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ローズの恋愛  作者: 睦月
第2章
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番外編 宰相様と国王様

ローズが旅立った後、王宮では大騒ぎだった。


「宰相!!ローズはどこへ行ったのだ!!」


王宮中を走りまわったのだろうか?

肩で息をしながら私に駆け寄ってきた。


「・・・・・殿下。ローズの行方は解りません。騎士にローズの家を訪ねさせましたが、ローズはおらず旅行かばんがなくなっていたそうです」


殿下がローズのいなくなった事に気付いたのはローズがこの国を出た翌日だった。


「なぜだ!!・・・・・・なぜ、ローズは・・・・・」


悔しそうに顔をゆがめる殿下を見ると心が痛むが、今の2人には距離が必要だった。


「・・・・ローズも思うところがあったのでしょう。殿下、ローズをしばらくそっとさせてあげましょう。あれでも兄が裏切りを働き、目の前で殺されたのです。心を休める暇を与えてやって下さい」


殿下は訝しげに私を見た。


「宰相・・・・・。お前は・・・・・」


気付いたか・・・・。

しかし、殿下はそれ以上何も言わずご自身の部屋へと戻って行った。


私は知っていて殿下に黙っていた。

ローズが旅立つ前、隣国の国王が私の所に来て話した事を・・・・。



***********************



「ローズを我が国に連れていく」


「はい?」


突然の言葉に思わず聞き返してしまった。


「ローズとこの国の王子が今、一緒にいては国が壊れるだろう」


国王は唐突に話し始めた。


「傷を舐めあうだけでは、この国は潰れてしまうぞ。いいのか?宰相として」


それは先程の2人のやり取りを見ていて私も思ったことだった。


「・・・・・それは困りますね。あの方にはしっかりとして頂かなくてはならない。しかし、今のままでは妃となる娘一人すら支えることは出来ないでしょうね・・・・」


私の言葉に国王はにやりと笑った。


「ふ。わかっておったか。この国の王子はまだまだだが、お前のような宰相がいるのなら安心か?」


「いいえ。滅相もございません。私などまだまだでございます。・・・・あなた様のような宰相にはなれません」


「ほう、知っておったか?」


笑みが消え、鋭い目つきでこちらを睨んできた。


「もちろんです。国王の甥という事を世間には隠しながらご自分のお力のみで宰相にまで上り詰めたノーダン様はあなた様の事ですよね?」


「・・・そうだ。前国王ですら知らなかった事だがな。よく私だと気付いたものだ。前国王が殺された後、次期国王はまだおさなく国を治められなかった。そこで第2位継承権のある私が次期国王が成人するまでの間、国王となる事となった」


睨んでいた視線がふっと和らぎまたもやにやりと笑った。


「・・・まさかとは思いましたが。しかし、あなた様が国王になられたのでしたら、隣国は安泰ですね」


「そうでもない。今まで前国王の甘い汁を吸っていた奴らの掃除は大変だ。その為にもローズにも働いてもらいたい」


「・・・私は構いませんが、ローズが何と言うでしょう?」


あのローズの事だ。兄の事で迷惑をかけた国にのこのこついていくとは思えない。


「まぁ、そこは心配ない。先程、話はした。多少強引だったがローズも承諾した」


「ほぉ。ローズが承諾しましたか。でしたら、私は構いません。どうぞ、煮るなり焼くなりお好きになさってください。・・・・・ただし」


私はそこで深呼吸をし、国王に鋭い視線を投げかけた。


「・・・・必ずローズは返していただきます」


「ほぅ、私の妃にはさせないという事か?」


「ご冗談でしょう?あなた様が本気でローズを欲しているとは思えません」


国王はじろりと私を睨んだかと思うと、腹を抱えて笑いだした。


「ははは!!そうか、お前にはそう見えるか。・・・・しかし、本気ではないにしろローズという人物は面白い。興味はあるぞ?」


私は、ため息をついた。


「・・・興味うんぬんで、ローズをたぶらかすのはおやめ下さい。アレはあれでも妃となるもの。我が主に返していただきます」


「ふん。つまらん。・・・まぁ、いいだろう。期間は1年だ。その間にお前の主をしっかりと教育しておくんだな。その時がきたらちゃんと返してやろう」


「・・・お任せ下さい」


私の意志を確認すると、国王は部屋を後にしたのだった。






ローズが旅だつ前に宰相と国王で交わされた会話です。


実はもともと国王はローズをローズを返すつもりだったんですね!

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