エロゲのパッケージに夢中になってたら自転車に牽かれて死んだ件
風呂場で弟と考えた話をノリと勢いで書きました。
なので、風呂場で読むくらいの気軽さで読んで下さい。
更新は不定期です。
「あなたは死んでしまいました。」
突然、そんな事を言われた。
「え、僕死んだんですか?」
さっきまで、家の近くのコンビニの前にいたはずの僕はいつの間にか、真っ白な空間に居て、目の前の女神っぽい超絶美人に死亡通告を受けた。
いやいやいや、いきなりなにこの状況。
わけわかんないけど、僕の中のある部分が歓喜に震えていた。
つまり、『異世界転生イベントktkr☆』と。
いやいや、まだ転生出来るって決まったわけじゃないから。
それに、本当に死んだのかもわからないじゃないか。夢を見ている可能性だってある。
頭の中で、必死に今の状況を否定しようとする僕に、女神様っぽい超絶美人が手を振って、空中にスクリーンのようなものを出現させた。
「状況を正しく認識していないようなので、あなたが死んだという証拠をお見せします」
「え、これって、近くのコンビニ・・・ってあれ僕じゃん!」
そうスクリーンに現れたのは、さっきまで僕がいたはずのコンビニ。
そして、コンビニから出てきたのは顔をニヤニヤさせた青年・・・僕だ。
「うわっ、キモッ」
これは僕の台詞だ。
いや、端から見ると僕って気持ち悪っ。
「あなたは、新発売の青年向けのパソコンゲームを近所のコンビニエンスストアで購入し、そのゲームがあなたの趣向に適したものであったので、歓喜のよって注意散漫の状態でした。ちなみにその趣向というのは・・・」
「わー!!説明しなくて良いですから!」
そうだ、スクリーン上の僕がニヤニヤと気持ち悪い顔をしている理由。
新発売のエロゲを予約していて、コンビニに受け取りに行ってたんだ。
そのエロゲというのは、僕が好きなゲーム会社の新発売のやつで、内容の説明をし始めた女神っぽい超絶美人の口を慌ててふさぐ。
止めてくださいよ。僕の性癖がばれるじゃないですか。
「この場所にはあなたと私の二人しかいませんが・・・まあ、良いでしょう。」
すると、止まっていたスクリーン上の僕が動き出す。
うわあ、ずっとニヤニヤしてる。
あ、そういえば、ここで。
「そう、あなたは自宅に帰宅するのが待てなかったのか袋に入っていたゲームのパッケージを舐めるように観察をし始めました。」
舐めるようにて。
確かに舐めるように見てるけどさ。
バカだなあ、僕。家に帰って見ればよかったのに。
「その時、あなたは周りが見えなくなっていたのでしょう。そのまま歩道に出て・・・自転車に牽かれました。」
スクリーン上の僕が、端から突っ込んできた自転車に牽かれる。
って、ちょっと待て。
「え、僕は自転車に牽かれて死んだんですか?」
「そうです。あなたは自転車に牽かれて死にました。」
嘘でしょ?
僕って自転車に牽かれて死んだの?
「おそらく、あなたの長年の運動不足による虚弱体質と、打ち所が良くなかったために首の骨が折れて・・・即死です」
自転車に牽かれた僕は、宙を吹っ飛びアスファルトの地面に頭から突っ込んだ。
首が変な方向に折れ曲がり、体が痙攣している。
うわあ、めっちゃ痛そう。即死で良かった。
そこで女神っぽい超絶美人が手を振って、スクリーンを消した。
「あなたは死にました。その事を理解できましたか?」
「ええ、はい。理解できました。」
いや、もう納得するしかないよ。
自転車で死んだのは凄くショックだけど。
「自己紹介が遅れました。私は魂の行方を司る女神、リリアスと言います。」
あ、やっぱ女神なんだ。
やっと、女神っぽい超絶美人じゃなくて女神って言える。
「えっと、僕は・・・あれ?」
リリアスさんに対して、自己紹介を返そうと自分の名前を言おうとするけど全く思い出せない。
確かに今まで生きてきた記憶は鮮明に思い出せるのに、自分の名前だけが思い出せない。
「死んだあなたは生前の名前を思い出すことは出来ません。たm魂の構造上、そういう事になっています。」
「あ、そうなんですか。」
だったら仕方ないか。
特にこれといった特徴があるわけでもないありふれた名前だったし。
・・・ありふれた名前だったというのは覚えているんだけどなあ。
「ここからが本題ですが、死んでしまったあなたに私は二つの道を提示出来ます。一つは、輪廻より外れ、天国へと旅立つか。二つ目は、新たな世界に新たな生を受け、転生するか。」
「異世界転生ktkr☆」
思わず叫んでしまった。
しかし、目の前で僕がいきなり叫んでしまったのにも関わらず無反応の女神様の視線が痛い。
し、仕方ないじゃないか。
異世界転生出来るってわかったら叫んでしまうだろ、多分。
僕がおかしいのかな?
「いえ、実際そういう方は多いですよ。」
女神様がにっこりと微笑んで、さりげなくフォローしてくれる。
なんて優しいんだ。
女神様、まじ女神。
「で、あなたはどちらの道を選びますか?」
「勿論、転生の方で。」
僕が力強くそう言うと、何故か女神様の表情が曇った。
どうしたのだろうか。
「やはり、転生の方を選ぶのですね。」
女神様はやけに神妙だ。
なまじ、超絶美人だからすごく緊張してくる。
女神様が重々しく口を開いた。
「誠に残念ですが、あなたはスライムしか転生出来ません」
・・・・・・・・・・・・なんですと?




