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実家からの手紙

 押しかけてきたメーアと過ごしていると、そこにレンがやってくる。


「メーア様も一緒でしたか」

「そうよ。ローザ様といると楽しいんだもん」


 メーアがいると予測していたレンは、特に驚きもせず、むしろメーアがいることに安堵すらする。


 そうなっていると予想されて、お使いを頼まれていたのだ。


 メーアを連れ戻しにきたレンは、穏やかに決してそれをメーアに感じさせずに、ローザに話しかける。


「こちら、ローゼン侯爵様からの手紙です。荷物も届いておりますが、大きいものですので、後ほど運ばれると思います」

「お父様から?ありがとう」


 嬉しそうに手紙を受け取ったローザは、封を開けると、その字に懐かしさを感じていた。


「それから、メーア様は授業にお戻りくださいね。先生がずっと待ってますから」


 レンは逃げようとするメーアの首根っこを捕まえて、ズルズルと引きずるようにして連れて行く。


「お勉強、頑張って」

「ローザ様のようになるには努力も必要ですよ。メーア様」


 ローザの応援にわずかだけ反応したメーアに、レンは忍耐も必要とたしなめて去って行った。


 2人を見送ってから、ローザは手紙を読み始める。


 どうやら、父の名前が書いてあるが中身はほとんど母が書いたようだ。


 手紙をめくっていくと、兄リアム、妹のリッタからの手紙もあり、嬉しくなる。


「マシュー、あなた宛に家族からよ。エリシャ、あなたにはお母様から」

「ありがとうございます」

「奥様からですか」


 それぞれが手紙を読む。


 父からは慣れない土地で苦労していると思うが頑張りなさいとそれといつ帰ってきてもいいと、母からは体調を崩していないかと心配する内容と今のドットーレ王国について書かれている。


 兄のリアムは母と似たような内容だが、アルバート王子が近々アルレッキーノ王国に行くので一緒に行くと書いてある。


 妹のリッタはローザと離れて寂しくてたまらないと伝わってくるが、それと同時にクロードとフィンに対しての怒りをひしひしと感じる。

 随分と寂しい思いをさせてしまっているようだ。


 家族からの手紙はただただ嬉しい。


 ローザは自分の手紙を読み終えるとエリシャとマシューの様子を見る。


 2人ともすでに読み終わっているがそれぞれ反応が違う。


 エリシャは全く奥様はと言いながら、おかしそうに笑っていて、マシューは家族の手紙だというのに呆れた顔をしている。


「みんな元気そうで良かったわ」

「そうですね、ローザ様」

「妻たちもローザ様を心配しているようです」


 どうやらマシューの手紙は、マシューを気遣う内容よりもローザを心配している内容だったようで、ローザに病気や怪我をさせないようにと書かれていたらしい。


 もちろんマシューもそのつもりではあるが、家族への心配がほとんどないはわずかに寂しさがある。


「行き違いになってしまったわね」


 手紙をたたみながらローザが言う。


 ローザはローザで旅行から帰ってきてすぐにお土産と一緒に家族へ手紙を出していたのだ。


 おそらく向こうにも届いているからだろう。


「そうですね。やはりご家族なんですね」

「そうね」


 屈託無く笑って、次々と運び込まれる家族からの荷物を一つ一つ確認する。


 最低限の荷物しか持ってきていなかったため、ローザの私物や生活に必要そうなものが詰め込まれていた。


「もう、こんなにたくさん」

「よりお嬢様を輝かせられます」

「エリシャ、お嬢様を着せ替え人形にしないように」


 この国の技術と合わせたらよりローザの魅力を引き出せるとやる気十分のエリシャは、ローザを一日中着せ替え人形にしてしまいそうなので、マシューは注意しておく。


 故郷を懐かしく思いながら、ローザは筆を取るのだった。

ありがとうございました。



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