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わるいひと
部屋に戻って、棚に置かれた。なんでこの棚に置くのかは未だ分かってない。
ふと、台車の音が聞こえた。
「あ、あの……お食事です。」
その声と共に台車の音は止まった。皿の置いた音だ。
「朝飯か。」と着替えながら、ドアを開けた。すぐ側に皿が置いてあった。
「倭斎隗って使用人と何かあった?」
皿の中から大きなソーセージを人差し指と親指で掴みながら食べる。(フォークぐらい使えよ……)
「何にも無い。けど、顔が怖くってさ逃げてくんだ。使用人!」
はぁ、そりゃ酷いなと。思いながら、よっとポテトを一つ摘んだ。
「あっ!いつの間に降りてきたのか!ちょっと!鐘道!ネコのぬいぐるみがなんで飯食ってんだよ!」
首元をガッと掴まれて、また棚に戻された。ネコのぬいぐるみだって、腹減るんだよ。朝飯ぐらいいいだろと思いながら、ぺろりと指を舐めた。
「じゃあ、俺は学校に行ってくるからな。くれぐれもぬいぐるみが喋ってるなんて話題にならないようにな!」
人差し指を俺の眉間にぐりぐりと押し当てた。注意は慣れているが、顔が怖いのは慣れていない。




