第7話
それから、おれと田端さんは二人でボクシングの練習をした。
田端さんは、はじめは一人でやると言っていたが、おれが強引に頼み込んだらなんとか了承してくれた。
そこのこと、ボクシング部の浅倉さんに言ったら、夜ならボクシング部で練習してもいいことになった。
いままで、兄貴から基礎らしいことは習っていたが、体力がまるでなかったおれは、それから毎日走った。
二人で本格的な練習を開始してから2ヵ月が経つ頃にはおれもだいぶ体力がついてきた。
以前公園で田端さんとスパーリングしたときはかすりもしなかったパンチが今ではガード越しではあるが的確に当たるようなってきた。
この日も夜練習をして休憩しているときに田端が声を掛けてきた。
「そろそろ実践と行こうと思う」
「...はい」
「アイズはかなり武闘派集団ではあるが人数は30人程度だ」
「30人ですか!」
「ああ、だが格闘技の有段者とかの実力者は前田と幹部の4人だけだ。まずは他の末端メンバーから削っていこうと思う」
「でも、どうやって?」
「ああ、おれも元アイズだしな。ある程度の奴の連絡先くらい知っている。まずは、一人ずつ潰してそこからまた連絡先を聞き出すなり奪って少しずつ減らしていくしかない」
「わかりました」
「リュウジは今までケンカはしたことあるのか?」
「いえ、それが全く...」
「だろうな、お前のボクシングをみていれば分かる。だが、これからは実践だ。相手はパンチだけじゃなくキックや武器も使ってくるだろう」
「...はい」
「まずはケンカで相手がどんな動きをするのかに注意するんだ。」
「わかりました。」
「なに緊張してんだ?まず、お前ほどの実力があればそこらの奴に負けることはない」
「そうですかね...」
「じゃあ、おれがリュウイチさん直伝の必殺パンチを教えてやる」
「必殺パンチ??」
「そう、カウンターだ。おれはファイタータイプだからあまりカウンターは得意じゃないんだが、お前ならコツさえつかめばあっという間にうまくなる」
「そうですかね」
「カウンターで大事なのはスピード、タイミング、それと勇気だ」
「スピード、タイミング、勇気」
「これから金曜日まではカウンターの練習を中心でやってくぞ」
「はいっ」




