6.公爵家は容赦しない
――なんでこんなことに……!!
王太子オリバーはノロノロと後悔と共に跪いた。
彼がこれからすべきことは、ただ一つ。
誠心誠意の謝罪だった。
恋人アイビーは王命により捕らえられ、オリバーはその日のうちに退寮し、王宮の自室で謹慎を命じられた。
まだ学校に籍は残されているが、今後どうなるかは解らない。
不思議なことに、あれほど恋い焦がれた相手だというのに、一度離れてしまえばアイビーには何の感情も沸かなかった。
むしろ異性にだらしなく学も教養もない、見た目だけの少女だった。なぜあれほどのめりこんだのか。とんと解らない。
その変わり身の早さに周囲から無責任と罵られようが、気持ちがスンと冷えてしまったのだ。
とりまきたちも同様だ。あれほアイビーを巡って醜態を晒しておきながら、憑き物が落ちたように冷静さを取り戻し、口にするのは後悔の言葉だけだと話に聞いた。
だが、後悔しようとも、もう遅く。
ある者は出家し。
ある者は領地へ。
ある者は廃嫡され平民に。
ある者は爵位の低い遠縁に養子に出されたという。
もう、二度と顔を見ることはないだろう。
そして、とうとうオリバーの番がやって来てしまった。
久々の親子の対面は、謁見の間ではなく喫煙室だった。もちろん単なる休憩室ではなく、煙草を口実に様々な情報収集や裏工作がなされてきた場所だ。
部屋には向かい合わせに並べられたソファーが点在し、中央の席には国王夫妻が、その回りにはすでに王家と血縁関係にある家の当主たちが座ってオリバーの到着を待っていた。
これは王族会議だ――オリバーは瞬時に悟った。
表に出せない王族の密談や懲罰を行うということは知っている。
今からここで裁かれるのか――嫌でも身体が緊張でこわばった。
王家の血を継ぐ家系の長の目が、オリバーに集中する。誰も彼も歴史ある名家を背負い、あらゆ死線を越えて今の地位を掴んだ勝者だ。その力強い眼差しに耐え、膝が震えるのを堪えるのが精一杯だ。
一通り見渡したが、ガーランド公爵の姿はなかった。関係者と見なされ、呼ばれなかったようだった。
誰も指示をしないので、オリバーはまっすぐ両親の元に向かった。
穏やかに座るように言われ、オリバーは両親の目の前のソファーに座った。
「とんでもないことをしてくれたね」
「……申し訳ありません」
国王に向かって、深く頭を下げた。
「私はおそらく魅了の術にかかっていたのです」
「魅了ね……」
「ですが、もう大丈夫です。あの女とも縁を切り、正気に戻りました」
『あの女』という言い種に王妃が表情を曇らせたが、オリバーは構わず続けた。
「謹慎がとけた暁には、正式にガーランド公爵家に謝罪に向かい、フェリシティとの関係修復に努めます」
「つまり、再度彼女との婚約を結ぶ、と? それは無理だ」
「何故ですか」
「初めからそういう約束だからだ。お前にも伝えたはずだが」
ポカンとするオリバーの耳に、笑いを堪える周囲の声が届いた。
「忘れちゃったんだよね?」
「初めから人の話をきちんと聞いていなかったんだろ?」
「自分から婚約を駄目にしておいて、何とかなると思っている……無いな」
「自分から彼女を捨てておいて、どのツラ下げてもう一度婚約を申し込むつもりなのか……」
「恥ってものを知らんのか」
「魅了にかかった? それは初耳だ。今度は確認したんだろうな?」
明らかに本人に聞こえるよう囁かれる嘲りの言葉に、オリバーは顔を真っ赤にして恥じ入った。
確かに、婚約に関する決めごとなどこれっぽっちも覚えてないし、そもそも真面目に話を聞いていなかった。婚約が決まった当初、どうせ感情の伴わない政略結婚だと馬鹿にしていたのだ。
そんな甘さが仇となり、とんでもないことをしてしまった。婚約者以外の異性と懇ろになり、改心するどころか人前で婚約者の顔に泥を塗り、勝手に婚約破棄を宣言した。王太子にあるまじき行いばかりだった。
王太子の地位さえ危ういことを、さすがにオリバーも気づいている。
何とか廃嫡は免れたい。王太子としての生き方しかできないのに、今更別の生き方など。
それには公爵家との関係修復は必須条件だ。
まだ諦めきれないオリバーだが、もちろん今さらできることはない。
国王が手を掲げると、周囲のざわめきはピタリと止んだ。
「公爵はとても娘を愛していてね。並みの条件では婚約を結んでくれなかった。私は何度も公爵と約束したんだよ。『決してフェリシティに悪いようにはしない』と。その証明に、婚約を維持できないほどの重大な瑕疵が王太子にあった場合、王室が全責任を負って婚約を解消すると取り決めてある。これは王族会議でも承認された正式な取り決めだから、こちらの都合で破ったり戻したりできない」
「あ、謝ります! 彼女に対して酷いことをしたと」
「謝れば何とかできると? 我が息子ながら浅はかだな。さっき言ったばかりじゃないか。婚約を結び直すのは不可能、と。婚約は王家と公爵家の間の契約であって、ただの約束とは違う。守れなければ信用を失い、その責任を負うのが当然だ。今回の騒動で王家は慰謝料を払わなければならない。取り決めの通り、王家は王宮とその敷地をガーランド公爵家に譲りわたす。今後、王家は公爵家と王宮の永年賃貸契約を結ぶことになる」
「そんな……」
王宮を賃借して住む王族など、この世界どこにも存在しない。他国に知られれば国の威信に関わる。
国王がその様に異常な条件を飲んだのは、ひとえにオリバーへの信頼があったからだろう。
よもや、他に恋人を作り婚約破棄を突きつけたり。
よもや、自分達を正当化するために令嬢の悪事をでっち上げたり。
よもや、悪意ある嘘の噂を流して社交界から閉め出しを謀るなどと、考えもしなかったはずだ。
「それから、これについても話してもらおうか」
と、続いて手渡された書類に、オリバーは目玉が飛び出るほど驚いた。
「なんで、これが……」
「王太子だろうと、官僚の口をふさぐことはできない。まして、探ったのがガーランド公爵であるならば」
国王から手渡されたのは、オリバーがアイビーのために散財した結果、自分に与えられた生活費では払いきれなくなった請求書を、国庫金から補填した明細だった。
「婚約破棄騒動を耳にした公爵は、何がなんでもお前の悪事を暴きたかったようだ。実にあの方らしい」
一瞬、柔らかく破顔した国王は、再び厳しい表情に戻って言葉を続けた。
「オリバー、王命に背いた罪、国庫金横領の罪により、お前から王位継承権を剥奪する。同時に王族、貴族としての権利も失うが、王族会議の決議により、生涯私と妃の息子として生活をすることは許された。ゆえに身の安全は保証される。これが精一杯の情けだ。成人まで一年もないが、その間に自活の道を見つけなさい」
「…………はい」
拒否など、できようはずもない。
「それから、賃貸料の支払いはお前の役目だ。未成年のうちは私が立て替えよう。成年の儀を終えたら自分の懐から払いなさい」
「無理です! そんな高額な……」
慌てて腰を浮かしかけたオリバーを、国王が制した。
「金貨一枚だよ」
「は……?」
「我々が引き続きこの王宮に住むために必要な賃貸料は、月に金貨一枚だ」
バキッと音がした。今まで無言でいた王妃が、怒りのあまりに扇をへし折った音だった。
王妃は黙ってうつむいていた。事前に一切の口出しをしないことを条件に、この場に同席することを許されたからだった。
金貨一枚とは――王宮の下女でさえ、月給は金貨10枚――つまり、公爵家が求めるのは金品ではなく、文字通りのオリバー本人の誠意。一生涯に渡る謝罪だっだ。
なんたる屈辱。
普段は物静かな王妃も、お気に入りの扇をへし折るはずだ。
「それから、お前があの聖女もどきと使い込んだ国庫金の返済もするように。こちらは非常事態につき、お前が成人するまでは待てなかった。国庫金の流用に気づいたガーランド公爵から報告を受け、その段階で公爵からの善意によって補填されている。会計上は問題はないが、お前が国庫金を横領したのは事実だ。こちらも公爵家に必ず返済しなさい」
あえて強調された『善意』という言葉が、ズシリと胸に重く響いた。
寮生活とは言え、休日には自由に行動ができたため、オリバーはアイビーのための浪費を繰り返した。
未来の国王に気に入られようと、商人もこぞって世界各地の名品を持ち寄り、売り込んできた。
持ち上げられて、嬉しくならないはずがない。
可愛らしくおねだりする恋人と、とりまき達の手前、オリバーは物の価値も見定めぬまま根こそぎ買い取り、アイビーに与えた。
とりまきやアイビーを連れて食事に出れば、いつも高級店を貸し切り、時には王室派の子息をも招いてパーティで大騒ぎした。支払いは全てオリバーが持った。
とりまき達もアイビーを狙っていたのを知っていたから、自分だけが同列ではないことを知らしめる必要がある――愚かにもそう信じた。
使える金額の限度を越える分は侍従を使いに出し、国庫から負担させた。
王太子が支払いを踏み倒すことはできない。財務担当者にはそう言い聞かせて請求書を回した。
言い訳にしかならないが、使い込むつもりなどなかったのだ。立て替えてもらった分は、次に支給される生活費から引いてもらう予定だった。
ただ……思いのほか、立て替えてもらう金額が膨らみすぎて、補填できなくなってしまったのだ。横領という言葉を聞くまで、事の重大さにも気づかなかったほど、軽い気持ちだった。
アイビーが投獄され、オリバーが与えた財産は全て没収されたが、換金しても微々たる額だったと聞いた。
ドレスは古着となり、宝石はほとんどが精巧に加工されたクズ石で、商人たちが熱く語っていた希少価値など皆無だった。
商人たちにとって、オリバーのような愚物はいいカモだったに違いない。二束三文のおもちゃを、世界に一つの宝石と信じ、大枚をはたいたのだから。
「それからもう一つ。あの聖女もどきは妊娠していなかったよ」
「は、はぁ……」
「毎晩部屋に連れ込んでいたと聞いて心配したが、数を打ったわりには全部空砲だったようだな」
「な、な、な、なんで、そんなことまで!?」
「おや、気づかなかったか。お前には常に光迷彩と闇迷彩を使える護衛をつけていたんだよ。世継ぎの身分にある者を、たとえ学校と言えども野放しにするはずがないだろう? 全て報告を受けているよ」
周囲から再び押し殺した笑い声が起こった。
顔から火が出るほど恥ずかしい。毎晩褥での破廉恥な行為を護衛に見られていただけでなく、報告までされていたとは。しかも人前で、実の親からそんな話を聞かされるとは。
誰も口には出さないが、この場にいる誰もが馬鹿にしているに違いない。
これではまるで公開処刑だ。口に出せない文句を飲み込んで、オリバーは拳を握って耐えた。
「よかったじゃないか」
「……もう、やめてください」
「もし聖女もどきを妊娠させいたら、彼女は処刑、お前を断種しなければならなかった」
思いがけない言葉に、オリバーは思わず股間を手で隠してしまった。
「放逐された王位継承者の家系が謀反を起こさないよう、その芽を徹底的に潰さなければならないからな。だがお前はその能力がないと判断された。この先、新たな伴侶を得て子をなしても、それはお前の子供ではない。王家はそう判断する」
それは国王としてではなく、父親としての愛情がこめられた言葉だった。
常に国王として忙しく、家族よりも国民と政治を優先する、子供にとっては名ばかりの父親。そう思っていた。
よりによって国王自ら法を拡大解釈し、その網から息子を逃がすなんて。公私混同も甚だしい。
気づかなかっただけで、ちゃんと愛されていたのか。
オリバーの頬に熱いものが伝い、それを隠すように手のひらで顔を覆った。涙が勝手に溢れて止まらない。
「父上、出来の悪い息子で申し訳ありませんでした」
オリバーの口にからこぼれた謝罪の言葉に、王妃だけでなく、国王の目にも涙が光っていた。
その後、オリバーは王宮の清掃係の仕事を始めた。
王宮に住みながらも、王族ではない。だから働かなければならない。
特技もないので、王宮のもっとも地位の低い仕事をあえて選んだ。
慣れない仕事に四苦八苦する姿を嗤われる日々にも、すぐに慣れた。何を言われても全て身から出た錆だ。
国王は相変わらず忙しく、ほとんど顔を見ることはない。その分、王妃は必ず会話する時間を作ってくれた。
その日の掃除係の仕事の話など、王妃には退屈でしかないだろうに、どんな話にも楽しそうに相槌を打ってくれる。
王宮ということを除けば、それはごく普通の親子の時間だった。
給料は週払いで、賃貸料の金貨一枚はすぐに手に入った。それを丁寧に封筒に入れ、オリバーはガーランド公爵家を訪ねた。
国王が成人になるまでは無理しなくてよいと言うのを断り、自分の給料から支払うことにしてもらった。
これは自分自身のけじめだ。
「ごきげんよう、オリバー様」
現れたのは、フェリシティと公爵夫人だった。
「申し訳ありません。父は先ほど王宮に向かいましたの。入れ違いになってしまいましたのね」
相変わらず彼女の言葉は優しく、ふわりと微笑む姿は美しかった。
婚約者であった時は素直に認められなかった彼女の美点を、関係を捨ててしまった後に再認識させられるとは。
思わず見惚れてしまったことに気付き、オリバーはそんな自分を恥じた。
「で? 元王太子殿下がどのようなご用向きでいらっしゃったのかしら?」
一方の公爵夫人の対応は冷ややかだ。
「は、はい。今月の王宮の賃貸料を……その……お支払に……参り……ました」
段々と尻すぼみの小声になりながら、やっとの思いでオリバーは告げる。
「さようでございますか。でしたらわたくしが承りますわ」
と、答えたのはフェリシティだった。
「王宮はわたくしの持ち物ですのよ。父がその様に手配をいたしましたの。ですから賃貸料をお支払いただく相手は、わたくしですわ」
「そ、そうなのか……では、君に……」
オドオドと金貨を入れた封筒を差し出すと、フェリシティが受けとる前に、その手を公爵夫人の扇が抑えた。
「その前に、わが娘に対してすべきことがございませんの? 元王太子殿下」
「あ、あ……そうだった……フェリシティ、今回は」
「違います」
公爵夫人はビシッと床を扇で指した。
「頭の位置が、いささか高うございますわよ。それから我が家は公爵家、わが娘はその血を継いだ正当な公爵家の令嬢です。一市民となった元王太子殿下が呼び捨てなど、おこがましいにもほどがありませんこと?」
「あ、あ……そうだな、申し訳……ありません。フェリシティ様」
ん、ん、と公爵夫人に咳払いされ、オリバーは慌てて言葉遣いを訂正する。
そして、右足、左足とゆっくり膝をおると、深々と土下座した。
深呼吸して、腹の底から声を張った。
「この度は、大変申し訳ありませんでしたッ。 また、公爵閣下と皆様のご温情に深く感謝申し上げます!!」
「大変結構。さ、面をおあげなさい」
「賃貸料を頂戴しますわ」
今度こそ、金貨を入れた封筒をフェリシティに渡した。もう泣きたいし、早く帰りたい。
受けとったフェリシティはすぐに中身を確認して、一枚の紙をオリバーに手渡した。
「そちらは領収証です。オリバー様が届けてくださる度に、わたくしがお渡ししますので、陛下にお渡しください。それから、父が立て替えたオリバー様の横領分、そちらもわたくしが受け取り管理することになりましたので、宜しくお願いします。詳細は決まり次第、ご連絡いたします。本日はお疲れ様でした。また来月も宜しくお願いしますね」
「ま、待ってくれ!! あ、待ってください!!」
用件だけを伝え、去ろうとするフェリシティをオリバーは思わず引き留めた。
チラリと公爵夫人が視線を向けたのを無視して、オリバーは続けた。
「は、話を……させてください」
「お話ですか?……なぜでしょう?」
「色々と……あの……」
「わたくしにはお話することはありませんわ。それに、今更オリバー様の自己弁護など、聞きたくありません」
「自己弁護……」
「そうです。他に何かありまして? まさか庭で流行の装いのお話など、するおつもりで?」
「いや、それは……」
いまだ床に跪いた格好のまま、オリバーは言葉に詰まった。
見上げるフェリシティの表情は明らかに呆れている様子だった。
「わたくしはもう、うんざりなのです」
どこか遠くを見つめて呟く姿を、オリバーは知っている。
未来の王太子妃と注目を浴びてもどこか、心あらずといった表情をすることがあった。
誰もが羨む地位を得ながら、それさえも関心を持っていないような、不思議な光景だった。
誰も気づかないその一瞬に触れ、オリバーはもどかしさと訳のわからない苛立ちを感じたのを覚えている。
目の前にいる、将来の自分の伴侶となる少女には、自分はいらない存在なのだ――それを認めたくはなかった。
多分、あの時に初恋と失恋を同時に認識したのだ。
それを認めるにはまだ幼すぎて、できなかった。気づいてしまった事実に蓋をして、自分なりに気を引こうとあがいたが、無駄だった。
フェリシティの目が、義務以上の熱を持ってオリバーに向けられることはなかった。
「君は……本当に王太子妃になど、なりたくなかったんだな……」
「はい」
「あ、そう……デスネ……はは……」
きっぱりと言い切った返事が、オリバーの甘い感傷を叩き切った。
「ところで元王太子殿下。いつまでもこのように油を売っていてよろしいんですの?」
無駄話はおしまい、とばかりに公爵夫人が割り込む。
「今日、旦那様が王宮に出向いた理由をお教えしましょうか? 先日議会で可決された王政廃止を玉座に宣言するためですのよ」
「王政廃止?」
「ご存知なかったようですね。仕方ありませんわね。旦那様もこの件ばかりは、とても慎重に動いていらっしゃいましたので。アッシャー王国は今日をもって消滅し、二年の準備期間を経て、ニタ共和国に完全併合されます」
「それでは、ごきげんよう」
王政廃止だと!? そんな馬鹿な――――!!
固まるオリバーを、公爵家の下男が担ぎ上げ、門の外に放り出した。
一市民となったオリバーに、待っていてくれる馬車はない。
『王政廃止』の宣言をする、と確かに公爵夫人は言った。
王族会議ではその様な話はなかった。ならば議会で決議されたのは、その後のことだろうか。
ガーランド公爵はいつか国を乗っ取るだろう――王室派の貴族たちの間では共通の認識であり、ずっと警戒していたことだった。
まさか、今回の騒動をきっかけに、本当に王家を見限ったのか。
それならばなぜ、この国を自らの手中に収めず、ニタ共和国への併合に導いたのか。
アイビーと自分の見事な転落は、ガーランド公爵による報復だと思っていたが。
その総仕上げと言うのなら、わざわざニタに併合などされず、その圧倒的な権力を持って国王を傀儡とし、いくらでもこの国を好きにできる。それだけの力を持っているはずだ。
解らない。
理解できたのは、全てに彼が関わっていることだ。
「父上と母上はこれからどうなるんだ……」
半ば放心状態のまま、王宮に向かい歩きだすオリバーだった。
毎週金曜日に21時に更新。
次回は1月27日の予定です。
親子二代で土下座。
国王は、ガーランド公爵の前でなければ、普通の人です。




