First Round
『どうでした?』
岸谷が相島に聞いてくる。
全員が相島に注目している。
『浩平君の考えだったんだよね?岸谷さんから聞いたけど。』
相島は浩平の方を向き、そう言うと
『えぇ、そうですけど・・・』と
浩平は申し訳なさそうにこたえると
『流石だね、3通あったよ』と岸谷と浩平に封筒を渡す。
一斉にわぁーとみんな声をあげて喜ぶ。
『流石、浩平君!』
遥と優子が大喜びをしている。
『じゃあ、皆さん一緒に本多さんのいるあの部屋へ向かいましょう。』
相島はそう言うと3組はあの大広間に向かった。
『遂に最後の1つを3組とも見つけたようです、今こちらに向かっているようです。』
田中雅美はドアの前で3組を待っている。
3組がドアを開け、部屋に入ってくると圭介は拍手をして迎える。
『流石、決勝まで残れた皆さんですね。
特に最後の1通を見つけるタイミングなんて、
映画を見ているようでしたよ。』と笑顔で言う。
『ヒントが無ければ見つからなかったですよ。』と岸谷は言う。
『確かにあのヒントで絞られましたし、浩平君の閃きもあったからね。』と
相島が言うと、香織と千夏もうんうんと頷いている。
浩平は照れ臭そうに、いえいえと首を振っている。
『さて、これからが本番です。
封筒の中を確認して、次のステップに進んで下さい。』と
圭介は言うとその後は司会者に主導権を与えた。
『では開封する前に注意事項をお話します。』
3組は静かに司会者の話に注目している。
『まず、問題は各組3問お答えして頂きます。
そして問題の解答者は封筒の中に解答者の条件を書いてあります。
その方を各組内で話し合って解答者を決めて下さい。』
『なるほど、代表者が答えると言う訳ですね。』
一幸は司会者の話を聞いて岸谷に声をかけてきた。
『解答者になった方は、残りの問題の解答者にはなれませんので、
解答者の選定には10分間お時間を与えます、慎重にお選び下さい。
選ばれた代表者の方は前のテーブルで解答してください。
解答者な方は解答後はどんな問題だったのかは
3問終わるまで言わないようにお願いします。』
司会者はテーブルを指差して、スタートの準備をしている。
これからがいよいよ本番、圭介は武者震いをした。
そして3組はそれぞれに分かれ、1つ目の封筒を開けている。




