↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/40

第13話 再度の偵察

 食後、早坂と木原少尉がホラ穴(営舎)で話をしている。

木原少尉が、


 「敵の戦闘機は相変わらず飛行場に飛んで行きますね」

 「この間、あれだけブッ壊したのにのう」

 「もう一度、やりますか」

 「しかし、この兵力じゃ。もう、これ以上の犠牲は出せんぞ。・・・クソー。援軍はどうなってるんだ」

 「食料も尽きたし・・・。このままでは飢え死にを待つだけです」

 「この島に、友軍はどの位い残っているんだろう」

 「三度目の上陸ですから、相当数の残兵が何処かに隠れていると思います・・・」


早坂が独り言を言う。


 「餓死か。・・・前門の敵、後門の餓死・・・」


早坂は背伸びをして、何かを決断したように、


 「よ~し、もう一発カマシテやるかッ!」

 「やりますか! 少しでも敵の攻撃を遅らせて本土の生産を上げなければ」

 「よし! 木原、兵を集めろ」

 「はい!」


木原少尉がホラ穴兵舎から出て行く。

外で寛いでいる関元曹長達を見て、


 「関元ッ!来い」

 「はい」


関元曹長が木原少尉の前へ駆け寄る。


 「二人付けて斥候に行ってくれんか」

 「斥候? はい。で、何処(ドコ)へ」

 「飛行場だ」


関元曹長は納得したように木原少尉を見て、


 「・・・ヤリますか」

 「うん。キサマ達が戻り次第、再度突撃をかける。手薄な所を見付けて来い」

 「ヨッシャ!」


関元曹長が樹の根元に寛ぐ兵士達の所へ行き、


 「市村、野々宮! 俺に付け。これから飛行場に斥候に行く」


市村上等兵が、


 「飛行場?」


野々宮一等兵が、


 「斥候!?」


関元曹長が、


 「そうだ。 もう一発、カマす」


市村上等兵が、


 「よ~しッ! やりましょう」


市村上等兵の気合いが入った声。

市村上等兵と野々宮一等兵は急いで軍装を整える。

暫くして、関元曹長、市村上等兵、野々宮一等兵の三人がカービン銃と38銃を担いでジャングルの中に消えて行く。


 昼。

西端(セイタン)の椰子の木陰から、関元曹長、市村上等兵、野々宮一等兵が飛行場を窺(ウカガウ)っている。


米兵達が裸でテニスをしている。


市村上等兵と野々宮一等兵が木陰から顔を出す。

市村上等兵が、


 「良い気なもんだ」


関元曹長は双眼鏡を覗き、手帳に敵の配置図を描き取って行く。

と、関元曹長が背後に奇妙な気配を感じ振り向く。


佐々木AI兵と野村AI兵が立っている。


関元曹長は驚いて、


 「あ! 佐々木准尉」


関元曹長は立ち上がろうとうする。

佐々木AI兵が、


 「動くな! 敵に見つかるぞ」

 「あッ、はい」


市村上等兵と野々宮一等兵は佐々木AI兵達を見て気味悪そうに、


 「ご、ご苦労様です」


佐々木AI兵と野村AI兵が優しい笑顔で三人を見る。

佐々木AI兵が、


 「安心しろ。俺達がキサマ達を見取ってやる」


市村上等兵が、


 「ミトル? 俺達はやられるんですか」


佐々木AI兵が、


 「それを聞いてどうする」


市村上等兵が、


 「・・・そうですね」


野々宮一等兵が関元曹長に、


 「曹長、あの小屋の後ろ、・・・樹の陰に人影の様な物が見えるんですが」

 「何?」


関元曹長は急いで双眼鏡の焦点を合わす。


 「あれ?・・・あれは・・・友軍だ」


佐々木AI兵が、


 「そうだ。先発の『川口部隊』の生き残りだ」


関元曹長が驚いて、


 「え! カワグチの残兵が?」


佐々木AI兵が、


 「あちこちに散って遊撃戦(ゲリラ戦)を仕掛けている」

 「そうですか。この辺に強行した兵隊は皆やられたと思いました」

 「俺達が来るのを待っていたのだ」


関元曹長は佐々木AI兵を見て、


 「俺達の来るのを? ・・・糧秣も尽きている筈なのに、よく生きてましたねえ」


佐々木AI兵が、


 「うん? うん。突撃をかけるつもりか」


関元軍曹、


 「はい」


佐々木AI兵、


 「向こうの川口の残兵達と一緒にやれ。早坂中隊だけでは死にに行く様なものだ」


関元軍曹、


 「え? あ、はい」


佐々木AI兵、


 「北側の尾根を回れ。北の尾根は滑走路に面しているから守りは手薄だ」


関元曹長が尾根に双眼鏡の焦点を合わす。


 「ああ・・・成るほど。分りました」


佐々木AI兵が、


 「気を付けろ。『赤い旗』の所は地雷原だ」


関元軍曹、


 「赤い旗?」


関元曹長は、また双眼鏡の焦点を合わしながら、


 「赤い旗、アカ・・・あ〜あ、あるある。有難う御座います」


関元曹長と市村上等兵と野々宮一等兵は、『 佐々木AI兵と野村AI兵に軽く敬礼をして、急いで北の尾根に向かう。

                          続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。