3 女性
「……であるから、イントロンの部分が切断されて捨てられるのです」
わたしは目の前の男性を横目に窓の外を眺めた。そこは広場になっていて、たくさんの人が行き来をしていて、またいくつものグループが楽しそうにおしゃべりをしていた。ベンチに腰を掛けている女性達もいれば、地面にあぐらをかいてタバコをふかしながら楽しそうに談笑している男性もいる。
気づいたら、わたしはあるグループを見ていた。男女三人ずついて、みんな緑の服を着ている。一人の男性が旗を、二人の女性が何やら箱を持って、道行く人々に頭を下げていた。ほとんどの通行人が彼女らにわき目も振らなかったが、たまに足を留める人もいた。手の空いている緑の服を着た人がすかさず彼らのもとへ行く。そして箱の前に誘導していって、何かを入れさせているようだった。その様子を何度も何度も目で追っていた。
何をやっているのか気になったが、遠くからなのでよくわからない。男性が持っている旗には何か文字が書かれているが、それを判別することはできなかった。
ずっと同じものを見ていたからか、また頭が重くなってきた。私は窓の外を見るのを止め、目をつむった。