よろしく頼むぜ、ダチ公!!
ドミとは、そりゃあ楽しく有意義な一日を過ごした。
・・・・・・いやあ、うん。良かった。なんていうんですかね?これが若さってやつですか?あー高校生から20代前半ってこんな感じだったなあと懐かしく思うくらいでした。まる。
ダンブランデートの結果も上々で、ダンブランに祀られている7大神のうち、麦の神アラヴィスム、鍛冶の神オルトヴァ、いばらの賢神カムナエナの三柱は★が増えて加護の力が増した。
太陽の神ドドラガリ、月の女神ピサンティエ、商いと旅人の神アンカネブラ、戦の神ヴェラーラの加護は変わらずだが特に問題は感じない。あ、いや、戦の神ヴェラーラに関しては実は★1でもなく加護がない状態なので不思議な感じはあるのだけれど。
翌日
冒険者ギルドは魔神討伐と言う言葉を前面に押し出して矢継ぎ早に指示をだしていた。
いままで見ていた連中とは明らかに雰囲気が違う・・・おそらくA級とかS級とか雲の上みたいな高ランカー達が受け付けの周りで情報を集めたりパーティを組んでギルドに申請していたりするのだろう。
俺はFランクだったので残念ながらしばらくは森に入る事はできない。
城門の出入りから厳しくチェックされるようだから本当にシティアドベンチャー専用冒険者に転職させられてしまったようだ。魔神討伐隊に加われとか言われるよりも安全だろうから文句は無いですけどね!!!!むしろありがたい。センキュー平和。
「・・・で、さ。なんでフェイが俺と一緒にくるわけ?」
「おう、ギルド長がお前の近くにいろってさ。なんか疑われてるみたいだぜ、オマエ」
朝から俺の宿屋まで会いに来たフェイに連れられて冒険者ギルドに向かったわけだが、なんというか、この発言の真意はどう受け取ったら良いんだろうか。
ドミはまだ寝てるかな?一緒に寝ていたかったなぁ。ふぅ。
と、7秒ほど現実逃避してからフェイに聞く。
「疑うっていろんな意味にとれるけど、ぶっちゃけどんな意味で?」
「わっかんねー。オヤジにしか見えてないもんがあるみたいで聞いても教えてくれねーんだ。ありがちなのは人間に化けてる魔神だとか他国の間者って線だろうけど、そんなはずねーしな」
「・・・・・・人間に化ける魔神とかいるんだ・・・・・・って、そういう疑い持ってますって俺に言ったらダメじゃないか!?」
「問題ねえよ。だってセルシス魔神でもなきゃ他国の間者でもねーもん」
けろっとした顔でフェイが言う。
「いや、あの、フェイ?もう少し疑ってかかった方が良いと思うよ?俺だったら相当疑うよ?自分で言うのもなんだけど怪しいだろ?」
「万が一オマエが魔神だったとしたら、飲み屋で一緒に酒飲んでゲームできて、おまけに獣人助けるために身体張れる魔神なんだろ?その辺の貴族なんかよりよっぽど友達になりてえわ。他国の間者なんて線はもっとないぜ。それならもっと上手く設定作るし、もっとうまく誤魔化す。少なくとも魔宮の森で俺たち三人を見殺しにして一人で帰るのは確定だね。隠したいはずの加護をあんな風に使ってまで助ける奴を悪者って言うなら、そいつを指差して悪者呼ばわりしてる連中の方がずっと悪者さ」
ここまで一気に言うと、フェイはガシっと俺に肩を組んできた。
「オヤジがなんて言ってもな、俺たち三人はオマエに恩を感じてんだよ!だからしばらく、俺にオマエの仕事を手伝わせろっての!!」
「・・・・・・・・・・・・フェイ」
「オマエが何を隠してるのか教えてくれないのは残念だけどな。ハハ!よろしく頼むぜ、ダチ公!!」
「・・・おう、よろしく」
それは、グランディスタで初めて友人ができた瞬間だったのかもしれない。
そんなフェイと二人で、今日は一日シティアドベンチャーだ!!
シティアドベンチャーだ!なんて言っても実際の所ダンブランの街中は平和そのものだ。
盗まれたドラゴンの卵を取り返せとか、人間に紛れて生活しているラミアを探せとか、対立組織間での抗争をどうのとか奴隷市場に他国の王女がとか、そういうありそうなイベントはまったくない。
ハーレム展開あっても良いのよ?
・・・いいのよ?
魔神討伐で人が溢れた冒険者ギルド近辺では武器や薬、携帯食糧などの消耗品全般が大量に必要になるため午前中はギルド職員に混じって運送のお手伝い。
商人ギルド通りにある武器屋や道具屋から始まって、橋を渡って少し治安が悪くなった薄闇通りの先にある鍛冶屋あたりまで荷車引いて行ったり来たり。
面白い事に現金は扱わなかった。
まあ買い物の手伝いだって言っても現金渡して何かあったら大変だもんな。
冒険者ギルドで丸めた羊皮紙(封蝋にギルド印が押されたもの)を持って店まで行き、店主開封の上で記載された商品を受け取って帰るだけ。月極かなんかでお金はやり取りしてるんだろう。多分。
矢や薬みたいな「ちょろまかせる」商品の運送は基本的にギルド職員がやるらしいんだけど、今回は受付仕事が大忙しで手の空いている職員が不足&急ぎで大量に必要なので、フェイがいるならまあ良いかと俺の仕事になったらしい。F級の指名依頼と言うやつだ。
B級様からしたら遊びみたいな仕事だよな!と言ったら「好きでB級になったわけじゃねえし!だいたい戦闘力で言えばお前だってB級くらいはあるだろ!?」とフェイに返された。もちろんスルーである。
そんな感じで仕事をこなしつつ、昼前にちょっと気になったギルドの素材買い取りカウンターを見てみた。
下級の冒険者が森に入らないから薬草なんかの素材がかなり減るんじゃないかと思っていたらギルドは買い取り価格を上げる事で対応していたようだ。これ幸いと先日持って帰って売らなかった薬草を売却しておく。
大半が通常の倍額くらいで売れたのでウハウハである。
売りさばいたものの中に高額で取り扱われるレアな実もあったので結構なお金になった。ぼろ儲けや!
「よぉっし!今日の昼飯はセルシスの奢りな!!」
「F級にたかるB級とかどーなんよ・・・」
「B級に奢るF級とかフトコロが広くて良いじゃねーか、出世するぜ?」
まあ、おれ、昔々ですが声優として大先輩の飲み代を奢った事ありますけどね。
そんときは後輩一同で、でしたけど。
「良いけどドミの店ね」
「よっしゃ!さっすがダチ公!!!」
いつもありがとうございます。おかげさまで3月は毎日更新していくことができました。明日も更新しますのでよろしくお願いいたします。




