レイヤー33 魔法陣の積層構造化
そろそろヤバいかもしれん
机の上に魔法陣が並ぶ。
一枚ではない。
何枚も。
研究員が眉をひそめる。
「増やしすぎじゃないか」
洋蔵は首を振る。
「分けています」
一枚を指す。
「これは供給」
別の一枚。
「これは制御」
さらに一枚。
「これは機能」
研究員が腕を組む。
「一つにまとめないのか」
「まとめていました」
一拍。
「だから壊れます」
紙を重ねる。
ぴたりと重なる。
「分離します」
「役割ごとに」
下から順に並べる。
供給。
制御。
機能。
「順番があるのか」
「あります」
短い返答。
「下が先です」
指で軽く叩く。
「ここが止まると」
上の紙がずれる。
「全部止まります」
研究員が頷く。
「なら逆は」
「差し替えできます」
機能層の紙を抜く。
別の紙を差し込む。
「同じ供給で」
「違う効果を出せます」
一拍。
「使い回せるな」
「はい」
静かな肯定。
さらに一枚を乗せる。
「これは何だ」
「補助です」
揺れを抑える。
負荷を逃がす。
「見えない部分です」
「重要なのか」
「はい」
迷いなく言う。
「壊れないために」
最後にもう一枚。
「観測層です」
「まだ見るのか」
「見続けます」
短い返答。
「重ねるとどうなる」
洋蔵は答える。
「安定します」
一拍。
「強くなります」
魔法陣が静かに光る。
単体の時とは違う。
揺れない。
乱れない。
「……別物だな」
「構造が違います」
研究員が小さく息を吐く。
「もう魔法陣じゃないな」
「構造体です」
円が更新される。
生成。
変換。
供給。
蓄積。
観測。
解釈。
収集。
積層。
「増えたな」
「減っています」
短い返答。
「無駄が」
高待遇のスカウトが来るのでは




