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覚醒者学校の唯一無二の生徒  作者: 霧野夜星


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第六十七話 ランクアップ試験

「ランクアップポイントも、もらえるんですか」

「そう。今回は討伐成功したからね。いっぱいもらえるはずよ」

「それは楽しみです」

「じゃあ、帰りましょう」


 星斗、明日香、島は、周囲のモンスター討伐を終えたアンリ達と合流し、車で帰っていく。Bランク覚醒者である星斗は、今回の大規模作戦の参加報酬として百万円、成功報酬として百万円、計二百万円を手に入れた。そしてその日の夜。星斗は自室で氷の宝珠を手に取って見ている。


「これで俺のフレスベルグ流魔法剣術のランクが上がればいいんけど」


 星斗は氷の宝珠を握りながら念じる。すると氷の宝珠が青い光を放ち、さらに彼の全身も光り出して、数秒後にその光が消える。


「これは……今までと何が違う」


 星斗は自分の体に何か変化が起きたような感じがしていた。


「魔力の質が変わったような気がする。よし、スキルを確認してみよう」


 星斗はステータスボードを表示する。するとフレスベルグ流魔法剣術のランクがAからSに上がっていた。


 フレスベルグ流魔法剣術(S)

 剣技と氷魔法を習得する。

 剣で攻撃した時、ダメージが四倍になる。

 最大MPと魔力が強化される。


 アブソリュート・ゼロ

 絶対零度の冷気を放つ氷系最上級魔法

 消費MP55 


 氷神飛翔斬

 離れた敵に氷属性と斬撃属性の

 特大ダメージを与える剣の必殺技

 消費MP70

 クールタイム 三時間


「やった! 氷の最上級魔法と必殺技が使えるようになった! それに剣技の威力が三倍から四倍に強化されてる!」


 星斗は強力なスキルを習得して興奮している。


「よし。明日、この力をダンジョンで試してみよう。どれだけ強くなったか楽しみだ」


 星斗はそう決めてその日は終わる。そして次の日、彼は午後に天満ダンジョンにひとりでやってきた。そして仲間のモンスターを召喚し、彼らと共にダンジョンを進んでいき、斧を持ったAランクモンスター、ミノタウロスと遭遇する。


「氷神飛翔斬!」

「ガアアアアアアアアアアア!」


 星斗が冷気をまとわせた雷撃の剣を振るうと、巨大な冷気の斬撃が高速で飛んでいき、それが遠くにいるミノタウロスに命中して瞬殺する。


「これは強い! 離れた場所にいる敵にも物理攻撃できる! フレスベルグが神話の鳥だから、飛ぶ斬撃なのかもしれない。ああ、これだけ強くなれたのは、明日香さんと島さんのおかげだ。お二人には、この恩を必ず返そう」


 その後も星斗達はダンジョンを進んでモンスターを倒していき、強くなった自分を十分堪能した後、ダンジョンで入手した魔石を覚醒者協会に売りにいく。


「おめでとうございます。ランクアップポイントがたまりました。本条さんはAランクの試験を受けることができますが、どうしますか?」

「もちろん受けます」


 協会が定めた覚醒者のランクは、Bランクまではポイントがたまれば自動的にランクが上がるのだが、Aランクからは試験での合格が必要だった。


(もうAランクに挑戦できるのか。フォルネウス討伐作戦成功のおかげだな)

「試験の内容はこちらの三つから選べますが、どれにしますか?」


 覚醒者協会の女性職員が、試験の内容が書かれている資料を星斗に見せる。


(なるほど。戦士系の試験と、魔法使い系の試験と、回復系の試験があるのか)


 戦士系はAランク覚醒者の試験官との模擬戦、魔法使い系は魔法の威力の測定、回復魔法系はダンジョンの入り口にある自衛隊の救護施設で一週間働いて実力を見せる試験だった。


「俺は戦士系の試験にします」

(Aランク覚醒者との模擬戦なら、相手からユニークスキルをコピーできるかもしれない)

「戦士系ですね。試験官との模擬戦では、勝てば無条件で合格ですが、必ずしも勝つ必要はありません。試験官に実力を認められれば合格できます。それで次の試験は三週間後に〇〇県〇〇市でおこなわれます。こちらをどうぞ」


 星斗は戦士系試験の申請書と、試験会場の地図や時間が載っている資料をもらう。


「三週間後か。その前に期末試験があるんだよな。まずはそっちの勉強だ」


 第七覚醒者学校では、夏休み前に期末試験があり、一年生の一学期の期末試験は、スキルの効果やモンスターの特徴などを答える筆記試験だけで、実技試験はなかった。

 それから星斗はダンジョンには行かずに期末試験の勉強に集中し、その期末試験で好成績を残した。

 そして覚醒者学校の一学期が終了して夏休みに入り、彼のAランクへの試験が始まる日になる。


「はぁ、電車で二時間移動はきつい……」


 星斗は朝早く起きて電車に乗って戦士系の試験会場までやってきた。


「ここだな」


 星斗は試験会場の建物の中に入り、受付にいる覚醒者協会の女性職員に、戦士系試験の申請書を渡す。すると女性職員が、彼に身代わりバッジを渡す。


「これは試験番号が書かれた身代わりバッジです。これを見える所に付けて、戦う準備をして待機していてください」


 戦士系の模擬戦は、校内ランキング戦で戦った時と同じで、身代わりバッジが破壊されるか、場外に落ちたら負けというルールだった。そして星斗が渡された身代わりバッジには、八という数字が書かれていた。


「俺の試験番号は八番か。それにしても校内ランキング戦は、この試験の予行演習でもあったのか。やるな。覚醒者学校」


 星斗は模擬戦が行われる広い室内の場所に移動する。そこには校内ランキング戦で戦った時と同じ戦闘舞台が設置してあって、その周辺に十人くらいの覚醒者達が待機していた。


(あの人達も試験を受けるBランク覚醒者達か)


 星斗は彼らから少し離れた場所で、アイテムボックスから装備品を取り出して戦う準備をした後、しばらく待っていると、三人の男性の試験官がやってきて、その一人が話す。


「それでは戦士系のAランクアップ試験を始める。試験番号を呼ばれた者は戦闘舞台へ上がってくれ。俺達三人の誰かと戦ってもらう」


 試験官の覚醒者の三人は、みな、戦士系の装備をしている。そしてAランクアップ試験が始まり、星斗は、ほかのBランク覚醒者と試験官の戦いを見学している。


「なるほど。ひとりで全員と戦うのは大変だから、三人で交代しながら戦うのか」


 三人の試験官は順番に戦闘舞台にあがり、試験を受けるBランク覚醒者と戦っている。そして、


「次は試験番号八番。戦闘舞台に上がってくれ」


 自分の試験番号を呼ばれた星斗が、戦闘舞台に上がる。相手の試験官は、三十歳くらいのひげを生やした男性で、剣と鎧と盾を装備している。


(さて、Aランク覚醒者なら強いユニークスキルを持ってるはず)


 星斗は相手のユニークスキルに期待しながら戦闘舞台に上がる。



 次回 プレッシャー に続く

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