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赤き日  作者: 溶接作業
一章

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49/59

草原

「ルート様に護衛するように頼まれました。以後お見知りおきを」


 兵士は説明し終えると、小さく頭を下げた。

 護衛されるというむず痒さを感じ、ニッケランは天幕の中に急いで入ろうとした。すると、後ろからオキタルの声が聞こえ、振り向いた。


「なにこの人たち」

「俺たちの護衛だとさ」


 オキタルは驚いていたが、すこし嬉しそうな顔を見せた。貴族になった気分にでもなったのだろう。

 すると、オキタルの横に立っているザザンが声を発した。


「お前たちは、ルート将軍の元へ案内できるのか?」

「お任せください」


 先ほど話さなかった方の兵士が頭を下げると、ザザンはうなずいていた。

 ニッケランは特に聞きたいこともなく、天幕の中へと入っていき、すぐさま寝具へ滑り込もうとした。


「お待ちください、ニッケラン様」


 兵士の一人が話しかけてきた。

 疲労から来る余裕のなさから怒りが湧き上がってくる。しかし、それを無理やり抑え込み、振り向いた。


「ルート様に用があると言っていましたが、よろしければ私どもで要件をお伝えしますよ?」


 魅力的な回答にニッケランは唸った。しかし、今日それをして呼び出しを受けたりしたら面倒だった。


「明日。明日にしよう」


 それだけを言うとニッケランは寝具に体を滑り込ませ、一つ息を吐いた。


 ザザンとオキタルも同じ考えなようで、ベッドへ移動し、体を寝具へ沈めている。


 一連の流れに兵士は特に何も言わず、一度頭を下げると、持ち場へと戻っていった。


 兵士が天幕の外へ移動すると、中は暗闇に包まれる。


 瞼の裏側を見つめ、物思いにふける。

 うっすらと、瞼を照らす光が浮かび上がって来た。


「…なんだ?」


 ニッケランはゆっくりと目を開ける。

 気が付くと、草原に立っていた。


最後までお付き合いいただき感謝いたします。

評価やコメントをいただけると、物語をより良くしていく大きなヒントになります。

ぜひ皆さまの声をお聞かせください!

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