表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/50

45話 「養いますよ」

「それで、僕たちはずっとここに居る、ってことですか」

「……まぁ、スミレちゃんみたいに『何故か帰れる』人もいるし、『海の果てまで行けば帰還できる』も多分本当なんだけどね」

 もう一度、人生をやり直したい。

 そう思う荒谷は、日々『調査』と称してどこかへと行っている。

 その『どこか』は恐らく、海の果て。

 何故なら、そうでもしないと、戻れないから。

 他に、自分の意思で戻る術がないから。

 なら。

「猿渡さん、なんか色々と言いましたけど、結局『自力では帰れない』ってのは変わらないじゃないですか」

 あいにく僕は、必死になってまで帰還したい訳じゃない。

 なら、どちらにせよ、向こうの僕が生き返るか死ぬかするまではここから出られない。

 なら、猿渡さんがどんな細工をしようが、大した問題じゃないんじゃないか?

「前にも言いましたけど、僕は自力で帰れたとしても、猿渡さんと一緒にじゃないと帰りませんよ」

 ここに猿渡さんを残して自分だけ生きる、なんてゴメンだ。

「でっ、でも、私には【うずまき】があるから、出られない……っ!」

「だったら、【うずまき】支店を作るために、まずは向こうに戻りましょうよ」

 猿渡さんの、夢。

 自分の店を開く。

 それは、叶った。

 でも虚構なんだ。

 苦労なんてない。

 願っただけの店。

 他力で作った店。

 それは自分の店?

 それは違うだろ?

 だから。

「僕も頑張って、猿渡さんのサポートをしますから」

 本来の猿渡さんは、もっと幼い。

 だったら、手助けをすれば良い。

「猿渡さんが【うずまき】支店を開くまで、僕が猿渡さんを養いますよ」

 言うは易し。

 行うは難し。

 でも、言わなきゃ始まらない。

 でも、やらなくちゃいけない。

 猿渡さんも、前に言っていた。

 ――生死の境、なんていつまでもいるべき場所じゃない。

 だから。

「僕と一緒に、戻ってはくれませんか」

 こんな、プロポーズ染みたことも、言う。

 勢いじゃない。

 虚構じゃない。

 本当なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ