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解放

目を開けると

私はぬくもりという幻想から

現実へ戻ったことを

理解した


昏く澱んだ視界と

嫌悪と脱力が

支配しようとしていたから


しかし、嫌悪と脱力は

すでに意味を成さない


私は己の真名を思い出したから


「……消えろ」


私は呟くように命じた


すると、私が被っていた仮面が

嫌悪と脱力もろとも

言葉通りに消え去った


私は辺りを見まわす

昏く澱んだものではない

私がいた本当の場所を

知るために


そこは、闇の大広間と

形容するに足るところだった


【己……己、おのれ、おのれぇー!!

我が甘露の蜜を、苦汁の水へと変えてくれたな……!

許さぬ、決して許さぬぞ!!

有能なる者は、我に甘露の蜜を与えねばならぬのだ!!】


私の目の前にいた

辺りの闇より深い闇が

傲慢的に喚いている


私は理解していた

あれが、私が滅ぼすべき

真の罪人――ニョグエガだと


「私は思い出したんだよ

自分がなんであるか

やるべきことはなんなのか

私がやるべきことは

ニョグエガ、貴様を滅ぼすことだ!」


私はニョグエガに

指を突きつけ

宣言する


私から力を奪い尽くそうとした

その大罪は

滅びに値するのだから


【我を滅ぼすだと?

ならば、やってみろ!

我が再び、甘露の蜜を得るための

贄にしてくれよう!】


ニョグエガはそう叫ぶと

深い闇を具現化し始めた――


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