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断罪終了後の悪役令嬢はもふもふを愛でる~ざまぁするつもりはないのですが~  作者: 一番星キラリ@商業ノベル&漫画化進行中
【再会】

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ジルが口にした「ずっと一人の異性として見てきた」「結婚するならチェリーだって、ずっと思っていたよ」この言葉が頭にすんなり入ってくれない。


「ジル様は……ずっとパートナーが欲しかっただけですよね? 仕事の相談もできるような。色恋沙汰よりも、ビ」「チェリー、違うよ」


言葉を遮られ、私は固まってしまう。

するとジルは、ぽすっと私の頭に手をのせる。


「緊張しているね、チェリー」「それは……」


私の頭から手を離したジルは、空を見上げる。

柔らかいダークブラウンの髪に優しく陽光が降り注ぐ。


「初めて会った時、チェリーはまだ十二歳だ。対して自分は十八歳。チェリーから見たら、大人だろう? そんな自分がプロポーズしたら、怖いと思われてしまうかもしれない。そう思って、待つことにした。チェリーが十五歳になり、社交界デビューすると聞いて、エスコートを申し出るつもりだった。でも丁度その時、弟が落馬して怪我をして……。浮かれた気分で屋敷をあけ、マーネ王国へ行くなんてできなかった。そうしたらチェリーは……サール王太子の婚約者になっていた。それはもう、本当に。ショックだったよ」


これを聞いた私は自然と疑問を口にしていた。


「……どうして、私を……?」


「どうしてだろうね。でも初めて会った時から、チェリーはとっても可愛らしくて……。見た目もそうだけど、溌剌としていて、眩しかった。難しいね。でもチェリー、分かって欲しい。恋というのは、しようと思ってできるものではないのだよ。気づいたら、落ちているんだ。恋に落ちている。もう好きになってしまっていた。それは……どうすることもできない」


そうなのか。恋とは……そういうものなのね。

気づいたら好きになっている……。

それは理解できた。

ジルはそうやって私を好きになってくれていた。

では私はどうなのかしら?

ジルのことを……。


「何度も諦めようとしたよ。何せ王太子の婚約者にチェリーは選ばれてしまった。でも……無理だった。チェリー以外が考えられない。だから今回の件を聞いて、居ても立っても居られなくなった。もうチャンスは逃したくないと思ったんだよ」


いつも冷静で落ち着いているジルなのに。居ても立っても居られなくなる姿は想像できなかった。


「いきなり好きになってほしい――とは言わない。自分は片想いの期間が長く、もう我慢と待つのは慣れっこだ。婚約したら、結婚は早くしたい。でもチェリーの心が決まるまで、無理強いはしないつもりだ。チェリーが大切だからね。チェリーの心身共に準備ができたら、一つになるので構わない。だからまずは一緒にカーラン国へ行こう。そして婚約をして、一緒に暮らそう」


これにはもう何というか、じ~んと感動してしまう。

こんなに私のことを思っていくれたのね、ジルは……と胸が熱くなった。


しかも私は王太子の婚約者になっていたのに、諦めずに想いを続けてくれていた。その一途さは胸熱案件だ。


さんざん待っただろうに。私の気持ちが固まるまで、結婚をしても、無理強いはしない。つまり私がジルを心から好きと思えるまで、白い結婚を約束してくれた。


父親はリベンジができるとか、頑張れば伯爵位をのぞめるとか、そんなアドバイスをくれたけど。そんなことはどうでもいい。サール王太子とは愛のない婚約だった。もう一度婚約をするなら、今度こそ、愛する人と結ばれたい――。


「みゃぁ……」


あまりにも力のない声に、心臓がドクンと飛び上がる。

見ると噴水のそばでクロがぐったりと倒れていた。


「クロ! どうしたの!?」


慌ててクロに駆け寄る。ジルも驚いて私の後を追った。


「クロ、クロ、しっかりして!」


クロを抱き上げた時。


「チェルシー様。森の外にあなたの名を呼ぶ者が現れました。あなたが出てこないなら、森に火を放つと言っています」


セフィラスの言葉に、今度は心臓が止まりそうになった。

お読みいただき、ありがとうございます!

一週間、お仕事&家事&勉強、お疲れ様でした~

週末サプライズ!

とある作品のSS(ショートストーリー)を追加します~

お楽しみに☆彡

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