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地味に転生できました♪  作者: きゃる
第2章 私の人生地味じゃない!
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もう兄とは呼ばせない

ヴォルフがあまりに鬼畜だったので、改稿しましたf^_^;

「手当てがまだだろう?交代だ。」

 義兄のヴォルフはそう言うと、薬一式を持って中に入って行こうとする。


「くっっ。でも、アリィは…。」

アリィはまだ、傷ついている。


「何があったかは、ガイウスに聞いた。だから大丈夫だ。私も先ほどの事をアリィに謝らないといけないし。」

 そう言うと、俺の肩をポンと叩いて、ごく自然に優雅にドアを開けた。


 アリィに、「常に警戒してドアのカギはかけておけ」って言っておくの忘れてた…。

 後悔しても、もう遅い。


ドアの隙間から見えたのは案の定、驚いて息を呑むアリィの顔。


 ドアは俺の目の前で、全てを断ち切るかのようにパタン、と閉じられた。



******************



「お兄様!!」


 あっいけない!つい習慣で、兄と呼んでしまう。さっき「妹ではない。」と、言われたばかりなのに…。


 ヴォルフはそれに対して何も言わずに、悲しそうに微笑んだ。


「アリィ、さっきは済まなかった。帰って来ないかと、さらわれたのではないかと心配のあまり動揺していたんだ。」


 私の頰を叩いた事を言っているのだろうか?

 でも、保護者が悪い事をした子どもを叱るのは当たり前だ。

 服を破かれて怖い思いもしたけれど、ガイウス様のお陰で助かったから、私に特に被害は無い。それよりも、お兄様にそんな顔をさせてしまった自分の行動が悔やまれる。


「いいえ、私がいけなかったんですもの。

 ごめんなさい。お兄様。」


 今度こそ聞き届けてくれそうだ。きちんと謝っておく。



「………ではない。」

 呟く声が低過ぎて、よく聞き取れない。


「え?」


「兄ではない。」


「!」


「私はお前の、兄ではない。」


「そんな!!」


 やはり、お兄様は許して下さっていなかった。軽率な行動を取った自分勝手で愚かな私を、もう妹とは思いたくないんだ。


 さりげなく薬を棚に置き、怖い顔をしてこちらに近付く兄…ヴォルフ。思わず後ずさった私は、壁ぎわまで追い詰められてしまった。


 トン、と背中が壁に当たる。

 ヴォルフが壁に両手をついて、水色の瞳で私を真剣に見つめる。


 怖い…。

 壁とヴォルフに挟まれる形になった私には、もう逃げ場がない。

 助けて!

 と、懇願するように彼を見上げるが、もう効果は無いようだ。


 ヴォルフは口の端を上げて形だけの笑みを作ると、作り物のような整い過ぎた顔をこちらに寄せてきた。




「え?」


 今、何が起こったんだろう?

 唇に触れたものは、何?


 ヴォルフは苦笑すると、さらに唇を重ねようとしてきた。


 な…ちょっと待って!!

 ストップ、ストップ、ストーップ!!!


 ドンッッ


 再び重ねられる前に、ビックリして思いっきり突き飛ばす。


 両手で唇をガードし、プルプル震える。

 自分でも、顔が青から赤になっているのがわかる。


「ハッ。」

 黒髪をかきあげる姿も絵になるんですが、そんな事ではごまかされません。


「こういう事だ。もうお前を、妹だとは思っていない。一人の男として見て欲しい。」


 思考、一時停止…。

 思いもよらない言葉に、頭が真っ白になる。




 ………再起動。


 何ですって〜〜!!!!

 何でなんだ?何でそうなった?

 


 動揺しまくるあまり、私はまともに物が考えられない。




 今日の一件が、そんなに彼にショックを与えたのだろうか?優しかった兄は、目の前で豹変してしまった…。

 口をパクパクして焦る私を見て、ヴォルフが笑う。あ、いつもの笑顔だ。


「お兄様…、何で?」


 ついクセで、そう呼んでしまう。

途端にヴォルフの顔色が変わる。


「何で?

お前をずっと大切にしてきた私に、今更それを聞くの?

どこの誰ともわからない者にお前を攫われそうになって、私がどんな思いでいたかもわからないとでもいうのか?」


「ごめんなさい。でも…。」


「でも?だって?

お前はいつもそうだ。いつも自ら危険な所に飛び込んで、残された者の気持ちを考えない。何度も死にそうな目にあっているのに、心配する周りの心などお構い無しだ。


よく考えるといい。

自分がどう、振る舞えば良いのか。

自分がどう、周りに見えているのか。」


 兄…ヴォルフはそう言って、出て行こうとする。

 が、最後に振り返ってこう言った。


「さっきの事は謝らない。旅の間、考えておいてくれ。」



ドアを開けて立ち去る兄を、壁に寄りかかったままの姿勢で見送る。



 罰を、与えられたのだろうか。


 確かにお兄様の言う通り、私は自分のことばかりで、周りがよく見えていなかった。

 旅に出る時も、自分の都合を優先して、優しいリオンを苦しめてしまった。



これから私は、どうすれば良いんだろう。

どうすればみんなにまた、認めてもらえるの?


頭の中に答えの出ない問いを抱えたまま、私はゆっくりと、膝から床へ崩れおちていった。

ご迷惑をおかけしましたm(_ _)m

改稿前の変な二人は忘れて下さい…。

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