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Because I love you ,   作者: Ψ蒼龍Ψ
32/33

さよならなんか、したくない。





「軍人さん、そんなタトゥ入れてたんですね」

お風呂上がりの軍人さんに聞いてみた。

軍人さんは、上半身裸で、肩にタオルをかけている。

……いつの間にか慣れてしまってる自分が怖い。

だけど、まじまじと見るのは今日が初めてで、だからそのタトゥに気づかなかった。

「タトゥ?」

軍人さんは怪訝そうに私を見た。

「そんなものしてないけど」

「じゃあ、その背中のはなんですか」

軍人さんが背中をまさぐる。

写真を撮って見せると、軍人さんは、ああ、と言った。

「こっちに来たときについたみたいなんだよね。最初は大輪の花だったんだけど」

大輪の、花?

今見えるのは、今にも枯れそうな…………。

「もしかしたら、これはここに居られる期日だったのかも」

「ここに、居られる――?」

大輪の花。

その花弁が、一日一枚ずつ減っていく、とすると。

今日が、その最後の日――?!

「っ軍人さん、」

咄嗟に腕を掴んだ。

軍人さんは柔らかく笑った。

「どうしたの?」

「………………何でもないです」

腕を離すと、軍人さんは、私の手首を取った。

そして、微かに笑った。

「ちょっと待っててね」

そして、リビングを出て行った。




暫くして、服をきちんと着て戻ってきた軍人さんは、私の横に座った。

それからそっと私の手を取る。

何をするのかと思って見上げると、口元を緩めた軍人さんが、私の腕にキスした。

「…………?!」

驚いて口をぱくぱくさせていると、軍人さんはぷっと吹き出して、今度は私の掌を見た。

「掌へのキスは、“懇願”なんだよ」

いつか私にしたキスの意味を言いはじめた。

「……そうなんですか」

私の鼻にそっと触れる。

「鼻へのキスは、“愛玩”」

愛玩? ペットですか。

そう思ったけど、黙って先を促す。

軍人さんは柔らかな目で私を見ると、手の甲にも唇を落とす。

「手の甲へのキスは“敬愛”」

敬愛……。

軍人さんはなおも続ける。

「髪へのキスは、“思慕”」

穏やかな口調と眼差しで、私を見つめながら言う。

「……分かって、るんですね」

今日、元の世界へ帰ると。

軍人さんは曖昧に笑った。

「うん、そうだね」

軍人さんの顔が近づいて、額に軽く触れた。

「…………」

「額へのキスは、“祝福”だ」

見上げると、軍人さんの姿が霞んできていた。

軍人さんは、ふわりと笑った。

声が、出なかった。

「きみのこれからの人生に、幸多からんことを」

だんだん霞んでいく姿に、震えながら手を伸ばした。

「……まって…………!!」

軍人さんは、ゆっくりと首を横に振った。

「駄目だよ」

「待って! 行かないでください……っ!!」

涙が、溢れて止まらなかった。

ちょっと困ったように笑う軍人さんに、

「このまま……、どうせもう、逢えなくなるくらいなら…………っ」

視界が霞む。

「あの日の、つづきを……」

言葉が震える。

軍人さんが怪訝そうに見る。

もう、消えてしまいそうなくらい透きとおって。

「あなたの手で、殺して……!!!」

両手を伸ばすと、軍人さんは綺麗に笑って、腕を伸ばした。

私の首に、触れるか触れないかのところで。



軍人さんは、













――――――消えて、しまった。









そう、

ちょうど、




三十日目。


















END



 OR



  TO BE CONTINUED……?






びこーず作者VS登場人物あとがきこーなーヾ(*´∀`*)ノヤッター!


作者:とうとう、


ザシャ:びこーず、


千早:完結、


全員:です!!!


作者:いやあ、ここまで長かったね。


ザシャ:そうだっけ。


作者:長かったよ!


千早:皆さんお疲れ様です。


作者:……誰か私を褒めて。


ザシャ:完結したくらいで何言ってるんだい。


作者:……・゜・(ノД`)・゜・


千早:お疲れ様です、作者さん。


作者:ありがとう千早……! あなただけは幸せにするよ!


千早:……ありがとうございます?


作者:ということで、Because I Love You, 完結しました。

   ですが、このあと打ち上げやるよ!


ザシャ:それいいね。


千早:ですね。


作者:打ち上げという名の番外編、スタートですよ!


ザシャ:俺は出てくるの?


作者:本当の打ち上げには出てくる(会話文のみの回)。

   でもその後は出てこない。


ザシャ:……そっか……。


作者:打ち上げ編は、27日までには上げます!


千早:そのあとどうするんですか?


作者:千早が、色んな艦魂に会いに行きます。


千早:カンコン?


作者:そう。


ザシャ:沈んだら死ぬんじゃなかったっけ?


作者:作者の艦魂概念は違うんです。魂だから。


   ①沈んでも死なない(解体されたり、原型を留めていない場合は死ぬ)

   ②攻撃を受けても傷つかない(精神的に苦しむ)

   ③沈んだ場所でずっと生き続けているため、ちょっと壊れてる子が多い

   ④船と関わりが深い人物の生まれ変わりと会えば直感的に分かることがある


ザシャ:作者……これはひどい。


作者:艦魂が登場するのはWW2の時までに作られたもののみです。

   それ以前は全く勉強してません。


ザシャ:投げやりだね。


作者:しょうがないです。


ザシャ:そういうことで、


作者:今まで短いあいだでしたが、お付き合いいただきありがとうございました!


ザシャ:次回作第一話は二月上旬にアップする予定だそうだ。


作者:では、みなさまとまた会える日を楽しみにしております!!

   お前ら、飲みに行くよ!!!


ザシャ:はいはい。


千早:ここまで読んでくださって、ありがとうございました。


全員:また、Again…でお会いしましょう!!!!




番外編へ続く……。

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