。
「あれ?あいつ、昨日のやつじゃねえか?」
そう、昨日ぶつかった男だった。
「おーい!そこで何してんだ?魔物が少ないとはいえ、森は危険だぞ~」
「…そうだね。森は危険だったね…ごめん」
「俺達も町に帰るし戻ろうぜ!」
「あぁ、そうだね。ところでその子は君の想い人なのかい?」
「違う。違う。パーティーメンバー!相棒かな!」
「そうなんだ。」
「あ、背中に何かついてるよ?取ってあげるよ。」
「お、そうか!わりぃな♪」
「いえいえ!」
(ニヤッ)
「…何なのよこいつは?変な男。」
と、リエラはぶつかった男を見ていると。
「果実!!!離れなさい!」
リエラは急に叫んだ。
「え?」俺がリエラの方を向くと。
「がはっ!」
リエラの背中にはナイフが刺さっていた。
「か、果実…逃げなさい…ギルドに…向かっ…て…」
リエラは倒れた。俺はどうしていいか分からず、そこに立ったままでいた。すると俺の背後にいたはずの男がリエラの後ろにいたのだ。
「え…なんで…」
「クク。。フハハ。アヒャアヒャアヒャアハハハハハ」
「何て顔してんだよ、勇者様ー(笑)どうした!?何を不思議そうな顔してる!?俺がこんな事する奴に見えなかったかぁ~?」
俺はこの男の言ってる事が理解できなかった。ただリエラに近づくことしかできなかった…。
「お…おい…リエラ…?嘘だろ…目を覚ませよ…」
どんなに揺すってもリエラは応答しない。リエラに刺さっているナイフは心臓まで突いていたからだ。
「アヒャ!アヒャヒャヒャ!どうだ~?悲しいか~?憎いか~?冒険者が簡単に背後を見せるんじゃねぇーよなぁ?勇者様よぉ?いや、異世界人様よぉ?アハハハハハ!」
「てめぇ…殺す。殺す。殺す。殺す。殺し尽くしてやる!!!」
「時間停止!」
辺りはどんどん真っ黒になっていく。しかし…
「パリン」
停止の世界は砕けちった。
「なっ!?」
「アヒャ!てめぇの時間停止なんか、お子ちゃまなんだよぉ!魔力の込める量が少ないんだよぉ♪アヒャヒャヒャヒャヒャ♪」
俺が驚いていると…
「本物を見せてやるぜ!【時間停止】」
辺りはあっという間に黒に覆われた。
【意識解除】
「ぶはっ!」
急に意識が戻った。しかし身体は動かない。
「おかえりなさいませぇ~♪異世界人様よぉ♪これが本物の【時間停止】だ。お前のは込める量が少ないからこんな細かな芸当出来んだろうなぁ♪【時間停止】と【意識解除】を合わせるとこんな事もできるんだぜぇ♪お勉強なったなぁ♪勇者様よぉ!アヒャ!」
「てめぇ…何で俺の事を…」
「てめぇの名前は宿屋で確認してるんだよなぁ♪【ミズネ】なんて名前、そうそういないし千年前の事を知っているなら予想はつくだろぉ♪あと魔力量で判断できる。お前が勇者の関係者だってことをなぁ!アヒャ♪さぁ~て♪ここからが本番だろぉ♪」
するとリエラの身体を引きずってきた。
「てめぇ!リエラを離せよ!」
「そんなことは、できないんだよなぁ♪こいつもなかなかの魔力だし頂いてもいいんだが、お前の前でグチャグチャにするのがいいんだよぉ~なぁ~♪アヒャ!」
「さぁ!いくぜ!」
「ドシュ!」
「ドシュ!」
男はナイフを1本…1本…と刺していく。
「てめぇ!!!やめろ!殺す!殺す!殺す!」
「その顔いいぜぇ~♪」
「メインディッシュは…首!!!!!」
「スッ…」
リエラの首は地面に落ちた。
「あ…あ…あ…うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
「いい泣き声だ!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!そろそろお前を喰らうとするか♪」
【イ・タ・ダ・キ・マ・ス・!】
男が近づいてきた。すると…俺の頭に声が聞こえてきた。
【ダメよ。貴方を死なせたりしない。貴方はまだ力を完全に引き出せていないわ。私達の可愛い息子よ。これを授けるわ。唱えなさい。】
【時間遡行】
「な!なんだこれは!?」
俺はそれを口にすると、辺りは巻き戻っていく【時間停止】も解けて、さらに遡っていく。
すると…男と森で出会った所まで戻っていた。
「お…お前…禁忌と伝えられる…遡行を!な…なぜ…なぜぇぇぇぇ!お前がこれを!!!認めん!認めんぞぉぉぉぉ!」
「大事な人からの贈り物だよ。」
(ありがとう。母さん。)
「【時の理よ、全ての時を止め、全てを停滞させよ】【時間停止】!」
今度は詠唱破棄をせず、唱えた。
すると男は完全に停まった。
「そして、【意識解除】!」
「お…お…お…お前ぇぇぇぇ…我は【暴食のフェリアル】!全てを、喰い尽くす者!それがこんな未熟者にぃぃぃ!」
「てめぇは…俺の大事な人を殺し、傷つけた。お前は俺がこの場で殺す。」
「この俺様がぁぁぁぁ!こんな…こんなやつにぃぃぃ!!!」
「さよならだ。七つの大罪、【暴食】のフェリアル。」
俺は近づきナイフをフェリアルの首に近づけた。
「我は…我こそが…最強の大罪…死なん…いつかお前の前に現れ…る…」
「そんな時はもうねぇーよ。」
俺はナイフでフェリアルの首を切り捨てた。
「…」
「ごめん。何かあったのね…果実…」
「もう、終わったよ。リエラ。」
リエラは覚えていないようだ。おそらく、遡行はそれを発動した時その発動時にいないと覚えていないようだ。あまりまだ分からない能力だしその条件を結論とするのは早いだろう。そう思ったとき俺の意識は消えていった。