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特別企画・グランディスタNO.1女神決定戦

完全に番外編です。CDドラマみたいなものだと思って楽しんでください(笑)




【選手紹介】


「さて始まりました、バレンタイン企画、チキチキグランディスタNO.1女神決定戦!司会進行は私、このためだけに異世界から召喚されました実況神カワバルと!」


「光あるところに影あり、女体あるところに僕あり。麦の神アラヴィスムでお送りしまーっす!」


「すでにキッチンスタジアムには多量の食材と女神たちがスタンバイしております。レポーターのレプロンさん、そちらはどうでしょうか」


「今回はバレンタイン企画と言う事で私も久方ぶりにワクワクしているところだ。ところでこのワクワクという感情の語源だが・・・」


「レプロンさんレプロンさん、そういうのいらないので女神たちの様子を教えてください!」


「・・・なるほど、世界が違えば遠慮会釈の必要性も無いということか。勉強になる・・・しかし、カワバルくん、他者を思いやる行為には一定の実利があると言うことは当然理解しているのだろう?情けは人のためならずとも・・・」


「審査員席を見てみましょう!!今回はバレンタイン企画と言う事でグランディスタのチーム甘党に来て頂きました!まずはこの方、小さな身体に大きな戦斧、鍛冶の神オルトヴァ!」


「ワシ出番貰えるの?眷族いないし、本編出演予定が無いとか作者が言うてたよ?」


「大丈夫です!お祭り短編なんでセーフです!!読者の何割がヒゲのドワーフ親父の出演に喜ぶかわかりませんが気にしない気にしない!」


「・・・ワシ帰る」


「まあそういうな。俺一人じゃ全員分食べきれないかもしれないだろ」


「来ました!甘党業界におけるグランディスタの双璧!!今日はレイバンのグラサンにピチピチのレザーでコーディネートもバッチリ、骨の髄までパンクロックを愛すると公言する獣神ソンドバルンドルグララオ!」


「でもなソンよ、ワシは言うても少食よ?お前さんやヴェラに比べたら・・・」


「お祭り短編だから気にすんなっての!だいたい甘くて美味いものが食えるならなんだっていいじゃねえか!!」


「・・・そこまでいうなら」


「ゲスト審査員のお二人が席につかれたところで、審査員長から一言頂きましょう。太陽の神ドドラガリさん、お願いします」


「・・・妻が甘い物を食わせてくれなくてな。健康のためにと言いながら自分は隠れて食べとるのに酷いと思わんか?そのくせ二言目には最近太ってきたとかなんとか言って最近は三食全部漬物と米だけしか食わせないとかおかしいと思わんか?だいたい・・・」


「本日の太陽は曇り空の様子!ありがとうございました。家庭の愚痴は生電話神ミノリカワさんにお願いします!」


「そろそろ女神の紹介にうつっていいかな?」


「アラヴィスムさんありがとう!ではキッチンスタジアムにカメラさんお願いします・・・カメラさん?・・・あ、大丈夫そうですね。では一番テーブルから。レプロンさんいけますか?」


「うむ。問題ない。ところで台本は一読済みなのだが、この短編は訴求効果を考えて執筆されているのかね?バレンタイン企画と言う側面がある以上、ある程度の水準・・・」


「問題しか感じません!レプロンさんレプロンさん、螺旋なす時の神レプロンさーん!問題ないの意味を辞書で調べてみてください」


「大丈夫だ問題ない」


「竹内良太声で言わないで頂きたい!!ダメなやつですよ!お祭り短編でもダメな物はありますからね!」


「すまない。私としたことが浮かれてしまったようだ」


「よろしくお願いしますよ?ではエントリーNO.1番、商いと旅人の守護女神アンカネブラ!!」


「元々は旅芸人を中心に信仰されていたので多芸多才な技能神の側面を持つ。彼女が調理に失敗する姿は私には想像することさえできない、まさしく優勝候補筆頭と言えるだろう」


「スリーサイズは82・58・84、Fの60とか孕ませるしかないよねえ」


「生殖の是非について明言は避けるが・・・しかしアンダーで言われた時の違和感はやはり慣れないものだ。昔のエロゲーを見習って82のFと言う方が聞いていて想像もしやすい」


「レプロンさんもアラヴィスムさんもやっとやる気になってきたようです!アンカネブラさん。意気込みを一言!」


「満足して頂けるよう頑張ります」


「完璧な回答です、このコメント、この笑顔、あざといと言われようが正統派ヒロインのポジションは譲らない!素晴らしいですねアラヴィスムさん」


「出場女神には事前に浮気を許すかアンケートを取ったんだけど、アンカネブラの回答は『許します。だからちゃんと帰ってきてくださいね』だったよ!こんなこと言われたら参るよね?全力で帰っちゃう」


「そんなアンケート進行台本にありましたっけ?」


「んーん、僕の趣味」


「即答だ!清々しいくらいゲスですねアラゲスムさん!!」


「満足して頂けるよう頑張ります、とかヤバいよねー、夜中に言われたらもうそれだけで暴発必死じゃない?ルパンダイブし・・・」


「では続いてエントリーNO.2番!いばらの賢神カムナエナ!」


「本編に登場していないため詳細な記述は控えるが彼女は知恵と知識の神として十分な権能を持っている。料理という学問を研究したとするならば彼女の生み出す一品こそ至高にして究極に辿り着く可能性を持つのではないだろうか」


「今日はいつものサイズ大きめの服じゃなくジャストサイズのクッキングコートだからスリーサイズもはっきりわかる!ていうかカムナエナ隠れ巨乳だったんだね!?」


「服装もさることながら特筆すべきはメガネをかけていることだろう。まさか私以外に眼鏡を使ってキャラ付けをしてくる者がいるとは思ってもみなかった。今日の彼女の本気が伺える」


「カムナエナさん一言お願いします」


「本当のバレンタインチョコを食べさせてあげますよ・・・です」


「真っ赤な顔とかヤバイよねー。孕ませたい」


「これは・・・・・・・・・素晴らしい恥じらいだ」


「はいはい次行きますよ?エントリーNO.3番、夜明けの神ベスティア!!」


「うわうわうわうわ、まさかこう来るかっ!?」


「ダークエルフというだけで美しさに秀でているにも関わらず、胸元が見えそうなピンクのエプロンを着てくるとは恐れ入る。可愛らしさを強調したセンターリボンなど文句のつけようがない。ともすれば冷たく見える彼女の美貌が雪解けの春を思わせるような柔らかさに見えてくるのもコーディネートの妙という物だろう」


「うわー、上半身だけ脱がせたい。裸エプロンで料理させたい。そのまま後ろから」


「ベスティアさん、意気込みをお願いします」


「私は最善を尽くすだけだ・・・だが、まあこの中で既婚者は私だけのようだからな。負けるはずもない」


「火花が散ったー!!これは先制の一撃として十分な火力!!予期せぬ舌鋒にアンカネブラですら視線が険しくなる!!」


「・・・既婚者でなくとも料理はできます!」


「本当のバレンタインチョコを食べさせてあげますよ・・・です」


「盛り上がってまいりました!!続いてエントリーNO.4番、冥府の双神ナイアエムネ、ネイアエスナ、二人一組での入場です!」


「あらあらうふふ。皆様お久しぶりですね」


「やっほ~!元気してた?」


「おーっと!もはや料理とは関係ないボディペインティングでの登場!グランディスタの叶姉妹の名は伊達じゃないとばかりに肢体を見せつける!!」


「・・・いや、これはちょっと、ねえ」


「うむ。食品の衛生管理という意味でもふさわしくない」


「まさかの大不評!!審査委員的にはどうでしょう!?」


「こいつらに料理ができるはずないだろ」


「獣神がばっさり一刀両断!!!!!!!!!!!!」


「・・・エスナちゃん。この格好、良くないみたいよ?」


「え、そそそそそそそそ、そうかな!?お姉ちゃん似あってるよ?わわわ、私がちょっと浮いちゃたかな?」


「・・・エスナちゃん」


「お姉ちゃん待って!ここじゃダメだって!ヤバイから待って!!!!ちょ、あああああああ~!?」


「ハイライトの消えた眼で動くナイアエムネさんの姿はちょっと放送できません。見せられないよ!ナイスボート的なアカンやつです!楽屋裏での折檻です!!映像はご勘弁ください!!」


「騒がしい奴らじゃのぅ」


「呼ばれる前からジャジャジャジャーン!と出てきたのはエントリーNO.5番、法と契約の神マリーシャイ!」


「合法ロリの神だね」


「ロリババァという単語そのものの響きは蔑称かもしれないが、その語義の由来や本質から推し量れば敬意の有無こそ重要であるということは明白だ。ならばこそ、私はロリババァであるマリーシャイに同情を禁じ得ない」


「上げてない!?なんか持ち上げるのかと思って聞いてましたが単純にディスってませんかレプロンさん!?」


「ふん!なにが需要が無いじゃ!!アニメ化の暁には薄い本が出まくって大変な事になるのじゃぞ?」


「アニメ化以前にクリアしないといけないハードルがありますっっ!本編を書けというプレッシャーに作者のハートが砕けてしまいそうになるから辞めて辞めて!!」


「CVをつけるなら明坂聡美を希望じゃ!花澤香菜でも内山夕実でもよいぞ!」


「内山嬢はマリーシャイみたいな役をやった事がないと思うが、私の記憶違いだったかな?」


「そうだねえ、僕としてはサトミはサトミでも新井里美の方が合うと思うけど」


「サブカル神どもは黙って下さい!アウトだアウトー!!・・・おや?マリーシャイさんのお隣にいるのはどなたです?」


「ああ、この鳥の巣頭の女性は夜と嵐の神サンダラプタだね。肩に乗せているのはセルシスと契約した世界樹の精霊で名前は・・・」


「リシュさま見参だぜ!ぶぃっ!!」


「ぶ、ぶぃー」


「えーっとですね。事前に頂いてます出場者名簿の方にはサンダラプタさんのお名前が無かったんですけれども」


「そうだね。サンダラプタには出場を断られてたんだけど、どうしたんだろう?」


「ふふん。アシスタントじゃ。出場枠の要綱は完膚なきまで読み解いたがアシスタント不可とは書かれておらぬ。ルールに反しとらんのじゃから問題はなかろ」


「これはさすがにどうなんでしょうかね。司会進行している私の方でOKと言える内容ではない気がしますが・・・」


「出場枠に足りておらぬ陰気系ヤンデレ成分と人形系ミニマム女子を追加してやるのじゃ。マニアックな性癖を持つ読者諸兄も完璧にフォローできると思わぬか?」


「そう言われたら僕には反論できないなぁ」


「想定外ではあるがヒット作とは常に想定の外から投げ込まれる一石がフックになることがしばしばあると聞く。私もマリーシャイの英断を支持しよう」


「なんだか話がまとまったー!!では、続いて最後の出場者の紹介です!!エントリーNO.6番、戦の神ヴェラーラ!!」


「これは・・・・・・!!!うん。いや、うん。ヴェラーラ?普通だね、格好」


「いっそ鎧装束でも着てくるのかと思っていたくらいだが・・・しかし簡素すぎないか?まるで下界に住む町人のような恰好ではないか」


「お二人とも面喰ってますが、ヴェラーラさん、なぜその格好なんです?」


「鎧装束で料理する馬鹿がいるか」


「いやそうだよ!?そうだけどさ、パブリックイメージがあるじゃない!?」


「なんとも当たり前の理由だったー!!それでは、この6組の女神の中で誰が一番料理の腕が立つのか!!バレンタイン企画、チキチキグランディスタNO.1女神決定戦!!堂々のスタートです!!!!」







【調理フェイズ】


「「オープンザクッキング!」」


「さて、今回の料理大会を円滑に進めるために、キッチンスタジアム内にはおよそ料理に必要と思われる物を大量に準備してあります!これだけの用意をするのは一朝一夕とは参りません!!凄いですねレプロンさん!!!」


「そもそも2月の企画SSとして書こうとして間に合わなかったものだからな。武器の貯蔵は十分だ」


「メタなコメントありがとうございます!!!」


「ふむ、材料の選別に時間がかかるかと危惧していたが、さすがはカムナエナ。迷いなく材料を選び出しているようだね」


「手早い!素早い!知識の神はスイーツ知識も豊富なのか!?・・・レプロンさんレプロンさん。カムナエナが手に持っている四角い板みたいなものはなんですかね?タブレットみたいな・・・」


「愚者の石版の事かい?賢者の石と対になるアーティファクトさ。ありとあらゆる情報を検索する事ができる優れた神器だね」


「・・・と、ということは集積された知識を自由に閲覧し、参考にしながら今回のクッキングに臨んでいるということですね!これは強い!!凄い!!ちなみにどんなレシピを見てらっしゃるんでしょう?」


「確認しよう・・・サイトはクックパッ・・・」


「アウトー!!!!!!!!!企業名は原則アウトですよ!!っていうかタブレットですよねそれ!?」


「いやー、メガネ女子が懸命に料理するとか下半身が熱くなるよね。後ろから揉みたいなー」


「まさかタブレット持参で調理とは思いませんでした!どこかのアルティメットメニューを模索する新聞社の方みたいな発言をしていましたが大丈夫なんでしょうか!?・・・気を取り直して、優勝候補筆頭のアンカネブラの方をみてみましょう!!」


「こちらは丁寧な仕事ぶりだねー。卵を卵黄と卵白にわけてメレンゲを作ってる。このチョコレートは湯煎用かな?・・・フライパンで加熱しているリンゴ。ココアパウダーにグラニュー糖、小麦粉にバニラエッセンス・・・ふむふむ」


「期待できそうですね!何を作っているのかインタビューお願いします!」


「手順の説明を。完成系はどうなる予定かな?」


「今はスポンジ生地を作ってます。刻んだ林檎の入ったチョコレートケーキを作りますから、待っててくださいね」


「林檎のチョコレートケーキ!期待は高まりますが・・・林檎の旬は10月~12月。現在6月であることを考えると素材としては一段落ちてしまいませんか?」


「安心したまえ。螺旋なす時の神である私の権能を持ってここの食材は1年で最も美味しいタイミングで時間を固定してある。問われるのは純粋に料理の腕というわけだ」


「素晴らしい権能の無駄使い!きっと本編では生かされないことでしょう!!」


「アンカネブラがこんなにしっかりやってるとなると・・・啖呵を切ったベスティアも見てみたいねぇ」


「確かに!ベスティアはどんなものを作って・・・おっと、これはサツマイモですか?火を通してから皮を剥いて裏漉ししているようです」


「人妻に皮を剥かれるなんて下半身が熱くなるなあ。そのうえしごかれちゃうんでしょ?」


「裏漉しですよ!!!無理やりそっちに持っていかないでください!!」


「ふむ。市販品のタルト生地と栗の甘露煮が見受けられるな。すべて手作りするアンカネブラとはまた違った視点ということか」


「私は主婦だからな。恋人が手間暇をかけるような一品は作らん・・・だが、毎日美味しいと言われるだけの物は作って見せよう」


「凄い自信だー!!いや、なんかもう主婦の神とか台所の神とかになっても良いんじゃないでしょうか!?主婦の味方ベスティア!!!!」


「ねー、ちょっと気になったんだけど、チョコレート使ってなくない??」


「・・・確かに、ベスティアに割り振られた調理スペースにチョコレートが見当たらないようだ。これはどういう事か、聞いても構わないかね?」


「私の夫はモテるのだ」


「・・・ふむ?」


「私が料理をする相手は愛する夫以外に存在しない。従ってこれがどんな趣旨の大会であろうと、私の手料理は夫に向けて作られる。わかるか?」


「論理は理解した。だがチョコレートは何故ないのかがわからない。モテるという事はチョコレートを貰ってくるわけだから、ならばなおさら対抗意識を持ってチョコレートに拘る一品を用意するのが当然ではないかね?他のチョコレートに負けないように」


「嫌と言うほどチョコレートを貰えば義理でも食べなければならない物があるだろう?そこで夫にチョコレートで追い打ちをかけろと?」


「!?」


「本来なら鯛のアラでも使って茶漬けの一つも出してあげたいのだが、さすがにバレンタイン企画だからな。あえてチョコレートを使わない甘味を作っているところだ」


「・・・・・・目から鱗が落ちた気がするよ・・・いや、さすがは夜明けの神だ。まるで夜が明けたかのように、私の眼にも君の言葉の正当性がはっきりと見えた」


「なるほどな。こりゃ思った以上にベスティアが有利だぜ」


「おーっと、審査員席の獣神からなにやら意味深な発言が!どういうことなんでしょうか!?」


「森の民であるエルフ族が森の恵みである栗を扱って不味くなるはずがねえ。おまけにこの理論。だいたい参加してる神の中で唯一人間の時代を生きてるしな」


「たしかにの・・・なあソンや。とりあえず乗っかってみたけど、ワシうつってる?カットされてたりせんかの?」


「シーっ!マイクが拾っちまうだろうが」


「すまんの。すまんの。でも出番欲しいんじゃもん」


「・・・なんかドドラガリ静かだね?どうしたの?」


「嫁からLINEがきててな・・・なあ、なんで怒ったんだと思う?お前とキャバクラ行ったのバレたかな?それともJKリフレの件?な、どうしたらいい??」


「はいそこまで!太陽と麦の神は色々と自重するか、家庭の修羅場は鬼嫁速報とか他のサイトでご相談下さい!!・・・カムナエナは・・・レシピと睨めっこしながら真剣な顔でグラムを計ってますので邪魔をしないで。ナイアネイアのお二人は??」


「もぐ。うん、このマンゴー美味しいわ。ネイアちゃん。これどうかしら?」


「あむ。もちゅ。むにゅ。凄い!こんなに美味しいビワとか初めて食べたよ!あ、お姉ちゃん、わたしパイナップル食べたい!」


「はいはい。今切るから待ってね。スイカも食べる?」


「食べる!!赤いのも黄色いのも全部食べたい!!」


「もう、しょうがないわね。夕飯はちゃんと残さず食べられるなら切ってあげるわ」


「食べられるよ!やったー!お姉ちゃん大好きー!!」


「完全に別の作品の一幕になっています!!稀人きたりて風が吹くはそういう作品ではありません!!」


「えー、日常パート大事じゃない?姉妹でキャッキャウフフだって需要あるよきっと」


「二人とも、ちょっと見て貰えるかな」


「「これは・・・」」


「え?なにあれ?バレンタイン企画って伝わってるはずだよね?なんでフラスコでスライム作ってるの?」


「青いと言うだけであきらかに食欲を失いそうですが・・・レプロンさんレプロンさん!ちょっと聞いてみて下さい、なんですかそれは?!」


「サンダラプタ、これはなにかね?それから、マリーシャイとリシュはどうしたんだ??」


「ぜりー。リシュはそこ。マリーシャイは知らない」


「むにゃむにゃ、んふ。もう食べられないってば・・・んふ、んふふふ・・・・・・ぐー」


「なるほどスライムに見えたのはゼリーだったようです!いや、それにしても私は審査員ではなくて良かった!!!一方マリーシャイは行方不明。精霊のリシュはソフトクリームのコーンを抱きまくらにして寝ています!!ソフト部分は食べてしまったのでしょうか!!」


「口元の白いのとか、やばいよねえ」


「さて、あえて突っ込みを入れずに最後の出場者ヴェラーラを見てみましょう・・・・・・これは?」


「ふむ。随分落ち着いているようだが、何をしているのかね?」


「作業なら終わった。今は冷やしているところだ」


「何をセレクトしたかな?いろいろと集めてはみたんだが」


「チョコレートとホットケーキミックスだ。市販の生クリームと卵、砂糖。あとは何もいらない」


「・・・それは、ちょっとシンプルすぎないかね?いや、もちろんレギュレーション違反ではないし手作りともいえるだろうが・・・時間もあるし、もう一品くらい作ってみてはどうかな?」


「・・・仕方ないな・・・・・・ほら」


「・・・?市販の板状チョコレートを短冊切りしただけに見えるが」


「春巻きの皮をだせ」


「は、春巻きの皮??いやヴェラーラ。これはバレンタイン企画であってね」


「いいから出せ」


「・・・こんなもので良いか?」


「おーっと、ヴェラーラ、春巻きの皮でチョコレートを包んだー!!そしてそれを・・・オーブンにインサート!!」


「インサート。直訳すると挿入だね。僕は好・・・」


「アウトォ!!アラヴィスムさんアウトですよー!!」


「これを温めて終わりだ。これ以上は作らないからな」


「・・・ふむ」


「さて、誰がどんなものを作るのか見えてきたところでCMです!!」







【実食】


「さあ、大混戦の料理タイムが終わりまして、ここからは実食にうつります!!!まずはエントリーナンバー1番、アンカネブラ!!!」


「林檎の入ったチョコレートケーキだねえ。ココアパウダーを全体にふりかけて、その上から生クリームでハートが書いてある。見た目にも綺麗な一品だね」


「では点数を・・・・・・8点、8点、8点!!!!!!これはちょっと辛口か!?」


「ふむ。では審査員の言葉を聞いてみよう。オルトヴァ。これは?」


「・・・・・・甘くないんじゃもん」


「十分甘そうに見えますが・・・せっかくですから実況側でも頂いてみましょう。どうですかレプロンさん」


「自然な甘みを感じるね。林檎は時間をかけてフライパンで加熱したものだ。全体に砂糖ではなく蜂蜜を使って甘さをだしているようだが」


「オルトヴァの馬鹿舌はともかく、俺にもちょっと物足りねえな」


「ソンもか」


「美味いか不味いかで言えば不味くはねえ。だが市販品でもっと美味いケーキはいくらでもある」


「家庭的である事が減点だということかね?」


「はっきり言えば期待しすぎちまったんだ。手作りだって事を加味すりゃあこれはマシな部類だろうが、商品として金を取れるかと言われたら疑問が残る。このバレンタイン企画が美味さを求める大会だってんなら、味について言及しないわけにはいかねえだろ」


「いやー、ちょっとこれはショックだよね。アンカネブラ、大丈夫?」


「・・・はい。自分の未熟さを痛感しました」


「まあ、そう気を落とさずにね」


「大丈夫です。それより・・・また挑戦しますから、あの・・・来年も、食べて下さいね?」


「はにかむなんてずーるーいーなにそれー。せっかくだから僕は君を食べ・・・」


「というわけで24点、暫定1位です。続いてエントリーNO.2番!いばらの賢神カムナエムナ!」




「・・・・・・ぱっとみ、モザイクがかかってるね」


「ふむ。料理できない系ヒロインがやらかしてしまった時に作成されるダークマターと成分比率が99.9%合致しているようだ、これは審査員も食べられないのではないかね?」


「点数は・・・8点!6点!!2点!!」


「ドドラガリ?なぜ8点だろうか?」


「漬物ライスよりも美味い」


「ふむ・・・ソン、6点の理由は?」


「いや、なんであの材料でこんなものが作れるのか皆目見当がつかねえ。辛くて酸っぱいとか意味がわからん・・・だが、これはこれで何か、こう、エンチャント効果がありそうでな」


「ほう・・・なるほど、確かにパラメータは上昇しているようだな。敏捷性を増す効果が特大でついている代わりに精力減退極大か。おそろしい・・・オルトヴァは?」


「甘くないんじゃもん」


「カムナエナ、料理苦手だったんだ?」


「・・・作った事ないから・・・です」


「眼鏡をきらりと光らせてもダメなものはダメです!!でもそりゃそうですよね、学者が全員プロのシェフってわけじゃありませんもんね!!!というわけで16点、暫定2位です。続いてエントリーNO.3番、夜明けの神ベスティア!!」




「これは・・・なんて言えばいいのかな?装飾の無いスイートポテトタルト??いや、でも美味そうだねえ」


「点数は・・・9点!9点!10点!!!!!高得点だー!!」


「栗きんとんみたいで美味い」


「いや、これは美味い」


「甘いんじゃもん」


「実にシンプルな感想。ひそかにガッツポーズのベスティア!!」


「満点ではなかったのが残念だ。だが、まあ、悪くは無いな」


「余裕の笑みです。これぞ女神の主婦力!中華の神様ヨンタウロンに勝るとも劣らないでしょう!!」


「いや、ちょっとびっくりするくらい美味しいね。なにこれ?思わず勃起しちゃったよ?」


「これは・・・特別な物を使っていないのに驚くべき美味さだ。栗きんとんをタルトに乗せたわけだね?」


「そうだ。シンプルに組み立てたが、コツとしては栗きんとんをなるべく緩く作る事だな。少し水っぽくと言い換えても良い。固まりすぎるとタルトとの一体感を損なう」


「甘さと触感の調節が後からできるのが素晴らしい。たとえばマロンペーストを乗せればモンブランタルトにもなっただろう?もう一工夫できる余地があると思うが」


「その通りだ・・・フッ、主婦の手抜き料理の神髄を知らないようだなレプロン」


「ほう!そんなものがあるなら後学の為に是非ともご教授願いたいね」


「一工夫でもっと美味くなる。と、夫に思わせる事だ。そうすれば、夫が残り物を美味しく手直しして私に食べさせてくれる。夫婦円満だろう?」


「・・・シャッポを脱ぐよ。君は最高の主婦だ」


「結果は28点!夜明けの神ベスティア、暫定1位です!!続いてエントリーNO.4番、冥府の双神ナイアエムネ、ネイアエスナ!」




「・・・・・・なんですが、あれ?なんですかね?でっかいダンボールが一つあるだけですが」


「・・・あれ、中に全身チョコレートコーティングして二人が待機してるんじゃないの?」


(ぎく)


「私たちを食べて、かね。ふむ、いかにもやりそうなネタではあるな」


(ぎくぎく)


「きっとラッピングするカラーリボンで乳首とか隠してるんだよ。よくある2次元イラストでしょ」


(ぎくぎくぎく)


「えーっと、どうしましょう?」


「出オチだから無視しようか」


(え、ちょ、まって!!)


(ネイアちゃん?)


(ちちち違うのおねえちゃん!!これ、中から開かないから待って!待って!!)


(お姉ちゃん、言ったわよね?)


(待って!!お願い助けて誰か!!なんでもするからー!!!)




「エントリーNO.5番、法と契約の神マリーシャイ・・・ではなく、夜と嵐の神サンダラプタ!!」


「これ・・なに?」


「ふむ?アラヴィスムは食べた事が無かったか」


「いや、どうみてもこれはアレだと思うんですが・・・なるほど、高得点が期待できそうです!!点数は・・・・・・8点!8点!9点!!やはり高得点!!!!」


「かき氷の上にゼリー、その上にソフトクリーム。これは見事なハロハロだと言える」


「いや驚きました、自家製のハロハロ!!!これは凄い!!」


「ハロハロって言うんだ。美味しいねえ」


「審査員の皆さんもかなり満足げな表情ですが・・・ソンドバルンドルグララオさん!どうですか?」


「お代わりをくれ」


「ワシも!ワシも!・・・なあ、ソンや、のっかってみたけどワシうつってる?」


「大丈夫です!安心してくださいオルトヴァさん!!!・・・えー、サンダラプタさん。どうですか?ちょっと作るの大変だったんじゃないですか?」


「ぜりー。難しくない。かき氷も簡単」


「余裕の表情!本編で見られる事もあるんでしょうか!?得点は25点と残念ながら1位こそ逃しましたが好評価です!!さて、最後はエントリーNO.6番、戦の神ヴェラーラ!」




「これは・・・いわゆるパウンドケーキみたいな形状のシンプルなチョコレートケーキと・・・春巻き?です!!!点数は・・・・・・10点!10点!10点!!!!!!!!まさかの満点!!!」


「・・・なにこれ。美味い」


「なぜだ。なぜここまで美味い!?ヴェラーラ!君は何をしたんだ!?」


「ホットケーキミックスを適当に。生クリームはホットケーキミックスの倍。チョコレートはホットケーキミックスの三倍入れた。卵は一個、砂糖も適当だ」


「そんなやり方でこんな美味い物を作れるはずがない!!」


「?チョコレートなんてそのままでも十分美味いだろう?」


「・・・なに?」


「素材の良さとか言うなら、チョコレートだって素材だろう。美味いチョコレートを美味いまま食べてなぜいけない?粉だって小麦粉をそのまま食べるよりホットケーキミックスを焼いて食べた方が美味いだろう?だから俺は使った」


「いやしかし、お菓子作りはデリケートな代物だ。分量が違えば食べられたものじゃなくなるだろう。その割合を考えるのは・・・」


「ホットケーキミックスとチョコレートをどうやったら食べられなく出来るんだ?」


「・・・いや、確かに、メレンゲを自作するでもなく生地を焼くでもなく、そもそも材料の下ごしらえと言う部分をすべてカットしている以上失敗は限りなく低いが・・・」


「気に入らないならバニラアイスでも乗せて食え。美味いぞ」


「・・・・・・・!!!!!」


「あー、レプロン、納得いかないのはわかるけど、これ、こっちの春巻きもヤバイよ。なにこれ。どっかで売ってたりしないの?」


「審査員席でも大好評の春巻きチョコ!!私も頂きましたがこれは美味い!!」


「ありがたいな。これなら嫁に見つからずこっそり食べられる」


「売れるぞ、これ」


「だって甘いんじゃもん」


「・・・一つ、頂こう・・・・・・・・・!!!・・・まさか、市販のチョコを春巻きの皮で包んだだけの物がここまで美味いとは・・・・・・ヴェラーラ!」


「剣術はどこまで技を練ったところで、斬撃の種類には限りがあるだろ?槍でも斧でも、刃物をつけた武器なら根本的な思想は一緒で、剣線も一緒で、あとは扱う武器でどう変化がつくかだからな」


「えーっと、直訳すると、チョコレートはチョコレートとして美味いから、後は触感の変化の問題?っていいたいのかな??パフやウェハース、モナカでチョコを補強してあげるのと同様に、パリっとした春巻きの皮で今回は補強したって意味だよね、きっと」


「なんだか珍しく仕事をした感じのアラヴィスムさん、解説ありがとうございます!!!!!!」


「・・・この厚みのあるチョコの歯ごたえ。サクっと、パリっとした、オーブンで焼かれた春巻きの皮の触感・・・確かに、これは、美味い」


「満場一致を持って!バレンタイン企画、チキチキグランディスタNO.1女神決定戦!優勝は戦の神ヴェラーラとなりました!!!!!!!!!!!」







割れんばかりの拍手と客席からの大歓声の中、彼女は静かに口を開く。


「・・・楽しそうですね。みなさん」


ほんの一言。その一言に籠められた膨大な魔力が一瞬で会場を埋め尽くす。

無数の神々が戦意を喪失して小さな悲鳴を上げ、レプロンは諦めたように天を仰ぎ、アラヴィスムは一人で逃げようとしてベスティアに襟首を掴まれた。


獣神ソンドバルンドルグララオの頬を一筋の汗がつたう。

最大級の危険を感じながら、逃げる事も、戦う事もできず、根が生えたように動かない足の震えを抑えながら目線だけでヴェラーラに問う。


戦えるかと。抗う事ができるのかと。

解答は明白な物だった。ヴェラーラは首を小さく横に振る。

なるほど、戦の神は、もう戦にすらならないとわかっているのだ。

どこにいるのかさえわからない言葉の主が、すでに全員の生殺与奪権を握っている。


「レプロン」

「ハイ、マム」


彼女の言葉に螺旋なす時の神レプロンが背を正す。


「わたくしには誘いがありませんでした」


どぐしゃ!!と大きな音がして、実食席の横におかれたダンボールの上に法と契約の神マリーシャイが落ちてくる。ぼろ布のようになった彼女の手からヒラヒラと舞ったのは「バレンタイン企画、チキチキグランディスタNO.1女神決定戦!募集要項」と書かれた紙だ。


「企画そのものは昨年から検討されていたものであり、クリスマスなど妥当なタイミングもあったのだが主に作者の怠慢で・・・」

「レプロン」

「ハイ、マム」

「わたくしには、誘いが、ありませんでした」


照明で作られたはずの明かりが少しずつ、だが確実に暗くなっていく。

方向も時間も、記憶さえ失っていくような薄暗闇に溶けていく感覚の中で、レプロンが血を吐くように言った。


「私は、すべての女神に届くように手紙を出しました」

「・・・すべての?」

「ハイ、マム。本編に出ていない、名前さえ登場していない設定のみの女神も含めてすべて、です」


完全な暗黒に呑まれた世界が螺旋のように巻き戻る。

宵闇の世界に、神々と、影を深くさした彼女のシルエットが浮かぶ。


「そうですか・・・・・・アナタ」


返事は無い。だが全員が一人の老神の姿を目で追った。

十人からの視線を浴びながら、その老神は、か細い声で言う。


「・・・わしはいないと言うてくれ」

「「「「「「「「「「それはムリ」」」」」」」」」」


「どういうことですか」

「いや・・・見せた気が、したんだがなあ。気のせいだったか?いや、すまんな」

「なぜ、わたくしに黙って、こんなことを?」

「隠すつもりは無かった!・・・少し、ほんの少しだけ、甘い物を食べたくてな」

「・・・先日も、血糖値が高いと言われたばかりでしょう?甘い物も控えるように言いましたよね」

「いやでもな。三度三度漬物だけというのも・・・」

「言いましたよね」

「・・・ハイ」

「いいですか、だいたいあなたは主神として自分が敬われて当然だと考えている事をまず改めなさい。そんなことだから星神様に叱責されて杖を失う事になるんです。稀人に関してもそうです。あれだけ無理を行ってこちらに来てもらった稀人に対して、主神であるあなたが星3の加護しか与えないなど言語道断。直前に知ってアンカネブラにお願いしたから良いものの、彼女の加護がもし低級であったなら稀人はダンブランで死んでいたのですよ。なのになんですか、世界を救った稀人に対して褒美を授けるだなんて。授ける?授けられる立場だと思っているのでしょう?本来であれば伏して礼を申し上げ、こちらが願いを叶えさせていただくのです。神々の長であり大神として誰かを下に見る事が・・・」


「誰か、助けてくれ」

「聞いてますか!!!」

「ハイ!」


「マム」

「・・・なんですか、ヴェラーラ」

「すまないが夫婦喧嘩は家でやってくれないか。俺たちだけならともかく、ここには特別な奴もいるからな」


そこで初めて、彼女は実況神カワバルに気付く。

陰を纏ってなお美しい月の女神ピサンティエは微笑んで言った。


「異世界の方、失礼いたしました。こちらでの用は、まだ、おありですか?」

「・・・いえ、すべてつつがなく終わったと思います。表彰等は私がいなくても大丈夫でしょうから、よろしければここでお先に失礼させて頂きたいのですが」


裏切り者!と言いたいような目線がカワバルに刺さるが命あっての物種である。


「許可します」

「それでは、お先に失礼します・・・・・・みなさま!、ご縁があれば第二回企画SSでお会いしましょう!!!!」


作者が苦しむような問題発言を残して他次元界に消えて行ったカワバルを見送り、ピサンティエは小さなため息を吐いた。


「・・・その、マム」

「アンカネブラ。あなたは何位だったのです」

「・・・・・・4位です」

「あなたが?・・・ちゃんとした料理勝負だったのですね?」

「はい」

「・・・アラヴィスム」

「ハイマム」

「ハレンチな要素を審査していないでしょうね」

「僕としては水着審査とかやりたかったけどね!今回はバレンタインSSだから全然ないよ!!!」

「・・・わかりました。今回は不問にします。次回は最初から、わたくしにも通達なさい」


「じゃから・・・!言ったではないか・・・!!!」


ダンボールの上で意識を取り戻したマリーシャイがジタバタと手足を動かして言う。


「要綱だって見せたじゃろ?ほれみぃ!言った通りじゃろうが。これではシバかれ損ではないか!納得いかぬ、納得いかぬー!!」


ジタバタ、ジタバタと動くロリババアの体重に負けたのか、そもそも最初の落下で損傷を受けていたのか、滑り落ちるようにマリーシャイの身体が大きなダンボールに沈み、ベリベリと破れた空間から全身にチョコレートコーティングをしたナイアネイアが顔を出す。予想通りリボンで大事なところだけを隠した状態だ。


「・・・あは」

「あらあら」

「おねえちゃん!やるよ!!!」

「はいはい」


「「キュアラモードデコレーション!」」

「リビドーと」

「パッションを」

「「レッツ・ラ・まぜまぜ!」」

「「キュアベリー!できあが・・・」」



「ダメだああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!SSだってアウトなもんはアウトオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」


「ちょ、カワバル帰ったんじゃ・・・」


「帰りたかったよ!?こんな雰囲気の中で平然とできるタイプじゃないですから全力で帰りたかったよ。でもさ、こんだけ神々が雁首揃えてるのにどう考えてもボケばっかりで突っ込みがいないんだよね!?こんなの突っ込み入れないわけにはいかないじゃないか!!!!!!!!!!」



メキリ。と、ピサンティエが手を置くキッチン台が絶命寸前の音を響かせる。


「アラヴィスム」

「待って待って待って!!企画の問題じゃないからね?あの二人はアレが平常運転だからさ、僕が何か要求したわけじゃなく自分たちで率先してやってるんだからね!!!」

「ナイアネイア」

「そこの性欲の神がやれっていうんですー。ふええーん」

「あらあら」

「即答で僕を売った!?」

「アラヴィスム」

「いやそのほら・・・審査員長が!!!その、審査員長が、お気に召すかなぁ、なんて、ね?はは」


じとり、とした無数の視線が再び老神に向けられた。

完膚なきまでの冤罪である。だが老神は冤罪を跳ね除けられるだけの人望が既になく、逆に余罪がポロポロとこぼれてくるような実績にならことかかない。


「・・・あ・な・た」

「あyぼやpjふぉpまたおhふぁj;prなぎごうあhぼあお」





この日、月の女神が老神に何をしたのか。神ならぬ人々が知る事は永遠にないだろう。

だが、これより少しの間、あのゲスビスム・・・もといアラゲスム・・・もとい、ゲスでさえ、セクハラい言動を取りそうになると、青い顔になって口を閉ざしたと言う。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「・・・むにゃ。あはは、おいしいねえ。まれびとも食べる?ぐふ・・・むにゃぁ」

「ねえフェイ。精霊ってよだれ垂らして寝るもんなの?」

「俺が知るかよ!・・・・・・なあダチ公、何か感じねえか」

「・・・何も感じないけど」

「そうか・・・なんか、やべー女がいる時みたいな気配がしやがる」

「それ、加護?」

「んなわけねーだろ!?」

「だよねー」


≪続かない≫

ようやくピサンティエ様を出せました!!(土下座)


まさかの15000文字突破SSとか作者の正気を自分でも疑いますが、でも後悔はしてません!

今後も「稀人きたりて風が吹く」を宜しくお願いいたします~。

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