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レイヤー47 安息をもたらす魔法
暗い部屋にいると
時間の流れが違う気がする
復旧は続く。
だが夜が残る。
インフラは崩壊していた。
灯がない。
ランプは燃料が要る。
油がない。
薪は貴重だ。
日が沈めば
半日は闇。
研究員が呟く。
「生き残れても」
「これじゃ暮らせない」
洋蔵は頷く。
「生活水準が戻らない」
一拍。
「文明は再建できません」
図面が開く。
新しい術式。
戦う魔法ではない。
灯す魔法。
魔術灯。
畜魔力装置を接続。
蓄積魔力を
発光術式へ変換。
燃焼しない。
煙もない。
燃料不要。
半日持続。
柔らかな照度。
熱は持たない。
安定した光。
研究員が息をのむ。
「……夜が消える」
洋蔵。
「夜を越えるための魔法です」
魔術灯の原理。
微弱励起。
定常発光陣。
出力制御。
自動減衰。
安全封印。
量産可能。
魔法陣は印刷される。
配布される。
各避難拠点へ。
各家庭へ。
防壁の内側に
小さな灯がともる。
子どもが眠る。
負傷者を看る。
夜間作業ができる。
読み書きが戻る。
研究員が静かに言う。
「これは兵器じゃない」
「文明だ」
洋蔵は答える。
「安息です」
円が更新される。
生存。
防衛。
供給。
灯火。
休息。
再生。
一拍。
「暗闇を照らす光」
「夜を生き抜くため」
「朝を迎えるため」
研究員が問う。
「最強の魔法は?」
洋蔵は言う。
「帰還を待つ灯です」
そして小さく。
「安息をもたらす魔法」
あんしんあんしん♪




