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自転車に牽かれたのでスライムにしか転生出来ないと女神に神妙な顔で告げられた件

 「え、どういうことですか?」


 「すみません。規則により、そういうことになっているのです。」


 規則ってなんだよ。

 僕はスライムにしか転生出来ないってどういうことですか、女神様!

 それは僕がスライム並みに役に立たない社会のゴミだからですか。

 ひどいですよ。そんなの差別じゃないですか。


 「いえ、そういう事では無いんです。」


 「じゃ、じゃあどういうことですか。納得のいく説明をお願いします。」


 僕は必死だった。

 そりゃそうだ。だってスライムに転生しろって、遠回しに死ねって言っているようなものだ。

 ていうか、スライムってモンスターじゃん。人じゃないじゃん。

 僕は人間に転生したいんだ。

 

 「あなたがスライムにしか転生出来ない理由。それはあなたが自転車に牽かれて死んだからです。」

 

 はい?

 

 「転生の規則では当事者の死亡理由によって転生先が変化するのです。ほとんどの場合は一般人なのですが、交通事故に限っては転生先が変化しやすいのです。」


 なんちゅう理由だ。

 なんでそんな意味わかんない規則をつくってんだよ。

 なんでそんな意味わかんない規則を真顔で言えるんだよ。


 「じゃあ、もしトラックに牽かれたら何に転生出来るんですか。」


 「勇者です。」


 「勇者!?」


 勇者、勇者かあ。

 トラックで勇者で、自転車でスライムかあ。

 落差激しすぎない?


 「すみません。自転車に牽かれて死亡するなんて珍しいのですから、逆に希少種族の方が良いのではないかと何度も進言しているのですが・・・・・なにぶん、規則をつくった神が破壊力至上主義なもので。」


 なんだ破壊力至上主義て。

 絶対その神、破壊神だろ。

 なんでそんなやつに規則を作らせてんだよ。


 「ど、どうにかならないんですか?」

 

 「どうにもならないです。規則なので、私に規則を歪める権限はありません。」


 そうかあ、どうにもならないのかあ。

 うん、確実に詰んだわこれ。

 

 「で、でも即死ボーナスが入ってますから、そう気を落とさないで下さい。」


 即死ボーナス?


 「衝突してから十秒以内に死亡した際に付加されるボーナスです。珍しいスキルが取得出来るんですよ。」


 いや、そんな嬉しくないし即死ボーナス。

 もうちょっとまともなやつに規則作らせろよ。


 まあ、でもそのボーナスで一日の寿命が一年に伸びるかもしれない。

 もしかして、俺tueeeとか人間に変身出来るスキルとかあるのかもしれない。

 希望を持て、僕。


 「じゃあ、取得出来るスキルを教えて下さい。」


 「はい。スライムで取得出来るスキルは、【暴食】と【魅了】の二つですね。」


 二つか。

 少ないな。やっぱスライムだからか。

 どっちにしようかな。


 「【暴食】はスライムの取得出来るスキル、【吸収】の上位版で、ありとあらゆる物質を呑み込み、自身の力に還元するスキルです。」


 おっふ。

 想像通りの凶悪スキル。

 俺tueee出来そうなスキルだ。


 「【魅了】はスライムだけが取得出来るスキルではなく、特定の複数の種族が得られる珍しいスキルです。このスキルを使うと、他のモンスターから襲われなくなったり、対象の興味を引いたり出来ます。」


 ほう。

 つまりは、己を可愛く見せる事が出来るスキルというわけだ。

 

 うーん、悩ましい。

 どっちも捨てがたいなあ。


 【暴食】は強そうだし、【魅了】は色々と役に立ちそうだし。


 「どちらにしますか?」


 ・・・よし、僕の心は決まったぞ。

 

 「えーと、じゃあ、【魅了】で。」


 よくよく考えたら、僕戦う気とかさらさらないし。

 あと、可愛い女の子のペットになりたい。

 

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