番外編・ひな祭り
小学校低学年の駿くんと愛花ちゃん。
愛花ちゃんが転校する前のお話し。
今日は、駿くんの家族を私の家に呼んでひな祭りパーティーの日だ。
「愛花ちゃん!あのね!あのね!ひな祭りってね!女の子の健やかなケンコーとセイチョウ?を祈る日なんだよー!」
駿くんは知らなかっただろと言い出しそうなどや顔でこちらを見てきた。
持参したひなあられをスナック菓子のようにバリバリ食べながら……
そんなこと、知ってるよ。そう思うが口には出さない。
「ママに教えてもらったの?」
「ちがうもーん!」
「じゃあ、なんで知ってるの?」
ふふーん!と駿くんは笑う。
「絵本に書いてあった」
「なるほど」
駿くんは本を読むのが好きでよく絵本をよんでいる。
バリバリ…バリバリバリ…
「もう!ひなあられ食べ過ぎ‼」
「あれ?」突然駿くんが焦りはじめる。
「どうしたの?」
「ひなあられって年の数だけ食べるんだっけ?」
私は心の中でニヤリと笑う。
「そうだよ。だから、駿くん100歳くらいなったんじゃない?たくさん食べてたから」
「僕、長生きだねぇ~」
さっき慌てていたのが嘘のように和やかに駿くんは笑う。
「っていうか、私にもひなあられ食べさせてよ。ひな祭りは、女の子の健やかなケンコーとセイチョウを祈る日なんでしょ?」
「あっごめん。食べたかった?はい、あーん」
そういうこと、してほしいわけじゃないんだけどな
私は思うが素直に口を開く。
ひなあられが2~3個口に転がり込む。
ひなあられの甘さが口に広がった。
「美味しいね。」
ふふっと二人で顔を見合わせて笑った。
今日は、ひな祭り!
今日初めて知ったのですが、ひなあられって地域によって味付けが違うのですね…
私は甘い派です!




