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最終話

全てが終わりを告げる。

もう、何もかもどうでも良くなってしまった。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

私のせいでごめんね。

大切な人たち……。



あれから長い時が過ぎた。

ノワールの子どもは1日目には人間で言う4、5歳児に、2日目には10歳児に変わっていった。

3、4日目で類い稀ない美貌を持った青年になり、5日目には成長が止まった。

でも、外見は大きくても中身は子どもだろうと思っていたが、そんなことはなかった。



知識を持っていた。

魔法の使い方を知っていた。

ノワールは吸血鬼で王族と言う偉い存在。

王族はたった1人と結ばれることでしか、子どもを望めないようだ。

そして、1000年以上掛けて見つけた私をたった1人と決めた。

たった1人は本能で分かるらしくて……。

また、そのたった1人から生まれた子どもは強大な力を徐々に持っていき、知識は父親と母親から受け継がれるようだ。

産まれる時から強大な力を持たない理由は、母親を守るためと言われている……。

強大な力を持つものが母親の胎の中にいると母親は衰弱していき、やがては死ぬ。

だから、産まれてから徐々に力がついていくようになったようで……。



私は、彼との子どもが産まれてから何もせずにただ生かされている存在だった。

食事も睡眠も強制的に取らされた。

私がそんな生活を送っているうちに私の大切な人たちは1人、また1人と死んでいったらしい。

自分のことを考えることにしか余裕がなかったために私が気づいた時には1人以外、全てが亡くなっていた。

それは、お母様で……。

とても虚ろでガリガリに痩せ、ボロボロの姿には美人と言われていた面影はみえなかった。



私はお母様のお世話をしようと思ったが、私がお母様のところに行った時、二つの目が合わさった。

そして青白い顔をした女は、ただ笑った。

嬉しそうな笑みを浮かべて、何処から手に入れたのか分からない毒薬を飲んで死んだ。

それを目の前で見た私は、ボーゼンとしていた。

お父様はお母様を助けるためにご飯を譲っていたために限界が来て、餓死してしまったそうだ。

また、ディーンは精神が壊れて正常ではなくなってしまったために、女の人を求め続けて性欲を満たすようになった。

私はそれを見て絶望した。

全てが私のせいで起こった事だと……。

私さえいなければこんなことにはならなかったのだと……。



死のうとして短剣を胸に刺そうとした時、ノワールとノア(ノワールと私の子ども)に止められて、死ぬことは叶わなかった。

そして、もう2度と同じことをさせないようにと、呪いをかけられた。

永遠に彼とともに生きる呪い。

王族の吸血鬼は不老不死。

そのために、元々は私を不老不死の呪いに掛ける気だったようだが、もう少し成長してからにしようとも思っていたらしい。

結果的に私が死のうとしたから不老不死と言う永遠に彼と生きる呪いを早く掛けられることになった。

もう、どうでも良くなった。

彼に求められて、子どもの世話をして、何も感じない人形になって……。

すべてすべて、真っ黒に染まった。

色がなくなってしまったとも言える。



フィアとノワールとノアは生き続ける。

ノアは自身のたった1人を見つけて、2人は愛し合っていた。

フィアとノワールは冷え切っていた。

でも、ノワールはそれでもよかった。

愛した彼女が、傍に居てくれるだけで満たされていたから。

心はたっぷり時間を掛けて手に入れればいいのだ、と……。

でも、それは失敗する。



彼女が長い眠りについてしまったから。

死んでしまったのではなく、ただの眠り。

違うのはすぐには目覚めない眠り。

彼はあの時に彼女の心も何もかも全てを手に入れていれば、こうはならなかったのだろうかと考える。

急いでことを済ませようと思わなければ……。

そんなことを考えているが過ぎたことは戻らない。

彼女が目覚めるのがいつになるのかも予想がつかない。

でも、私は彼女を待ち続けよう。

今日もフィアの寝ている姿を眺め、髪に触れる。

早く目覚めてくれと願う。

そして、フィアが目覚めた先に訪れるのが私、ノワールとフィアの幸せだと良いと願って……。





人間を奴隷にしようと思ったことにも後悔はない。

フィアの大切な人たちが壊れていったことも、死んでしまったことにも何とも思わない。

ただ、君が眠りについてしまったのだけが心を蝕んでいる。

早く目覚めて、私のお姫様。

お姫様が目覚めた暁には、もう眠ることが嫌になるくらい充実した楽しい生活を与えてあげよう。

たっぷりと私がお姫様を愛しているということを長い時をかけて教えてあげよう。

お姫様の辛い記憶や大切な記憶を消して……。

そこから、2人でいちからやり直そうね。






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