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日常会話
「話言葉ってさ、音だけで聞いたら勘違いすることってあるよな」
『ほう、例えば?』
「中学の頃テレビで、番組では《かんらんしゃ》を募集してますって宣伝してるの聞いて。あぁ、生で番組を多くの人が見れるように《観覧車》を募集してんだなって思ったんだよ。でも、実際は見る人たちの《観覧者》だったんだよ」
『確かに音だけだったら勘違いすることはあるけど、観覧者と観覧車を間違えることはないな』
「そっか。あと、うちの妻が保育士の仕事をしててさ。話の中で、《いじょうじ》のクラスっていう言葉が出てきて。《異常児》なんてずいぶん差別的な言葉平然と言うなと思ってたら、三歳以上の子どもを《以上児》って呼ぶらしいんだよ」
『よくある業種間では何気ない言葉だけど、素人からしたら専門用語をさらっと言っちゃう現象か。確かに《いじょうじ》は俺も今聞いてて、なんかドキッとしたわ』
「だよなー。日本語って難しいよなー」
「はぁ」って言うゲームがあると知ったとき、話し手がいかにして聞き手に「はぁ」って言わせる話をするゲームかと思ったときに思いついた話でした~