篩にかけられる者たち、その2
『永田さん、千夏さんお手柔らかに頼みますよ。』と
明るく健吾は言うと、
一幸は『こちらこそよろしく。』笑顔で言う。
『健吾君、これからは自分との勝負だからね。
一人で解かなきゃならないしね。』
千夏はそう言うと席に着いた。
『永田さんはやっぱり落ち着いているな、
千夏さんは相変わらずかわいいし。』
健吾は一幸と千夏を見ながら、そう思っていた。
千夏は健吾と話す永田を見て、ずっと気になっていた。
初めて見た時から以前どこかであった事が
ある感じがずっとしていた。
いつどこで会ったのかは思い出せない。
お客さんだったのか、買物途中にあったのかは定かではないけど。
ただ一度だけじゃなく、何度も会っている感じ。
一幸は自分がブレーンである事を自負していた。
リーダーはいつの間にか岸谷になっていたから、
自分がリーダーにならずに済んでよかったと思っている。
リーダーという言葉に少しアレルギーさえ感じるのだ。
世間には名ばかりのリーダーが半分以上を占めており、
自分もそう思われているんじゃないかという
思いにいつも頭を悩ましていた。
自分も若い頃は上司が無能だといつも感じていたし、
仲間ともそう話していた。
しかし今は言われる立場にある。
だからブレーンと言う響きのほうが少しは楽に感じられるのだ。
『では2問目になります、用意はよろしいでしょうか?』
司会者は一幸、千夏、健吾を見て開始の合図を出す。
『へぇ~、この人達が出てきたんだ。
ある程度は読めてたけどね、じゃ、堕ちる人はあの人達か。』
圭介は解答者以外のメンバーを見ている。
2問目は順調に進んでいる。
3人とも最初は問題を見て唖然としていたが、
すぐに問題を解き始めた。
『だから言ったじゃない、難しい問題なんて出さないってさ。
まだゲームも始まったばかりなのに。』
圭介はまたボソボソと呟いた。
『誰も気付いていないんだよね、誰一人もね。』
『はい、時間です。』
司会者はそう言うと解答用紙の回収を行う。




