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 高校生の時、独りでに北海道へと旅に出た。

 三日間の旅だったが行き帰りのフェリーの中で二日間と+α過ごした為、北の大地を旅したのは実質16時間には満たなかった。

 旅に出る前日、夏期講習の為学校へと赴いた。その行きの電車でセツと会った。

 彼女は補講と言っていたが偶然とは怖いものだ。その時、旅することを話題の種とした。

 その種から芽が出たのか、自分がフェリーで過ごしていた時には決まって彼女から電話がかかってきていた。フェリーの中というのは案外退屈で、自分にとって気分良く過ごせるのはイートインスペースだけだった。売店には書物も売っていたが若年層向けのものは無かった。

 だからなのか海の上では彼女と話して過ごした。この時、女性とは話に困らない生き物だと思った。泉のごとく湧き出してくる、という言葉がぴったりだった。

 新学期早々の電車で袋詰めされた日高昆布をお土産として彼女へと渡した。

 その時彼女は『彼氏と食べるね』と言っていた。ねだったのは彼女なのだから仕方ないだろう。


「なあ、セツ。そのお金で旅に出ないか? 北海道とかはどうだ?」


 後々のことなんて自分には分からない。その時に彼女へ提案するだけだ。

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