鉱山 玉露をのむ
鉱山 玉露をのむ
「おっかあ・・・これは何?煎茶か?さっそく飲みたい、熱い湯を沸かしてくれ・・・なあ?」
「おかみさんが、くれたんだよ。まずは、お仏壇にお供えだよ・・・」
「お仏壇の花どけていいか?」
「良いわけないでしょ・・・お釈迦様は、お花がお好きなんだよ。お花の横に丁寧においておくれ。首を垂れて、お参りして・・・いつもご迷惑をおかけしてすみませんだよ・・・や助の分も・・・手を合わすんだ。なんで、あたしが命令口調なんだい?仏様の前で、おごってる・・・そんなのは、金輪際ごめんだからね・・・そういうとこ、もっと、ちゃんとして・・・ね」
鉱山は自分悪行を振り返り、恥ずかしい思いを伴いながら、手を合わせた
「や助は、父のように恥ずかしい思いで。ここに座る事の無いように・・・」
小さい仏様の像にすがるような気持ちが出てきた・・・鉱山に取っても・・・わが子はかわいい・・・
「なあ。おっかあ、このお茶は何だい?いつもの煎茶とは、香りが違うかな?何?」
「よく、気づいたね。何だと思う?当ててごらん」
「玉露かな?」
「そうだよ!!!」
「何が・・・?」
「何がって・・・それは玉露」
「そんなとことないよ」
「香が違うだろ・・・?」
「俺にはわかんねえ・・・そうだ。五に、犬の方が鼻が利くらしいからな。五・・・おい・・・五・・・」
「何やってんだい。あーもう。くしゃくしゃになっちまう・・・」
「わかったよ。本当に玉露っぽい・・・。あの、おかみさんがね・・・なんかいい事でもあったのかね」
「良い事って・・・あんただろう・・・困った子たちを、助けたのは・・・」
「ああ」
「ああって。なんだよ」
「うちに帰れない子も居たんだろう。ぜんぜん良い事じゃねえ
お前みたいな子も・・・俺はそんなのは嫌だね」
「それでも、おかみさんも、旦那さんも・・・いい人選んだねって、褒めてくれたんだよ・・・」
「もっとな・・・人は・・・幸せに生きる権利があると・・・おもう。こんなところで幸せかんじて・・・生きていくのを見るのは辛すぎる」
「あんた・・・みんなのこと言ってるね?」
「そんなことはねえ・・・ただ」
「ただ・・・なに」
「最近どうしちまったのかね・・・と」
「それで学者。お抱えになりたいんだ」
「そんなとことはない・・・偉ぶった連中に・・・飼い殺しにされるなら・・・人にバカにされての・・・生活のほうが、ある意味前が見える・・・すーごーく・・・悪いことだがな・・・こうゆう時は・・・どう生きればいいのかねえ」
「考えてよ」
「おつむで考えても・・・な・・・ん・・・も・・・だ」
「あああ・・・玉露飲むぞ・・・や助も・・・玉露って、どうやって飲むの」
「最初は、ぬるいお湯だって」
「こんど、また、おかみさんのとこ行かなきゃな」
「ありがとう」
玉露を優雅に飲めないで、焦ってしか飲めない
鉱山であった




