21、地下室の罠
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「あっちか」
物音を手掛かりに足を進め、やがて辿り着いたのは古びた教会だった。
建物は痛み、そこら中に草が生えまくっている。
「もしかしてここか?」
だとすると教会にゴブリンが住み着くだなんてなんとも気味が悪い。
「…行ってみるしかないか」
近くにローゼスの気配は無い。でもここが怪しいのは間違いない。ローゼスに伝える前に確かめられる事は確かめてみよう。
「真正面からはまた後だ。よし、あそこの窓からなら中が覗けそうだ」
細心の注意を払いながら足音をたてないように窓付近へと近づくと、コッソリと中を覗き込む。
「ダメだ…誰もいない」
人の気配どころかゴブリンの姿すら見当たらない。
「俺の気のせいか…お?」
中をよく見ると床に轢かれていたカーペットが少しだけ捲れている。
人の気配も無い全く使われていない筈の教会でそれはちょっとおかしい。
「駄目で元々。調べてみるだけ調べてみるか」
今度は真正面の扉から堂々と中に入って行く。中はやっぱり埃っぽいけど思ったよりじゃない。長年手付かずで放置されてたってよりは全く掃除してないって感じだ。
「!コレは…」
目の前にはとても埃が被った椅子がある。だけどその隣にある椅子だけは埃に跡がついているではないか。
「誰かが不意にこの椅子に触れたってことだ」
つまり最近までここに誰がいたって事になる。点と線が繋がっていくこの感じ気分はまるで刑事だな。
「だったらあのカーペットの下にはきっと、」
勢いよくカーペットを捲るとその下には地下へと続くであろう隠し扉が見つかった。
「ビンゴ!!今日の俺は冴えてる!」
きっとこの下に攫われた人達がいる筈だ。それなら善は急げだ、行くしかないよな。
調子に乗った俺はローゼスに伝える事すら忘れて地下へと足を踏み入れていった。
「しかし暗いな…」
でも全く見えないってわけじゃない。それでもこの先全く明かりがないまま前へと進むのは些か心許ない。
ならば文明の利器に頼るまでだ。
「どこだ〜?変わってなければ確かここら辺にしまってあったと思ったんだけど」
朧げな記憶と直感を頼りに手探りでバックの中を漁っていく。
「ライターもタバコもあったんだ。きっとアレだって…」
なんとかそれらしき物を見つけてバッグから取り出す。
「これぞ現代人には欠かせない必需品スマホ。これさえあれば大抵の事は乗り切れるもんだ」
早速スマホのライト機能をオンにして辺りを照らす。
「明るいってやっぱりいいね、これで前へ進める」
しかし、暫く使っていなかったせいかバッテリーは残り僅か。急がなければ、これで暗くなったら意味がない。
「……それにしてもなんで教会に地下室なんかがあるんだ?」
カーペットによって隠されていた隠し扉。もしかしてそれを知っていた村の人達がここに逃げ込んだのか?
ガタンッ!
「!」
俺はすぐに物音が聞こえた方向にライトを向ける。その先には蹲り怯えている少女がいる。
「おじさん、だれ?……」
この子の顔、あの子に目元がよく似ている。
「…もしかしてランカさんの妹さん?」
「おじさん、おねえちゃんをしってるの?」
「ああ。そのお姉ちゃんに頼まれてここに来たんだ。君達を助けにな」
「おねえちゃんはぶじなの!?」
「無事だよ。君の事をずっと心配していた。早く会って安心させてあげないとね」
「うん」
ここにいたのはランカの妹、インカだけじゃなかった。ゴブリンに攫われたと思われていた少女や女性達も一緒だった。
どうやら俺の予想通りゴブリン達から逃げ出してここに避難していたみたいだな。
「皆さんも早く行きましょう。外には仲間もいます。逃げるなら今しかない」
……。
おかしい。
なんでみんな動こうとしないんだ。俺の事を怪しんでいるのか?…いや、そうじゃない。
よく見ると全員何かに怯えているようにも見える。体を小刻みに震わせて、何故か俺から目を背ける。
「後ろ?…」
ライトを背後に向けると目の前には緑色の体をした小柄な子供が数人立っていた。
「なっ!」
一瞬だった。スマホのバッテリーが切れてライトも切れると再び辺りは暗闇に包まれる。それと同時に何かで打たれたような衝撃が俺を襲った。
「ぐあっ!……」
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