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宿命の隣  作者: スプレー妖怪
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16話 謎の強者

一瞬の戦闘しかありません。

16話 謎の強者


情報だとここに悪性魔族がいるはず。


「まさかの組み合わせだね」

「私も参加させられるなんて思ってなかったわ」


今回は二つの村に潜んでいる魔族を炙り出す。


「本当に魔族なんて倒せるのかしら」

「それはわからない。でも今回の標的は下級っていってたからそこまでじゃ無いんじゃないのかな?絶対倒せるって言ってたし」

「そ、ならいいんだけど。まだ死にたくないしね」


村に入ると意外と活気がある。そういえばどうやって確認するの?


「私、こういうのなれてないから難しいわね」

「魔力を見ることは出来ないし…、少しエラ目な人を探そう。きっと違和感のある動きをしている人がいるはずだ」

「わかったわ。さくっと終わらせて帰りたいしね」


まずは定石の酒場、かな。




カランカラン、


「ここは坊やがくる所じゃないぜ?」

「そう」


それだけ聞くと帰ろうとする。


「いや、ちょっと待ってよ」

「なに?来んなって言われたから去ろうとしているだけでしょ?」

「そしたら情報が手に入らないでしょ?」


「それもそうね」


堂々と真ん中を通り、カウンターにつく。


そうすると水のような物が出てくる。


この臭いは…、多分焼酎?お父さんがよく飲んでるタイプの臭いだ。でもこの臭い、ほかにもなんか入ってる。


「ふーん。毒でも飲ませようっての?」

「そんな事はしないさ。何ならもう一度出し直してもいいぜ?それは俺が飲む」

「別にいいわ。これで死んだらきっとそれが運命ってことでしょうし」

「それもそうだね」


二人はコップを口につけ、飲みほす。

意外と薄い、と言うより殆ど見せかけか。取り敢えず試しただけですか。


「苦っ、これ、お酒?」


すると目の前の大男は笑う。


「いいじゃねぇか。子供だって言ったことを許してくれ」


やっぱりただのちょっとした脅しだったね。


「別にいいよ、それより情報を知りたい。最近来た国の人のリストが欲しい。なるべく詳しくだ」

「ほう、でもそれは見つかったら下手すると首切りもんだぞ?それでもいいなら渡すが」

「その前に殺しますからね」

「威勢のいいあんちゃんだな。気に入ったぜ、一日で調べあげてやる」


これは意外と大物と知り合っちゃった?


「てめぇら、新しい依頼だ!全力でやるぞ!」

「おぉ!!」


酒場にいる全員がこの男のグループのようだ。




「さて、依頼料は一人当たり二千チン。合計二万六千チン」

「もう二万四千チンしか無いじゃない。それでどうにか出来るの?」


あれは手練れの集団だ。誰一人として子供である僕達を警戒していた。きっと情報を掴んでくれる。それよりも僕達は見つからないように身を潜めなければならない。いや、見つかってもいいけど怪しまれるのは避けたい。

しかし、回りを見渡しても休憩に使えるスペースもまともにない。


「これは宿屋か外での野宿かな?」

「それなら近くに川があったわよね。そこにしようよ」

「確かに川なら色々不便が解消されるけど、ここは虫が多いんだ平気?」

「べ、別に平気よ」




テントは張ったけど警戒は続けないとだから寝るのはダメそうだね。


「どっちが先に寝るの?」

「先に寝る?僕は三日間までなら寝なくても平気だから寝てていいよ」


クレスに言われてた不眠の練習、サボってたらヤバかったかも。


「それじゃあ夜明け前に起こして。やることがあるから宜しく」

「それはいいけど怠惰なアイラルが何をするの?」

「少しは足手纏いにならないようにしたいってだけ。怠けはしたいけど人に迷惑はかけない。同然の事でしょ?」


まあそうだけど、真っ先にさぼろうとしてたじゃん。




「一時間も経ったのに誰も来ない。ここは随分と人気がないところなんだな。しょうがないから魔法、魔術に関しての勉強でもして…」


何か来る?


「やあやあ、楽しそうな子がいるね」


いつの間に目の前に!

見た目は普通の子供なのに何だ、これが、魔力を感じるって事?


「…何の用?」

「いやぁ、やっぱりお前ごときが世界の命運を握ることになるとは思えないな」

「なら帰ってくれる?僕は貴方に用がない」


しかし、帰るどころが笑う。


「面白いね。口調も何もかもがひ弱そうなのに強がりが一丁前だ。ねぇ君、ちょっと遊ぼうよ」


相手はただ腕を横に振る。

速すぎる!

瞬時に剣を取り出し、防いだのにも関わらずそれを防御を上回る攻撃でこっちを吹き飛ばす。


「ぐはっ、デミ、ヒューマン、か」

「まあそれも間違ってないかな。僕を知りたいかい?それならこの剣で斬ってみな。まあ斬れるなら、だけど」


投げ渡されるのはすごい軽い剣。なのに大量の魔力を感じる。


「この剣は要らないよ。その余裕、後悔、させてあげる」


この状態で勝てる可能性はない。存在がわからない以上魔族の神子の存在を知られるわけにはいかない。唯一のチャンスは相手が油断していること。

魔力強化をしても勝てない。


「はぁ!」


ガィィン、


「遅いね」


「そんな事は知ってる!」


重要なのは弾かれた後!強者に立ち向かうには多少の代償を覚悟し相手が油断している間のチャンスを見極める。


ガン、ガンッ!


「太刀筋が寝惚けすぎてる。やっぱり見込み違いか」


今!


「フッ!」


くっ、肩がやられたっ!


「おっと、これはやられた、まさか油断を更に煽ってから斬る。惜しかったね。確かにきつかったかも知れない」

「それは、お前も…だ」


ズバッ!


「イタタ、肩を一つ犠牲にしてでも勝ちに来たのか。最大限にチャンスを利用しているのはいいことなんだけどそれじゃあ勝てないよ?」


「でも、一太刀入れましたよ?」


この人が素直な奴な事を願うしかない。


「おっと、確かにそうだよね。そうだなぁ~、何が知りたい?」

「何者?」

「ん~、そうだな~、天使みたいな者かな?」


天使?何をバカなことを、


「魔族の神子の様子を見に来たんだけど、思ってたよりも良好だなって。それで暇だったからドンパチやろうかなってね」

「嘘」

「まあだよね。魔族の神子の様子を見に来たのは間違えじゃないんだけど本当はもう一つ。アイラルって言ったっけ?その子の能力はあまりいいものじゃない。使わないようにしてねって言おうと思ったんだけど言っといてくれる?」

「…それはこっちが決めること」


何でアイラルを知っている?魔族の神子であることもだけど。


「じゃあそれだけだから。頑張って魔族狩りしてね。悪いやつは倒してくれて嬉しいもんですよ」


シュン、


微かな音と共に消える。


「何だったんだ?」

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