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第4話 最強の名を持つ3人

『血の魔人』は今日も孤独であった。

『血の魔人』は、最強の魔人と恐れられる存在であった。古から生きており、子供を攫っては食べる。目を見ると血が黒くなる。などと、散々な真偽の分からない話ばかりが出来ていた。

ただ、『血の魔人』は世界の悪を消し去っていただけ。世界の正義を糺したかっただけであった。

『血の魔人』は、孤独に正義を背負っている。《最強》という意味のない肩書きを持ち、1人今日も悪を滅していた。


『血の魔人』は人である。

人型の魔物の訳でもなく、血に染まっている訳でもない。

ただ『血の魔人』は、他人の血を幾度となく浴びてきた。それは世界のための自らの犠牲である。

『血の魔人』は何度も世界に絶望してきた。

初めて世界の醜さを知ったのは生まれて四年も経たないうちだった。

『血の魔人』は今日もスラムの街《無知街(クレバーシティ)》で人を刺す。自らの血はない。全て他者からの返り血。浴びてきた数だけ、孤独がある。

世界はまだ知らない。次の満月の夜、最強の魔人『血の魔人』と、最強の聖剣魔王『神野ヒカル』。そして、最強の教授『ファボ』がぶつかり合うことを。最強の意味が決まることを。




ある”最強”の称号を持つ者が…廊下を歩いていた。

腕は後ろで組み、脇には本を挟むんでいる。胸元にはいくつもの勲章の数々…。白髪、高身長。どの要素をとってもただ者ではない!

最強と言われる理由は…見ればわかる。見るだけで最強が測れるのか……?あぁ、見ただけで分かる。「別格」ってやつが、誰だって分かるさ。

素人でも分かる。魔力量の次元(ヤバさ)

顔は…優しい顔をしている。悟った…?仏……?のような顔だ。

その姿、その立ち振る舞いを見て、皆が口を揃える。

「この者にこそ教えを乞いたい。」

この最強の名を持つ男が…ファボだ。


この偉大な教授ファボが成し遂げた事は二つある。

まず、最高ランクの騎士団【不死亀(テスタト)】を作った。この騎士団は幾つもの実績経験を持つ者のみ入団可能な最上位の騎士団だ。


そして、何よりファボ最大の業績。それは無属性の発見であった。

魔法を持つ者には全員適性が存在する。その適性の枠関係なしに、全てのものが努力した量のみ使える魔法。それが無属性だった。

特殊効果などはなくとも、しっかりと攻撃・防御・強化の三項目を行える。そして、開拓の幅は自身の鍛錬度による。これはあらゆる魔法使いにとっての希望であった。

色々話したが…とにかく凄い魔法使い兼最強の教授ファボが……1人無知街(クレバーシティ)へと足を踏み入れる。



遠征隊の強化に励むルヒカはある教え子に申し出を受ける。歳は下だが、完全に実力のみでねじ伏せてしまったルヒカにはさすがと言わざる負えない…あ、この声は自分で喋ってるから自画自賛。

そんなこと思いながら木刀を持ち、位置につく。

今目の前にいるのはラムネ。優秀な女性騎士だ。剣術の伸び代も非常に良く、魔法も安定して使えている。ただ、高密な技術を使用した戦闘を苦手とし、ゴリ押してくる癖を俺は弱点とした。

ラムネが二、三度木刀を振る。間合いには届かない場所で圧をかけ、俺を近寄りづらくする。

ラムネに必要なのは読み合い。懐に入るまでの流れを掴ませる必要がある。

俺はラムネが大きく空振ったところで間合いを詰める。すると、ラムネは足払いで牽制。体制を崩した俺に一気な猛攻を仕掛ける。

「近間からの足払い…俺が教えたことをしっかりやっているな。」

「ルヒカさんはいつも的確に教えてくださいます。だから、この試合は私が勝つ!」

俺の木刀が大きく空中に弾けたところでラムネが突きを仕掛ける。その油断した突きを見て、俺はタックルをしラムネの上になり、空中から降ってくる木刀をキャッチし、首元に付けた。

「一本…だな。」

立ち上がるラムネの頭に手を乗せ、二回ほど優しく叩く。

「戦い方が安定してきている。近間に入ったすぐにの猛攻も良い判断だった。あとは相手の反撃(カウンター)に対応できるように鍛錬しよう。」

俺は助言をすると尊敬の目からすぐ離れ、服を整え、裏道へと行く。

「そろそろ…ファボと戦いたいな…。」



二日後。遠征隊組ー1度目の任務。無知街の偵察…結果。ルヒカ・ファボ以外、意識不明の重体。


次回、決戦開始。





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