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最終章です。
あれから2年。
「殿下!!!!」
「ロ、ローズ・・・・」
「もう!あれだけ仕事はさぼらないで下さいと言っているのに!!」
首根っこを捕まえ殿下を執務室まで引きずっていく。
「だって・・・・」
「だって・・・。じゃありません!!先にお仕事を済ませてきて下さいと何度も申し上げているでしょう!!」
「でも、いてもたってもいられなくなったんだ!」
「殿下!!」
執務室に放り投げようとしたところに宰相様の笑い声が聞こえた。
「ローズ、それくらいにしておけ。殿下も反省しておられるではないか」
「宰相様!甘いです!殿下ったらさっき執務室に放り投げたのに、1時間もしないうちにまたやってきたんですから!」
そう、本日はこれで2度目だ。
「うーん・・・・。それより、宰相様はやめろと言っただろう?もう、お前は妃なのだから」
フォローのしようがないようで宰相様は話題を変えた。
「宰相様だって妃扱いしてないじゃありませんか!それにこっちの方が慣れてしまってますしねぇ・・・・」
「まぁ、なんだ。とにかく、あまり殿下を邪険にしてやるな。じゃないとこっちも仕事が進まない」
そんな事言われても・・・。
邪険にしてるつもりなど一切ないのだけれど。
「ローズ!!」
またもや、誰かが私を呼ぶ。
いや・・・この声は・・・・・。
ちらりと声のする方を見ると、
「・・・・国王」
はぁ。
「なんだ!遊びに来てやったのに溜息とは!!」
いや、だって国王。
1か月に1回は来てるじゃないですか。
いい加減にしてくださいよ。
「しょうがないだろう?少し離れているとどうしても顔が見たくなるんだ。我が娘の様にかわいくてな」
また、人の考えを読んで・・・・。
「ノーダン。お前の娘ではないぞ!」
国王の言葉に殿下が口を挟んだ。
「そんな事知っておる。娘の様だと言っただけだ」
にやにやと殿下に話しかける国王を見てまたもや溜息をついてしまった。
国王ったら。殿下で遊ばれてるわね?
これじゃ、一体誰に会いに来たのかわかりやしないわ。
なんて、人知れず溜息をついた時だ。
「ローズ様!!リリィ様がお呼びです!!」
慌てて侍女が駆け込んできた。
「あらあら?今度は何かしら?」
侍女と共に夫婦の寝室へと向かう。
そして、そこにいたのは・・・・。
「リリィ?どうしたんですかぁ?ん?お腹すいたのかな?」
半年前に生まれた可愛い私たちのベイビーちゃん。
「ローズ!!リリィは何だって!?」
おっぱいをあげている最中にも関わらずバンッ!!とドアを開けてくる殿下。
そのあとを楽しそうに歩いてくる、宰相様と国王。
そう、国王が会いに来たのは我が娘リリィ。
宰相が邪険にするなと言うのは、リリィだけでなく殿下にも構えと。
まぁ、十分殿下には構っている気がするんだけどね。
とにもかくにも、人が赤ちゃんにおっぱいを上げているのにもかかわらず平気で入ってくる男3人を部屋からつまみだした事は言うまでもない。
長い間、お付き合いくださいました皆様。
本当にありがとうございました。
稚拙な文章で読みにくく意図が伝わりにくい部分も多かったと思います。
それでも、たくさんの方に読んで頂けている事にとても力を頂きました。
後日、番外編などを書いていこうと思うので、まだ完結とは致しません。
また、お時間があるときにはのぞいて頂けると嬉しい限りでございます。
今後、また新連載を書いていこうと思いますので、そちらもお時間のある時にのぞいてみて下さい。
長い間、本当にありがとうございました!
睦月