すずしゅうなったな
朝晩が涼しくなりましたね。
「ようやっと、すずしゅうなったなぁ」(ようやく、涼しくなりましたね)
「ほんまじゃ」(本当にそうですね)
岡山県のあちこちで、こんな会話が交わされていることでしょう。
季節の挨拶や、天候に関するものの言い方には、心の底からの感情の発露がダイレクトに現れます。
そのため、方言にはそんな生き生きとした気持ちを表すものが多いように思います。
思いつくままに、書き出してみましょうか。
【春】
暖かくなってきた・・・ぬくうなってきたな
カエルが跳ねている・・・カエルがはにょうる
ナマズが泳いでいる・・・ドンコツがおよぎょうる
蝶々が飛んでいる・・・蝶々がとびょうる
花見に行かなければならない・・・花見にいかにゃあおえんが
【夏】
暑いですね・・・あちぃなぁ
アイスを食べないとやっていられません・・・アイスでも食べんとやっとられんわ
太陽が照りつけています・・・おてんとぉさんが、ジリジリいようる
氷をどうぞ・・・こおりゅう食べられぇ
お盆には帰って来るの?・・・お盆は帰るんかな?
【秋】
やっと涼しくなりましたね・・・ようやっとすずしゅうなったなぁ
彼岸花が咲き始めましたね・・・彼岸花が咲き出したなぁ
お祭りには太鼓を叩かなければなりません・・・祭りにゃあていこぉ叩かんとおえんのんじゃ
あの人は運動会では走るのが早いんです・・・あいつぁあ運動会で走るんがはえんじゃ
葉が落ちています・・・葉がおちゅうる
【冬】
寒いですね・・・さみぃなぁ
コタツに入ってください・・・コタツにはいられぇ
雪がたくさん積もりました・・・雪がぎょうさんつもっとる
今年も皆仲良く良い年になればいいですね・・・今年も皆なかようにええとしになりゃあええな
鬼は外、福は内・・・おにゃあそてぇでていきねぇ、ふかぁうちぃはいってこられぇ
こうやって書いてみると、意外と岡山弁も標準語に近いですね。
ちょっと簡単すぎたかな?
初孫のハシルンは、ばあばの家に来ると岡山弁が酷くなるという話を以前したことがありますよね。
二人目のポポが産まれる時に、娘のノンビリーはハシルンを連れて、3か月ほど実家に帰ってきていました。
冬でした。
その時、ハシルンが好んで使っていた岡山弁があります。
「さっ、びぃーーーーっ!」(寒いーーーーー!)
これを何度も大きな声で叫びながら、二階のベランダを端から端まで走るのが、二歳になったばかりの彼の日課でした。(^_^;)
何が面白いのかと思っていたんですが、今になってみれば大人が英単語を口に出して覚えるように、ハシルンは岡山弁を口に出して覚えていたのかもしれません。
ちなみに「さみい」も「さびい」も両方使います。