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おまけ 村下は尽くす男

 窓から見える景色は雨で霞んでいた。見てるだけで凍えてしまいそう。


 霞むほどの雨!

 二月の雨ってこの世で一番寒い気がします!


 今日は村下とは別行動です。


 村下がいたら私が寒くないように長めのマフラーを半分だけ自分に巻いて、残りの半分を私の肩にストールのように掛けてくれるから、私は自分のマフラーにプラス村下のマフラーで肩まで暖かい。手袋の上から手を包み込むようにした上で、コートのポケットで暖めてくれるから手も暖かい。


 こんな寒い日に別行動とは、なんたる不運。

 心の中で嘆いていたら、ラインが入りました。噂をすればってこういう時も使ってもいいのかな?


"今どこ?"


                "K駅のスタバ"


"了解"

"20分くらいで着けるから中で待ってろ"

"送ってくから動くなよ"


                  "わーい"


 パンダのありがとうスタンプを押して会話終了。


 窓の外の雨は雪に変わりました。明日は積もるかな?


 大きめの傘をさした色男発見。傘の雪を払って店内を見回す彼はもちろん村下です。何も買わずに真っ直ぐ私の元へ。


「これ早く帰らないとヤバイから出るぞ」

「何か飲んで暖まった方が良くない?」

「そういうのんびりした事考えてそうだから、わざわざ来たの」


 ちょっとあきれた顔で私のコートを広げてくれるので、仕方なく袖を通しました。次はマフラーをぐるぐると巻いてくれて、そのあとで私のコートのポケットから手袋を取り出して渡してくれました。割りとおかんな村下ですけど、さすがに手袋の口を開けて待つようなことはしません。そしていつものようにマフラーの半分を私の肩に掛けて、残った部分を自分の首に巻きます。

 大丈夫? 足りてる?

 覗きこむとフッと笑って私の手を取り、いつものように村下のコートのポケットに入れます。フッです。ニコリでもニコニコでもニッコリでもなくフッなのですよ。この男。


「私が寒がってるのが伝わった?」


「俺がいなくて寂しがってるオーラが届いた」


 そう言えなくもないかな?


「どこかの帰り?」


「いや、家から来たよ」


 普通のことのように言いました。そして大きめの傘を私の傘の上に被せるようにさして、ピットリくっついて歩いて帰宅しました。K駅は私の家の最寄り駅です。家まで歩く勇気を溜めるために暖かいカフェラテでまったりしてたおかげで、村下が来てくれました。ラッキー。




「あんたって子は!!」


 玄関先で母にばったり出会ったので、今日のラッキーな出来事を教えてあげたのですけど、ね。


「村下くん! 甘やかしてたらキリがないわよ!」


 村下が怒られました。そうですよね。私は呼びつけた訳じゃないですしね。



 おわり


 読了ありがとうございます。


 水嶋は女子高生アンケートから生まれたキャラです。

 初体験は高一の夏(一位)相手は合コン・ナンパで知り合った人(二位)あなたにとってセックスとは=ストレス発散(少数派)など、面白いと感じたものを詰め込んでみましたけど、リアルな女子高生として描けていたでしょうか?

 いつの日か、今、女子高生の方が読んだ時に懐かしく振り返ってくれたら嬉しいです。

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