第23話 湿地での戦闘
日が出る頃に目が覚めた。
軽く食事を済ませて宿屋の外に出る。
「ジェスはまだ来てないか……」
「ここにいるぞ」
「おお、脅かさないでよ」
急に声をかけられて体をびっくりした。
この世界の人は待ち合わせの時に後ろに立つ人がデフォルトなのか。
「じゃあ、行こうぜ」
城門にむかう。
すれ違う人が多いな。
「なんか人多くない?」
「港町だからな、朝から結構働いてる人が多いな」
なるほど、漁をするなら早起きは必須か。
こんな朝からか。
お疲れ様です!心の中で敬礼をしておこう。
城門を抜けて森の前まできた。
「思ったより冷えるな」
「ああ、朝だからな少し涼しい」
「じゃあ俺が先に行くからジェスは後衛でいい?もし見つけたらまずは俺から仕掛けるから」
「ああ、任せた」
蔦など避けつつ森の中を進む。
夜露とでもいいのか昨日より湿度は高めだ。
短期決戦が望ましいな
森に入ってから数十分。
集中力が落ちてきた。
目の前の茂みがガサゴソと音を立てた。
剣を抜いておく。
茂みが音を立てたと思ったらそこから動く物体が。
大トカゲか!
「ジェス前だ!」
オオトカゲの噛みつきを避ける。
そして、斬る──。
「痛ったっ」
トカゲの尻尾が腹に当たりよろける。
斬ることはできたが傷は浅い。
オオトカゲはそのままの勢いでジェスの方に突進をした。
「ジェス!避けて!」
ジェスが突然のことで対応できていない。
避けるが、体制を崩しかけている。
俺はそれを見てオオトカゲに全力で走った。
あと少し。
ここだっ。
「っ!」
剣を振り下ろす。体液が宙を舞う。
今度のは深い。
「ジェス!トドメだ」
転んでいたジェスは即座に起き上がり、目に向けて短剣を刺した。
大トカゲはけたたましい悲鳴をあげ数歩歩いた後に動かなくなった。
「はーっ。はーっ、やったな」
ジェスに向けて言う。
「あ、ああ。そうだな」
血が大量に出ているオオトカゲを見る。
血が赤いのがあたり一面に広がるのが見えた。
落ち着け、これはただのオオトカゲの血だ。
深呼吸をする。
「アオイ?大丈夫かかおが真っ青だぞ」
「いや、大丈夫だ……いや大丈夫じゃないから討伐の証の採取をお願いしていいか?」
「ああ、任せろよそれぐらいなら全然いいぞ」
何だろう疲れているのにかこつけて普通にお願いしちゃった。
「よし、これでいいだろう?」
ジェスが足の爪を持っている。
いや、グロい。
「爪って肉の部分はいらんでしょ?」
業務スーパーに売ってるワニの肉かよ。
「俺が持つからいいだろ」
「まぁ……任せた」
その後に剣に付着た血を落としつつ戻ってきた。
うーむ、どう考えても大トカゲの匂いがえぐい。
他人のふりしたくなるレベルでえぐい。
早く報告して渡しちゃおうか。
ギルドの受付で報告をする。
「アオイですが、依頼の確認お願いします。
こちらがオオトカゲの前足ですね」
ジェスが袋に包まれたそれを置く。
「は、はい……」
受付の人がどう見ても引いてる。
正直あの袋開けたくないよなぁ。
俺なら開けない。
「次からは爪だけでいいので」
「わかりあした」
ジェスが舐めたような回答をしている。
「こちらが報酬となります。どうなさいますか?大銀貨ですが銀貨に両替しますか?」
「はい、「いや、これでいいだろ。俺が一枚だけ貰って残りはアオイがもらってくれ」」
ジェスが遮って言う。
だが、そこは俺は譲る気はない。
「いや、断る。すいません一枚だけ銀貨にしてもらえますか?」
「はい、分かりました」
受付から両替された銀貨を受け取る。
「はい、ジェスの分」
銀貨を半分に分けてジェスに渡す。
「いいのか?おれ別にそこまで活躍出来てないのに」
「パーティなんだからいいだろ。それに困ったら助けてよ」
「そうか……悪いな」
建物を出た。
ここでの最初に依頼は達成することができたな。
遠くで鐘の鳴る音がした。




