朝の二人
「ん…んー。」
朝の光が瞼に当たる。
何だかとっても頭が痛い。
眠い目を擦りながら薄眼を開けると、何とそこには
レオンのどアップ〜〜〜!!?
サラサラの金の髪が頰に触れ、印象的な濃い青い瞳が目の前にある。
「どわーーーッ。」
叫びながら、慌てて身体を起こした。
上から私を覗き込むように見ていたレオンがひょいっと避け、腕を組んで横に立った。彼は既に、青のパンツと白いシャツにベストという気軽な服装に着替えている。
「そろそろ時間だけど。朝ごはん、下に食べに行くから着替えたら降りてきて。」
彼はそっけなくそれだけ言うと、さっさと部屋を出て行った。
起こそうとしてくれてた、のかな?
私はというと、昨日と同じ服のまま。そのまま寝ていたせいか、シワが寄ってクシャっとしている。あ、お風呂も入ってない。
いきなり女子力低すぎる。ま、いっか。男の子として同行するんだし。
あれ?でも私、いつの間に部屋に戻ったんだろ。
考えてみる。
………………んー、記憶が無い。
まさか、レオンが連れてきた?
だから、朝からあんなに機嫌が悪かったのだろうか?
お姉さんなのに、迷惑かけてゴメン。
お姉さんとも思ってないかもしれないけれど…。
昔は朝、飛び込んで行ったらギュッとハグしてくれる程仲が良かったのに、今それやったら、絶対に怒られるわよね?
ちょっと頭が痛いし、顔もベタベタしている気がする。もしや、ヨダレか?!
レオン、朝から醜いもの見せちゃってゴメン。お姉ちゃん今日からちゃんと、頑張るから。
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「あっぶねー。」
慌てて部屋を出て、手で顔を覆い階段の所で考える。
危なかった。あのままずっと見つめていたら、危うく誓いを忘れて手を出してしまうところだった。
昨日はようやく床についたものの、隣が気になりなかなか寝付けなかった。朝方ふと目覚めると、アリィのすすり泣くような声。
具合が悪いのかと思って見てみれば、夢でうなされながら泣いていた。
またどうせ、アイツの事を考えていたんだろう?
アリィを泣かせたのが、自分で無いのが悔しい。彼女は想いを、後に残してきてしまった。
泣き止んだらいいとそっと彼女の頰に触れ、こぼれる涙を親指で拭う。
起きている時に触れる事は許されないけれど、今は、今この時間だけはアリィの一番近くに居ることができる。
それは、彼女に嫌われても良いからと、俺が何より欲したもの。
永遠に、朝など来なければ良いと願った。
そんなに飲んでいないのに、昨日酔って寝てしまった彼女は、緊張したか疲れていたのだろうか?朝もなかなか起きられなかった。
以前は「レオン君大好き〜!!」と、朝、自分から飛びついて起こしてくれたのに…。
子供の頃の大事な思い出。
アリィは覚えているだろうか?
起こす前に、もったい無いので至近距離で彼女を見つめる。ベッドに広がる金色の短い髪も、眠くて震える金色の長い睫毛も、吐息の漏れる桜色の唇も、全てが愛しいー。
思わず唇を近づけそうになる前に、起きてくれて良かった…のか?
軽く頭を振って歩き出す。
今日も苦しい一日になりそうだ。




