フィンの夢
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建国祭も順調に進み、残りは一部。
その全てに顔を出すフィンは少し疲れ気味ではあったが、あと少しだと自身を奮い立たせる。
「もう一踏ん張りですね」
「そーだな」
わずかな休憩時間の間にレンはフィンの身だしなみを整える。
わずかにだらけるフィンに苦笑しながらも、レンはフィンのやる気に自分も気合いを入れ直す。
「俺は一度抜けますけど、先輩がいるので大丈夫ですよね?」
「ああ。お前そこ俺がいなくても大丈夫か?」
使用人たち同士の集まりもあるので、そちらに行くために一度フィンから離れるとレンが伝え、朝の仕返しとばかりにフィンが返す。
「そうですね。フィン様がいなくてもそこそこ出来るってことを証明してみせますよ!」
「妙に後ろ向きなのはなんなんだよ」
1人でも完璧にやってみせると言えれば格好いいのだがレンの性格上そうもいかず、フィンは呆れた返しをするがそれも事実なので仕方がない。
主従というよりかは気のおけない友人、もしくは兄弟といった感じだ。
「心配しなくても知り合いも参加してるみたいなんで平気ですよ。ソウイチ君とか」
「そうか」
「はい。それじゃ、行ってきますね」
見知った顔がいるから大丈夫だとレンはフィンに言って安心させると、使用人たちの集まりへとレンは向かった。
残されたフィンは一度大きく伸びをして緊張をほぐすと会場に向かった。
会場は立食形式ではあるが、会場のあちこちには椅子と机が置かれており休めるようになっている。
年配者のいるのでその辺の配慮は欠かせない。レンも強く押していた。
招待客と挨拶を交わしながら会場を回っているとローザの父とフィンは出会った。
「ローゼン侯爵。ご協力ありがとうございました。おかげで無事に成功となりそうです」
「そうですか。フィン王子のお力になれたのなら光栄です」
ローザの国の招待客の相談をしていたのでフィンはそのことについて礼を伝える。
それが終わるとローザの父は、あまりこの場で話すことではないと思いつつもフィンに問いかけた。
「フィン王子、ローザのことをどうお考えですか?」
あんなことがあったのだから、しばらくは結婚をしなくてもいいとは思っていても、行き遅れにさせたくもない。
父親としてはハッキリとしておきたいこともある。
「この国に新しい風を吹かせてくれるのではと思っています」
フィンは真剣な眼差しでそれを伝えると、自分の目指すこの国のあり方を口にした。
それは、ちょっとだけ変わっている言われるこの国を疲れた人たちの息抜きの場所にしたいというものだった。
ローザを呼んだのも悪い言い方をすれば実験のためで、もちろん、ローザならこの国でもやっていけるだろうという思いもあったからだ。
口には出さないがきっとローザの父は気がついただろう。
それからフィンは自身の従者を頭に浮かべて言った。
「それがこの国のあり方としていいのではないかと考えています」
自分に出来ることを――臆病なクセして最近は楽観的に見せる従者を見てフィンが行き着いた答えである。
「そうか。真面目に答えてくれてありがとう」
「いえ、彼女を大切に思う人たちに嘘をつくわけにはいきませんから」
ローザの父の問いに答えたフィンはローザを招いたことで嬉しい誤算があったと伝える。
それはシエルとメーアが今までと比べて勉強を進んでやるようになったことだ。
そのことでフィンも礼を伝え、それぞれの社交を済ませ、建国祭も無事に終わるのだった。




