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カミーユとロザリーの話  作者: 十月猫熊
第2章 カミーユのお話
70/101

45根回し中

しばらく短めが続くかも…。すみません。


ロザリーいわくの『同居人』もしくは『居候』におさまってからすぐ、の僕は忙しかった。


ロザリーは『居候をおくことにした』、という程度の内容で実家に報告をしたらしく、驚いたご両親からの呼び出しを受けた。


当たり前だよね、結婚前の娘と同居しているのがどんな人物か、分からないなんて怖いだろう。


僕は実家に、ロザリーとの同居にこぎつけたので、婚約誓約書を書けるところまで書いて、送ってほしい、と手紙鳥を実家に飛ばしていたので、ロザリーの実家に赴くときには、既にうちの両親と僕の署名の入った婚約誓約書を持っていくことができた。


その当日、ロザリーはどんな奴を連れてくるのか、とヴィリエ家ではドキドキしながら待っていたようで、人物の見極めのために、嫁いだお姉さんまでがシャルル君を連れて待ち構えていた。


ロザリーとともに現れたのが僕だったので、みんな拍子抜けした顔をしていた。


ロザリーはまっしぐらにシャルルのところに突撃して、僕を放置したので、僕は改めて丁寧に挨拶をした。


僕としては、ロザリーと結婚したいこと、でもロザリーからはそんな風には思われていないので、あくまでも今は同居人でしかないこと、などを包み隠さずに伝えさせてもらった。


「二人とも自覚がなかったけど、少なくても片方には芽生えたってことね」


お姉さんのルイーズさんにはそんな風に言われて、その後は僕に興味が無くなったのか、ロザリーとシャルルが遊んでいるところに行ってしまった。


そして僕は、ご両親と次期ヴィリエ男爵のアルセーヌ君に、ロザリーとの同居にあたって、婚前交渉はしないこと…純潔を守るだけでなく、疑似行為も一切しないことを誓約した。


もし誓約を破ったときの対価には僕の命を捧げたので、お母さんのジゼルさんだけは大げさじゃない?と眉をひそめたけど、お父さんとお兄さんは満足げだった。


それから、僕の両親と僕の名前が既に入った婚約誓約書を見せ、僕の両親はもちろん賛成であることを伝え、いつかロザリーが僕との結婚を承諾してくれる時まで、婚約誓約書を預けることにした。


もちろん、使わずに破棄されるようなことにはさせないつもりだ。


「ガストンと、親戚付き合いか」


そう呟いたロザリーのお父さんのベルナールさんは、僕の父ガストンとは学院時代からの親しい間柄であるとは知っていたし、僕自身、幼い頃から何度かベルナールさんには妖精の呪いの件や魔力のことなどで診てもらっていて、知らない仲では無かったので…もちろん当時は父の客人としか思っておらず、診てもらっていたことにすら気付いてなかったけど…僕の方としても、義理の父親になってもらえるかもしれないのは、嬉しいな、と思ったのだった。



そうして、婚約者(仮)の地位をロザリーの実家で確立した僕は、他のことも根回しをした。


さりげなく、ここ数年ロザリーはドレスを新調していないだろう?と言葉巧みに誘い出し、一緒に僕の行きつけの衣裳工房に行って、ロザリーの結婚式用のドレスの採寸をした。


とりあえず結婚式の日取りは決まっていないけど、と前置きして注文したけど、意外とそういう僕みたいなことをする男性はいるみたいで。

ロザリーにバレないようにすることに協力的だったので楽だった。


ちなみにそのときに新調した普通の夜会用ドレスは、さりげなく青や緑を多く使ったものに誘導したので、お店の人が笑っていた。


ロザリーは鈍感だから気付いていなかったけど。


僕がロザリーに選ぶんだから、僕の髪色や目の色を選んで何が悪いのかっていう話だ。


家具や調理器具なども、どんどん買い足した。

タウンハウスから持ち出したものもあったけど、ブノアとブノアのお嫁さんとフレデリクがタウンハウスに住み続けているのに、あんまり持ち出すと困るからだ。


ロザリーの家から我が家のタウンハウスまでは歩いて30分もかからないので、仕事の休みの日に、ハーレの領主としての仕事をしに領地に行ったりするのは、難なくできていた。


貯まりがちな手紙も、討伐なんかで長期に家を空けることを思えば、なんてこともなかったし、手紙鳥ではなく手紙を寄越すような周囲の人達も僕が留守がちであることを把握していることが多いので、僕がタウンハウスを空けてしまっても、大きな問題はなかった。


仕事から早く帰れた日には、タウンハウスに寄ってから、ロザリーとの家に帰るようにもしていたし。


大体の新居での生活のペースができてきた頃に、ロザリーにベッドをもう一つ買おう、と提案されたけど却下した。


ロザリーを抱き枕みたいに抱きしめて眠るのを、今さらやめられるわけがないじゃないか。


ロザリーは本当に、家事を手伝ってくれる同居人を手に入れた、としか思っていないようで、婚約者(仮)認識の僕との意識の違いは大きく、前途多難だなあ、とため息をつくことも多かった。


それでも、毎日僕の作る朝御飯やお弁当に晩御飯、それらを嬉しそうに美味しそうに食べる姿からは、着実に餌付けが上手くいっていることがわかった。


お弁当を持っていくようになったので、ジョルジュ先輩と所長には、結婚を視野に入れての同居を始めたことを報告しておいた。

でも残念ながらロザリーからはただの同居人として認識されている、ということも包み隠さずに。


ここでも二人から、まるでロザリーのお姉さんに示されたような、ようやくか、といった反応だったので、ちょっと恥ずかしかった。


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