AIがOKと言った小説を家族が全否定した話
小説は書くより削るほうが地獄だった
おはようございます。雨日です。
公募用の小説が、ついに九割まで終わった。
……ただし、ここからが、地獄だ。
昨日はエッセイを更新する時間もなく、公募用の原稿に取り組んでいた。
◇公募用原稿、九割終了
34日前、雨日は決心した。
公募用の小説を書く。
期限は決めてある。
連載用小説のストック(下書き)が尽きる前に終わらせること。
書き始めた当初、連載のストックは51話あった。
そして5日前。
ついに原稿を書き上げた。
……だが、そこで悶絶した。
文字数オーバー。
10万7千文字。
7千文字削らなければならない。
雨日は引き算が嫌いだ。
足し算は好き。
なんなら、かけ算はもっと好き。
だが、引くことだけは大嫌い。
だからこそ、小説家になろうで1年4か月のあいだに200万文字も書いてしまったのだろう。
編集をお願いしたAIは無情だった。
雨日の文章を、容赦なく削っていく。
削られた文字数は万単位。
必死に削ったのに、まだ削るのか(泣)
そこから4日間。
AIと編集作業を続けた。
AIは引き算が大好きだ。
どんどん削る。
「そんなところまで削るのか!」
けんか腰の雨日と、激しいラリーが続いた。
そして4日後。
文字数は、9万8千文字になった。
終わったとき、雨日はやせ細った気持ちになった。
……気持ちだけは。
リアルでは、しっかりと。
そして、たっぷりとある。
◇終わった……と思った、そのとき
編集が終わったあとの達成感。
これはやばい。
変なアドレナリンが出ている。
この年齢で、こんな快楽物質が出るとは思わなかった。
ラノベ小説を完結させたときより、もっと甘くて、強烈だ。
連載小説のストックは残り12話。
期間内に終わらせたことも、達成感を強めている気がする。
……癖になりそうで、怖い。
33日間、ろくに人間らしい生活をしていない。
散髪もしたい。
庭もいじりたい。
買い物にも行きたい。
陰気な雨日でも、なんだか外に出たくなった。
温泉でも行こうかな。
……いや、待て。
公募先はどこにしよう。
家族に相談してみた。
「冒頭の4章を読んで。そこから公募先を考えてほしい」
家族は読んだ。
そして、言った。
「これではだめだ」
◇編集合宿の始まり
家族は次々と指摘してくる。
「まず、この一章がだめ」
「書き方がなってない」
「この人物いらなくない? 何?」
……え?
「AIは良いって言ってくれたよ?」
「それではだめだ」
そう言うと、家族はパソコンを開いた。
◇執筆と編集は、別の能力らしい
家族は、5年間で4万文字の小説を改稿し続けている。
未だに公開はしていない。
けれど、編集能力が高い。
なぜなら、雨日が実用書を書いていたころ、
書いた原稿は、すべて家族がチェックしていた。
つまり。
雨日が執筆
↓
家族が編集
↓
編集者へ送る
そんな流れだった。
担当編集者も、それを認めていた。
盲腸で入院したときも、家族は原稿を編集してくれた。
家族のサポートがなければ、雨日は出版していない。
あまりに編集に関わっているので、
著者は雨日ではなく、家族なのでは?
と思ったこともある。
それを担当編集者に話すと、彼女は首を振った。
「執筆と編集の能力は、別です」
そのときは半信半疑だった。
だが、今回ではっきりわかった。
編集がいなければ、良い文章は生まれない。
もちろん、執筆も編集も両方できる書き手もいるだろう。
……うらやましい。
雨日には、ない才能だ。
だが、家族の編集のおかげで、雨日の小説はどんどん良くなっていった。
◇一日がかりの編集作業
昨日は休日だった。
朝10時から、家族とパソコンに向かう。
そして、編集。
ひたすら編集。
ラスト2話を読み終えた家族が、ぽつりと言った。
「これを最終章にしよう」
大胆にも、話数を入れ替えた。
すると――驚いた。
ものすごく良くなったのだ。
書いていることは同じ。
文章も変わっていない。
ただ順番を変えただけなのに、
物語がまったく別の顔を見せ始めた。
見せ方ひとつで、ここまで変わるのか。
編集の力を、思い知らされた瞬間だった。
気づけば22時。
ようやく編集作業が終わった。
◇ 編集能力が高いと、ずっと改稿している?
付き合う家族もすごい。
雨日だったら絶対に無理だ。
家族はため息をついた。
「こんなことしていたら、自分の作品が公開されるのは一年後だ」
思うに。
編集能力が高い人ほど、作品を無防備に公開できないのかもしれない。
ちなみに。
小説家になろうで書いている雨日の文章には、家族は関与していない。
だから、野放しでどんどん長くなる。
◇ 書き終えた どうしよう
原稿は9割完成した。
あとは、少し削って、化粧をしていくだけ。
これなら連載と両立できそうだ。
34日間放置していた連載にも、ようやく手をつけられる。
……そして。
残っている問題は、ひとつ。
公募先を決めること。
さて。
どこに出そう。
……今さらながら、そこから悩んでいる。




