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油っぽいオッサンは世界最強!?〜揚げ物は異世界を支配できるって知ってました?  作者: 春風邪 日陰
第二章 縦巻きロールなヒロインは薔薇と揚げ物がよく似合う
20/81

20、捜索開始!

閲覧感謝です!


「思った以上に早く着きましたわね。やっぱり私って天才!って、どうしたんですの?」


「どうしたって分かるだろ。お前こそ良く平気な顔してられるな……オエッ…」


 乗り物酔いのような症状に見舞われ真っ青な顔をしているユウジロウ。

 突風の中はまるで洗濯機。洗われる衣服のようにクルクルと永遠とも言える長い時間回り続けていた気がする。


「こんな事でへこたれてちゃ冒険者の仕事は務まりませんわよ」


「そんなこと言われたってな…オエェッ……」


「この程度でだらしないですわね〜鍛え方が足りないんじゃなくって?」


「…こう見えても俺はまだ、駆け出しの初心者なんだ。無理言うなよ……」


「そうでしたわね。てっきり忘れてましたわ」


「……もういい。さっさと村の中に入ろう」


「大丈夫ですの?どう見ても助けに行く側の顔じゃないですけど」


「誰のせいでこうなったと思ってんだ。…でも賭けには勝った。生きて村にまで来れたんだからな」


 よくもまぁ怪我が無かったもんだ。吐き気だけで済んだだけでも褒めて欲しいもんだね。


「ならば行きましょう。ここで休んでたらせっかくの勝ちが無意味になってしまいますわ」


「ああ、そうしよう。オエッ…」


 顔色が戻る間も惜しみながら俺達は村の中に足を進めた。


「しかし思った以上に静かですわね…私はてっきり村を制圧したゴブリン達が宴でもあげてると思ってたのですけど……」


「もしかしてもうここから移動したんじゃ?」


「…いや、それはありませんわ」


「どうしてだ?」


「アレを」


「……うわ……」


 ローゼスが指を刺した方向には散々甚振られた後に殺されたと思われる女性の死体が放置されていた。


「下衆な奴らですわね……」


 初めて死体を見た。自分の周りの誰かが死ぬ事はあっても死体を直接見たのは初めてだ。

 それもこんな殺され方……。


「もしかして初めて?」 


「まぁな。大丈夫、覚悟はしてた……」


「そうじゃなきゃ困りますわ」


「分かってるよ。でもなんでこの人を見て移動してないと思ったんだ?」


「まだ腐敗が進んでいない、きっと最近のものでしょう。それならまだ近くにいるかもしれませんわ」


「なるほどな」


「殺され方から見て恐らくこの人は見せしめに殺された可能性が高いですわ」


 こうなりたくなかったら抵抗するなってことか。最低だけど理に適ってる。余計な力を使わずに従わせる事が出来るんだから。


「ゴブリンって結構頭がいいんだな…」


「初心者はよく勘違いするのよね。ゴブリンだからって侮って返り討ちにあう。よくある話よ」


「肝に銘じておくよ」


「ゴブリンは基本的に群れで動きますわ。きっとこの村のどこかに根城がある筈」


「そこさえ見つかれば一緒に人質も見つかるってことか」


「ええ。まずは手分けして捜索しましょう。何か見つけても必ず私を呼んでからにすること。いいですわね?」


「分かった」


 ◇◇◇◇◇◇


 俺達はゴブリン達の手掛かりを探すべく村の捜索を始めた。

 しかし、村にしては思ったより広いな。ここから手掛かりを探すのは結構骨が折れそうだ。

 念の為今の内にスキルの整理でもしておくか。さっきのクマを倒したことで何か変化があるかも。


 〈ステータス〉


 心の中でそう念じステータスを表示させる。


 ダメだ。レベルも何も変わってない……他に変化は、


「お?……このマークはなんだ?」


 〔スキル【オイルマスター】⭐︎〕


 スキルの所に星マークが増えてる。どういう意味だ?


 〈【オイルマスター】の熟練度が一定値を超えた事により、使用できる油の種類が増えました〉


「油の種類が増えただと!?」


 …これは嬉しいことなのか?まぁ、油の種類が増えれば料理の幅は広がるけど、今欲しいのは対ゴブリン用の力なんだけどな…。

 だけど嘆いても仕方ない。新しく使えるようになった油の種類は、ごま油か。


 〈油の種類を宣言、もしくは念じることでいつでも変更が可能です〉


 物は試しだ。結果は見えてるけどとにかく一度出してみよう。


「オイルチェンジ、ごま油!」


 自分で言っといて恥ずかしい…。異世界での生活に慣れてきたのか時々自分の歳を忘れてはしゃいでしまう自分がいる。俺もまだ男の子か。


 〈ごま油に変更されました〉


「まずは一発!」


 心なしか少し腕に力が入る。すると今まで同様手からごま油が勢いよく噴射された。


「うん、ごま油だな」


 綺麗な黄金色。そしてごま油独特の香ばしいこの香り。不思議だよな、数ある油の中でもごま油は香りだけで腹が空く。


 しかし、それ以上でもそれ以下でもない普通のごま油だ。


「分かってはいたけどもうちょっとどうにからないもんかな」


 意味もない愚痴を溢したその時だった。付近から何かが動くような鈍い物音が聞こえたのだ。

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