プロローグ
はじめまして
読みに来てくださってありがとうございます。
この作品を楽しんでくだされば幸いです。
よろしければブックマークと評価のほう、よろしくお願いします。
この話はあまり本編には関係ないので一話から見てもらってもいいですよ。
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シルトフォード皇国
それはすべての差別、迫害を受けた者たちの、最後の砦である。
今なお変わらず皇国が掲げる国是
【望むすべての者たちの故郷であれ】
これは建国王シオリ・スメラギ・フエクト・ユクス・シルトフォードが掲げたものである。
当時は各種族ともに排他的な国が多く、最も差別、迫害が厳しい時代であった。
ゴロアナ大陸ではほとんどそうしたことはなかったのもの、百を超える数の勢力が乱立し、強力な魔物たちの脅威があり、血を血で洗う戦いが繰り広げられていた。
民たちが疲弊した、そんなさなかに現れたのが建国王であった。
彼女は瞬く間に諸国をまとめ上げ、皇国を率い、様々な脅威や苦難を打ち破り、偉業を打ち立てた。
しかし、数々の功績をなしながら、その公開された資料はあまりに少ない。
皇国歴千年を迎えた建国祭にて公開された、大皇国建国史。
当時の建国王とその臣下たちによってつづられたとされる、この古き書から建国当時のことを紐解いていきたいと思う。
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「フフフっ。久しぶりに来てみたけれど、ずいぶんと祭り上げられてるみたいだね。」
宙に浮いている少年は、その一冊の本をもてあそびながら笑う。
「せっかく来たんだしこれをプレゼントしに行こう。きっと涙を流して喜んでくれるでしょ」
笑い声を最後に少年の姿は消える。
これより描かれるのは、いつか忘れ去られ、しかし、確かにあった英雄の、一人の少女の物語だ。