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赤き日  作者: 溶接作業
二章

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武勇

「おーーい! 終わったぞぉ」


 ニッケランは腹に力を入れ、勝利したことを伝える。彼らは一瞬顔を見合わせたのち、さらに速度を速めた。


「すまん、遅くなって」


 息を切らしているジョンが言った。

 ニッケランは首を横に振り、口を開く。


「いや、勝てたから問題ない。それにそっちも大変だったみたいだな」


 ジョンもザザンも軽い負傷をしていた。オキタルとミャアドが加勢したことで決着がついたようだった。

 すると、オキタルがロングソードとハーフソードを渡してくれた。


「おお、すまねぇな。やけくそになって投げつけちまった」


 オキタルは一つうなずくと、安堵しているようだった。

 すると、ミャアドが口を開いた。


「一度地下に戻ろう。ここで話し合うのは危険すぎる」


 全員がそれに同意し、地下トンネルへと向かった。道中は特に何もなく、死闘を繰り広げた後とは思えないほど静かだった。


 トンネルへたどり着くと、移動せずにその場に全員座り込んだ。

 ミャアドが握っている松明を眺めながら、ニッケランは口を開く。


「次からはもっと作戦を立ててから魔操志とは戦いたいな」


 泣き言にエイリが笑い出した。


「間違いねぇ。あんな危険な賭けは金輪際しないぜ」


 二人はうなずき合い、笑みを見せあった。


「でも勝てたのは、また! 僕のおかげだよ?」


 オキタルが言った。それにニッケランは質問を飛ばす。


「あぁ、ありがとうな。でも、あれ何を刺したんだ?」


 質問に彼は答える。


「あの尋問官に頼んだんだ。少量で敵を痺れさせる独の作り方を教えてって」

「はぁ?」


 それを聞いていたザザンが高い声を出した。彼は続ける。


「尋問官にって…なにもされなかったのか?」

「まぁ、からかわれたけど…普通に教えてくれたよ」


 まだ納得がいっていない様子だったがザザンはうなずいた。

 すると、ミャアドが口を開いた。


「お前たちの話ばっかりでずるいな。俺たちの話も聞けよ」


「どうぞ」


 エイリの言葉にミャアドが笑みを見せる。


「俺はジョンの所に助太刀に行ったんだが…敵がまぁバカ力でよ!」


 ジョンの様子を見ると何度もうなずいている。


「ジョンがガードして奴の一撃を受け止めたら、どうなったともう?」


 ミャアドはニッケランに聞いた。


「え? バカ力なんだろ? じゃぁ、威力がデカすぎて倒れたとかか?」

「実は宙に吹き飛ばされたんだ。なぁ、ジョン!」


 ジョンが答える。


「あぁ。おかげで腕が痺れるわ、地面に叩きつけられるわで散々だった」


 話を聞いていたエイリが聞く。


「そんなバケモンどうやって倒したんだ?」


 待っていたと言わんばかりにジョンがニヤリと笑った。


「攻撃されて倒れ込んだふりをしたんだ。右手には武器。左手には土を握り込んで、敵が攻撃してきた瞬間に、目に向かって土を投げつけてやったぜ」


 ミャアドが口を開く。


「それで、俺とジョンが同時に奴を叩いたわけよ」


 他の四人は感嘆の声を出し、何度もうなずいている。すると、ジョンが口を開いた。


「次はお前たちの番だぞ?」

「あぁ」


 ザザンが話始めた。


「俺たちの相手はとんでもねぇ槍使いだったぜ…攻撃なんてできないぐらいに突きが早くてな! 盾がほら」


 そう言うと彼は盾を皆の見やすい場所に置く。

 盾は全体がいびつな形に変わり、所々の角が無くなってしまっている。


「おいおい、とんでもねぇ状態だな。それ捨てるしかないだろ…」


 ニッケランの言葉にエイリが反応する。


「大丈夫だ。村には精錬出来る施設も用意してある。大概の武器は直して見せるぜ」


 ザザンも心配していたことなのか、安堵の表情を見せた。

すると、オキタルが話す。


「で、僕が到着したころには盾もザザンもボロボロ。体の至る所に傷を負ってたよね」

「あぁ」


 ザザンが悔しそうに言った。オキタルは続ける。


「最終的には、二人がかりで攻撃して、僕が奴の足の健を切り捨てて、バランスを崩したところで、ザザンがドン!」

「そういう訳だ」


 二人は言い終えると満足そうにうなずいている。やけに内容を端折ったが、それでも死闘が想像できる内容だった。


 すると、トンネルの奥から足音が聞こえ始めた。音の主も松明を持っているようで、徐々に光が近づいてきている。


 もしかすると、敵かもしれない。ニッケランたちは立ち上がり、各々武器を構える。

 姿を現した者はゆっくりとこちらへ近づき、顔が視認できる距離になった。


「ヤクトン!」


 真っ先に声を出したのはミャアドだった。驚いた顔を見せたヤクトンだったが、すぐによろこびの表情へと変わる。


「お前ら生きてたのか! よかったよかった」


 彼はミャアドの元に近づき、胸元を掴んだ。しかし、それは喜びに支配された行動だった。

 ミャアドが口を開く。


「お前は何でここに?」

「あっ! 報告しないとな」


 彼は続ける。


「前線から帝国兵が撤退していることを確認した。 戦線は後退していて、今日中に森の中から敵は居なくなるだろうよ」

「やったな、ニッケラン」


 エイリが肩を叩いてきた。魔操志を討ったことで一応は信頼を得られたらしい。


「敵は何か言ってたか?」


 ミャアドがヤクトンに質問する。


「あぁ、魔操志が討たれたとかなんとか…」


 それを聞き、ミャアドは満足そうにうなずいている。


「とりあえず、戻りながら話すか」


 エイリの提案に皆が同意の意をしめした。

 歩きながら気になる事が出てきた。ニッケランが聞く。


「なぁ、ヤクトン。敵にヤバイ弓兵居なかったか?」

「――俺が戦ってた所には来なかったけど、他の戦場から逃げてきた奴からそれらしい話は聞いたな…一人の弓兵に全滅させられたとかなんとか…」


 弓兵一人に部隊が全滅させられるなど聞いたことがない。今後、奴とも戦うことになると考えると、魔操志と同等に不安にさせられた。


 こんな暗い場所でこの話題を続ける気は続かなかった。全員が黙って目的地へと進んでゆく。


 すると、先頭のヤクトンが立ち止まり、隠し扉へと向かってゆく。扉を開けると、そこは村の少し外れたところだった。


 とりあえず、全員井戸へと向かうことなった。

 長老は綺麗好きらしく、泥まみれで家に上がることは厳禁らしい。


 井戸に着くと、全員が下着になり、水を浴びる。

 着ていた服も水で湿らせ、力強く洗う。大体の汚れは落とすことが出来た。


 終えると、長老の家へと向かう。長老の家の前に着くと、同時に玄関が開いた。


「おぉ、お前たち! 生きて帰ってくれたか」


 深い笑みを浮かべた長老が腕を大きく広げ、迎えてくれた。


 どうやら食事が用意されているようで、中から食欲をそそられる香りがする。


「ささ、中に入って食事だ」


 長老は急いで中へと入って行くと、我々を迎え入れた。


 中に入ると、机の上に食べ物が広がっていた。前回のと比べると劣るが、それでも十分なものだ。


 全員が椅子に座り、同時に食事を開始する。


 ――ある程度、食事が進んだところで長老が口を開いた。


投稿するの忘れてたぁ!!


最後までお付き合いいただき感謝いたします。

評価やコメントをいただけると、物語をより良くしていく大きなヒントになります。

ぜひ皆さまの声をお聞かせください!

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