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宿命の隣  作者: スプレー妖怪
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13話 アイラルの実力

13話 アイラルの実力


道中


「そういえばアイラルってさ、戦えるのか?」

「微妙な所ね。私はそんなに戦闘指導を受けなかったから貴方達よりも弱いわ」


そういうと首を振りながら手をあげる。


「戦力外」

「貴方には言われたくないわね。いかにも戦えなそうじゃない。実際あの時も戦っていなかったし」

「それがそうじゃないんだな~、私よりも強いんだからね」

「え?そんなはずないじゃない。だっていかにも十歳い…」

「ちょっとストップ。そういうことを言わない方がいいよ」


少しムカついている顔だ。


「大丈夫だって、ね?実力を見せればきっと大丈夫だよ」

「そう。なら次は私がやる」


そうは言ったものの一体も魔物がやってこずに今日の分の移動が終わる。






「何故こない」

「殺気を出しすぎなんじゃないか?」


ミカゲは首を傾げる。


「出してないつもりだったけど」

「あれで出していないって言うには無理があるかな。まあ実力と言うか殺気というかのお陰でアイラルが信じてくれたよ?」


ちょっと怯えてたけど、


「納得がいかない」

「だ、だいじょうぶよ。もう実力を疑ったりはしないから」

「出来た」


料理に関してはずっとミカゲが作っている。料理が好きなのもあるが料理が一番得意だからだ。


「それでは、「「「頂きます」」」」


アイラルは一口スープを啜る。


「う、うまい」


アイラルはこれに関しては競う話ではないので素直な感想。


「でもどうするの?お金も無いのにやっていけるの?」

「何をするにも取り敢えずここ一帯はダメだから他の場所に行かなきゃいけないしその間に何かアイデアがくるかな~と。折角記憶力があるわけだしなんとかなるでしょ」


そんな行き当たりばったりで行こうとしてたんだ。なんて姫様だよ。


「それなら一緒にこないか?」

「またその話?まあ悪くはないと思ってるけど貴方達にメリットが無いのに私はついていくことは出来ない」


あ、意外と頭が硬いんだ。


「メリットはあるよ!」

「なに?」

「可愛いは正義だから!」


その言葉を聞いてみんなでため息を漏らす。


「え?なんでため息をつくのよ!」

「そんな事聞いちゃう?」

「私は黙っておこうかな、良いことないし」

「つまりバカにしてるの!?姫様だからって容赦しないよ!」


ガスン、


「いったいなぁ!何するのよ!」

「お前のせいで魔物がやって来たぞ」

「え?」

「あれくらいなら倒せる。私にやらせて。ただ飯は嫌なので」

「まああれくらいなら大丈夫だろ」


スッ、


まさか素手?鉄の音がしない?


「せいや!」


あれは手袋じゃないのか、仕込み武器を使う戦いかただね。独特な戦闘になるかな。でもあの武器じゃ致命傷は難しいしあの数相手だと凌ぐのがやっとなんじゃ…。


ボッ、


「あれは炎か」

「あれ、熱くないのかな?」

「あれは凄すぎるね。アンチスペルを使う人だとただの欠陥品でも中型の魔物だったらこれで行けるはず」

「どんな技術?」

「魔法基礎で習ったことは覚えてる?」

「魔法は自分の意思の力と魔力の流れを利用して物や空間を再定義するって話?」

「そうそう、まあ少し足りないけどね。この場合は自分に魔法を使ってる」

「自分を再定義?」

「つまり自分は燃えない物質と定義しているんだ。炎は燃える所にしか移らないからね」

「でもそれじゃあ燃えている意味がわからない。それに熱いのをどう避けているかも分からないよ」

「それは初級魔法にあるだろ?ファイアガードってやつが」

「その通り、それを利用して熱さは感じないようにしている。燃えているのは自分の手には炎が吹き出ている、そんな感じの事をしているんだと思うよ?」


今思うとなんでもありなんだよな。


「でもなんで武器を使わないんだ?それを武器に利用すれば良いじゃないか」

「そこがネックなんだよね。人間には魔力が体に存在しているけど剣には魔力が備わっていない。だから空間から魔力をと…」


そこで口を押さえられる。


「もういいわかった」

「おっと終わったみたいだな」

「どう?私だって戦えるでしょ?」

「まああの学校くらいなら越えられる強さだな」


そこで無駄なことを言うから興味がいっちゃうんだよ。


「でもあそこってエリートなのよ?めんどくさいから私はいかなかったけど試験を突破は難しいでしょ?」

「俺らの時に受けたらそりゃ落ちるだろうけどきっと平気だったと思うぜ?それに貴族ごときのエリートなんてたかが知れてる」

「そ、そう?」


ほめられるのはあまりなれてなさそう。すぐ照れるね。


「そんな話してないで手伝ってよ。血抜きしないと食べれなくなるでしょ?話はあとあと」

「早く手伝う」

「ごめん、今行くよ」




「でもどうするんだ?もう食べちゃったし、今さら感があるな」

「え?もう食べたの?」

「うん」

「これは塩漬け確定だね」

「それはそれで好き」


でも女の子がこうやって血抜きとかをしてると狂気に感じてくるのはどうしてだろう。


「て言うかアイラルって死体平気なんだ。お姫様ってキャー怖い!!がイメージだけど」

「当然よ。標本や剥製が趣味の私には死体を見る機会が沢山あるから」

「でもな~、今でこそこんな風にチャッチャカ済ませてるけどな。実は死体を見た瞬間にってぇ!」


愛用の槍でクレスを軽く突き刺す。


「そっちが悪いんだからね」

「まあまあ。話戻って悪いけど取り敢えず目標を決めよう」

「前触れもなく戻ったな」


そこにしっかりと突っ込みをいれてくる辺りクレスは話をよく聞いてるなって思う。


「目標は…火を消して!」

「来たか」

「これは、私の国の騎士団の馬の音!」


…よく分かるね。

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