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地味に転生できました♪  作者: きゃる
第2章 私の人生地味じゃない!
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いざ、リンデルへ

 結局、魔導王国リンデルへは夕方にはならずに入国できた。修学旅行で行った遊園地の大人気アトラクションで3〜4時間待ちをしたことあるから、別に良かったんだけど。


 早めに通る事ができたのは、ロバート様改め「ローザ」様のお陰だ。先に国境を越えて下調べをしていたローザ様が、列に並ぶ私達へと近づいて来た。

 今回は縦ロールの見事な金髪で、ピンク色の唇はプルプル、肌はツヤツヤで正直教えてもらいたい位の見事な女装だった。装いもチャイナ服に似た身体のラインがはっきり出る白のドレスで、胸には大きなパットが。脇にはスリットが入っていて、そこら辺の女性が束になってもかなわない位のセクシーさだった。

 あ、私?うん、もちろん勝てる気がしない。


 そんなわけで、魔法で男性とわかるだろうに特に怪しまれずに、しかも門衛(男性)の計らいで早めに審査をパスする事ができたのだ。


 さすが、うちの看板女優!!

「私は何で女優じゃないのか」と聞いていた自分が、恐れ多くて恥ずかしい…。


 ロバ…ローザの女装には、兄…ヴォルやガイは慣れていたのか驚きもしなかったし、レイモン…レイは楽しそうに笑ってらした。ただ一人、ローザに腕を組まれたレオン…レオだけが嫌そうな顔をしていたけれど。


 審査自体は簡単な物で、光の通ったようなアーチ状の物を通過するだけ。ヒト用と馬車用と別れていて、まるで空港での搭乗検査のようなものだったけれど、刃物でキンコンは鳴らなかった。

 門衛さんの他に魔道士と屈強な兵士数名が監視をしている。

 こんなに厳重にするわけは、危険人物の入出国を禁止する他、貴重な魔道具の流出を阻止するためだとか。


 当初私が予想していた男性女性とか変装などは、手配書に無い限りどうでも良いらしい。



 だから、ロバ…ローザのお陰で難なく入国できたので感謝している。私は愛人役と言い張っていたレイモンド…レイにベタベタされる事もなく、『旅一座』として無事にリンデルの地を踏む事ができた。





 仰々しい入国審査の割に、リンデル側はのどかな田園風景が続いていた。小麦畑は金色で夕日を浴びて輝いているし、畑の作物やぶどう畑も順調に実っているようだ。

 気候はこちらの方が本国ゲランよりも朝晩は涼しいそうなので、早めに宿に到着して休むこととなった。


 木造の建て物や可愛らしい色合いが多い母国に対して、田園を抜けた所にあったリンデルの町は石造りの建物が多く、白を基調としているのでどちらかというと大人っぽい印象だった。

 町の中には向こうでは見られない魔導具や魔導書の専門店などがあって、非常に興味深い。

 時間があったら是非見に行きたいけれど、観光に来たわけではないから勝手な行動は慎まなければいけない。大変な思いをするのは昨日でたくさんだったから。


 小さな町でさえ物珍しくてキョロキョロしてしまう私は、大きな街に行ったら即、おのぼりさん認定されてしまうだろう。


 今日泊まる石造りの宿には、リンデルの言葉で「旅籠 田園(カンパーニュ)」と書かれた看板が掲げられていた。


 公爵家に居た時、母のマリアンヌにリンデル語は特に詳しく学ぶように言われていたから、読み書きなら普通にできる。

 きっと、実の父親のトーマスがリンデルの人間なので、私がいつこの地を訪れても良いように厳しくしてくれたのだと、今ならわかる。

 15歳で成人するまでのその他の花嫁修業(?)も、いつか役に立つ時が来るはずだ。

 でも、まずは旅の成果をあげて無事に国に帰らないとね!



「アロ、初めての国境越えはどうだった?リンデルも良い所だろ?」


 夕食を食べながら、レイモンド様…レイが気さくに話しかけてくれる。

 魔導王国といっても全員が魔法を使えるわけではなく、貴族階級が主で一部の人しか使えないそうだ。だから安全の為に男装しててもバレないらしい。ドレスのようにコルセットを絞める必要がないから、こちらの方がたくさん食べられる。

 食べ過ぎて、帰った時に両親や侍女達に「誰?」と言われないように気をつけないと。


 ロバ…ローザと合流できて、ヴォルもガイも嬉しそうだ。ローザはぴったりとしたドレスを着たまま食事をしているから、女装はもはや趣味の域だと思う。

 レオがさっきから気を遣って肉を切り分けてくれるから、私は何もしなくていい。

 でもこのままだと、本当にすぐに太ってしまいそうだ。


 その事をレイに言うと、彼はあっさり

「大丈夫。国境も越えた事だし、明日から旅一座として体力のいる訓練をするから。」


 と、怖い事を言い出した。一体どんな訓練するのだろうか???

ぼちぼち更新していきますm(_ _)m

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